三国岳[桑原](桑原橋~お茶屋跡~丹波谷口)
//高島トレイル 2015.02.28


 
三国岳周辺の尾根でシューハイクを楽しむ


2015.02.28 (土) 曇り  小てつ、JOE、哲、道

交通:
桑原橋バス停まで往復車利用

コース:
桑原橋バス停~三国岳・経ヶ岳登山口~P622~お茶屋跡~(丹波越え)峠~P885~三国岳東峰~△三国岳~下壺口下山口~P686~丹波谷口分岐~丹波谷口/林道出合~桑原橋バス停

注意:
三国岳周辺は、積雪時1m以上積もります。積雪に応じてアイゼン、ワカンやスノーシューの装備が必要です。









 今日は小てつさん、JOEさんが三国岳へ行くというので、哲郎と道子は同行することになる。三国岳は早春の残雪時に来るとバイカオウレンやセリバオウレンを楽しむことができるが、今日は全くの雪山、シューハイクを楽しむ雪山登山である。

 今日は晴れるという予報、まだまだ青空は見えず寒そうだが、風が無いので「いい天気!」と言うことになる。

 桑原橋手前で駐車し、準備を終え桑原橋を渡り三国岳/経ヶ岳登山口へ向かう。「あれ~!」と、トイレの扉に「使用禁止」の張り紙、「3月に来た時は利用できたのに!」と。その前になにわNoの車が止まっているので、どうやら先行者がいるようだ。

桑原橋手前で駐車し桑原橋へ向かう 「3月に来た時は利用できたのに!」と

 登山口への林道に進入する。こちらの林道は除雪してありありがたい。作業小屋のところで橋を渡り支尾根に取りつくのだが、雪の様子を確認する小てつさん、「ここからシューをつけましょう!」と。

 雪の表面は固く締まっているが、体重をかけると深く沈み込む。アイゼンやワカンでも歩けそうだが、登りの場合リフターがある分シューの方が楽なようである。

桑原橋の三国岳・経ヶ岳登山口 作業小屋まで林道を進む

 シューを履いた4人は急な植