鶏冠山~竜王山(上桐生から周回)//湖南アルプス
2015.06.20


 
耳岩付近より天狗岩と右に鶏冠山
皆さん天狗岩の上で昼食


2015.06.20 (土)  曇り   哲、道

行き:草津駅東口バス停7:30 - 上桐生
帰り:上桐生15:00 - 草津駅東口バス停


コース:
◆上桐生バス停~登山口駐車場(トイレ・ハイキングマップ有)~北谷林道~落ヶ滝線分岐~(⇔落ヶ滝)~鶏冠山分岐~(⇔△鶏冠山)~天狗岩~耳岩~白石峰~(⇔△竜王山)~国見岩~狛坂磨崖仏~南谷林道出合~水晶谷線合流~逆さ観音~新名神高架下~天狗岩線合流~オランダ堰堤~上桐生登山口駐車場~上桐生バス停(歩行時間:約5時間)

注意:
◆土日、上桐生発のバスは2本/時ありますが、12時、14時台は1本しかありません。バスの時刻は確認の上お出かけください。車の場合は登山口に有料駐車場があります。
◆金勝山ハイキングコースでは、コース名は「○○線」と表示してある。









 梅雨は野草が少ない時期、少しは咲いているかなと湖南アルプスへ出かけてみる。今日は夕方から寒気が下がってきて天候が荒れるので、15時には帰れるようにと朝早くから出かけることにする。

 JR草津駅から7:30発上桐生行きのバスに乗る。前と後ろに列ができていて、「どっちや!」と。後ろが入口のようなので後ろに並ぶが、ここは始発なので前後のドアが開き「ローカルや!」と哲郎。土曜日だがほぼ満席で出発し、ほぼ大半の人がダイキン前で降りる。開発された住宅地を抜けると一変し、田畑が広がり山裾が迫ってきて桐生の集落に入る。

 集落の外れにある上桐生で降りるが、登山者は我々だけ「朝早いからかな?」と言いつつ、すぐの登山口のある駐車場へ向かう。すでに車が数台止まっていて、子供たちがキャーキャーと賑やかだ。整備されたトイレ前で準備していると、目の前に立派なハイキングマップが置いてあり、このマップがあればコースを歩く限り登山地図は不要のようだ。

集落の外れにある上桐生バス停 すでに車が数台止まっていて

 トイレ左手の道が落ヶ滝へ向かう道のようなので、早速出発する。登山道には標識が整備され、さすがにハイキングコース、林道と言えど雑木が心地よい。

早速出発する 林道と言えど雑木が心地よい

 北谷林道から標識に従い落ヶ滝線へとる。池の横を通ると細い谷沿いの道に変わり雑木の中を心地よく歩く。ここは国有林、京都の国有林はだいたい植林が多いが、ここは開発されずに自然が残っているのが良い。

標識に従い落ヶ滝線へ 雑木の中を心地よく歩く

 そのうち足元にシダ茂り緑一色、京都にはない素晴らしいハイキングコースである。二人は野草を探しながら歩いて行く。初夏に咲くラン系(ツレサギソウ属やトンボソウ属等)の花はほとんどが蕾で「残念!」と言うことになる。どの花も似ていて、花が咲くまで名前が分からない哲郎である。このルートは何度も谷に出合い渡渉することになるが、細い谷なのでぬれることはない。流れの中にキンコウカを見るが、ここでは終わっていて、「上流で花は残っているやろか?」と心配する。

シダが茂り緑一色の道は何度も谷を渡る

 落ヶ滝分岐から滝へ寄ってみる。シダの中を5分も歩けば滝に突き当たる。低山にしては予想以上に立派な滝を見上げる二人はすぐに分岐へ引きかえし、上流へ詰めて行く。雑木の中を滝上へ進むと疎林帯に入り谷間が広がる。

 もう稜線に近いはずだがチョロチョロと水が流れ日が当たるので、こんな所には野草があるだろうと早速野草観察をする二人、後続の登山者は皆野草を見ることもなく先へ進んで行く。低山、花崗岩質、尾根近くの広い谷間・・・湖南アルプス独特の地形で、どの山でも運が良ければ野草を見ることができる。

予想以上に立派な滝を見上げる 疎林帯に入り谷間が広がり

 細い谷間を登ったり、大岩を登ったりと変化に富んでいて、子供にとっては飽きないコースのようだ。小さな子供さんが家族より先行して我々と一緒に登って行くが、大岩もスイスイと楽しそうに登って行く。

 だんだん岩場が増えてきて、目の前に稜線を見て一登りすると稜線に出る。ここが鶏冠山への分岐である。野草観察に時間を費やし、標準時間より30分も遅れている。マップによると鶏冠山往復で1時間とあるが、「折角だから!」と鶏冠山へ登ることにする。

だんだん岩場が増えてきて 鶏冠山への分岐

 右手に植林を見て細い尾根を標高差120m登ることになる。小ピークを2度越え「まだ~」とい言いつつ登って行く。足元にイワカガミを、ツツジの木も多く春には楽しめそうだ。でも今は何もなく、ただ黙々と登って行く。

 鶏冠山に着くが周囲は木が茂り見晴は良くない。と言うことですぐに引き返し竜王山へ向かう。ゾロゾロとたくさんの人が登ってくるが、この山は1回登れば次からはPASSしそうである。頑張って歩き落ヶ滝分岐に戻り、結局30分で往復できたようだ。

鶏冠山に着くが周囲は木が茂り 分岐を南にとり竜王山へ

 分岐を南にとり竜王山へ少しずつ登って行く。野草観察で遅れた二人だが、鶏冠山への頑張りで、落ヶ滝線で出会った人たちに次々に追いついてしまう。細い尾根が続き、花崗岩質のザラザラ道や巨岩に何度も出合うが難なく歩くことができ、ゆっくりと登って行くので苦にならない。

巨岩に何度も出合う 花崗岩質のザラザラ道

 竜王山を見ながら尾根を快適に歩いて行くと、登山道は尾根から外れ東の尾根下を歩くことになる。チョット尾根から外れただけなのに、そこに流れを見て色々な野草を見る。キンコウカを見ながら一登りすると天狗岩に着く。岩に登ってみようとするが、人が多いので「止めよう!」と二人。

竜王山を見ながら尾根を快適に 一登りすると天狗岩に着く

 天狗岩を過ぎると白石峰と言う竜王山への分岐まで標高差80m登ることになる。勾配もきつくなり階段が現れてくる。一登りして白石峰の分岐に着き、休憩している多くの登山者に出会う。11時40分、遅くなったとすぐに竜王山へ向かう。

勾配もきつくなり階段が 一登りして白石峰の分岐に着き

 白石峰から竜王山への道は広いシッカリした道が続く。所々に階段があるものの今までにない手入れされた道が続き、ポンポン山の東海自然歩道のようだ、「整備の担当が栗東市に変わったからだろうか?」と思ってしまう。金勝寺から狛坂磨崖仏への古道だったのかも知れない。バイカオウレンも見られるので金勝アルプスは花の多い所のようだ。

 なにやらポツリとしずく、上空の雲が黒くなったのを見て「えっ、もう降るの!」と急ぎ足で歩くことになる。木陰に入ると薄暗くなり「昼食は林道に降りてからにしよう!」と道子。

 幸い雨にはならず、最後は一登りして竜王山に着く。山頂下の広場では10名ほどが昼食を楽しんでいるが、二人は山頂を踏んですぐに下山にかかる。

今までにない手入れされた道 竜王山から見る栗東トレセン

 白石峰の分岐に戻ると、賑やかだった人々は消えひっそりとしたベンチを見る。雨模様なのでここから下山ルートとして林道が近い狛坂線をとる。林道出合までは標高差200m下ることになり所々急勾配に出合うが、さすがにハイキングコース、階段が続く。

 重ね岩とか国見岩とか巨岩の横を抜け下って行き、足元にはシダを見るようになると狛坂磨崖仏に出合う。平安時代の作と言われているが歴史に疎い二人は通り過ぎて行く。

巨岩の横を抜け下って行き 狛坂磨崖仏に出合う

 急坂の道は狭くなりシダの間を下って行く。白石峰分岐から35分で南谷林道出合に着く。ここから登る場合は標識がなければ通り過ぎてしまいそうである。林道と言っても荒れているので狭く見える。緩やかに下る林道を下っていると昼食がまだだったことを思い出し、道端の倒木を見つけ昼食とする。

シダの間を下って行く 出合から南谷林道を下って行く

 オニギリを食べていると、次々にと目の前を登山者が通り過ぎて行くが、朝一緒だった人たちのようだ。二人は早々に昼食を切り上げバス停へと歩き始める。

 水晶谷線分岐でここを下って来た団体さんを追い越していくと、前方から「ゴウォー」と車の音が聞こえてくる。一瞬「なんで!」と思ってしまうが、ここは新名神のトンネル出口である。

 新名神の高架下を潜って行くが、バス停はまだまだである。逆さ地蔵やオランダ堰堤を拝見し、林道出合から丁度1時間で朝スタートした駐車場横まで来る、13時50分過ぎである。「バス停はまだですか、あと何分ですか?」と、一人の女性が慌ててやってくる。「すぐですよ!」と哲郎、14:00のバスに乗るようだ。

さかさ地蔵 オランダ堰堤

 バスは30分に1本あると思っていた二人は、朝準備したトイレへ行き着替えを済まし後始末をする。「そろそろや!」とバス停へ向かい時刻表を覗くと、「14:30のバスがない!」「道理で彼女は急いでいたはずや!」と哲郎。「仕方ない!」と二人は広いバス停で1時間近くバスを待つことにする。







コバノトンボソウ ミミカキグサ
キンコウカ カキラン
クモキリソウ ジガバチソウ
咲き始めたモウセンゴケ コマツナギが賑やかに







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
登山道に咲くササユリ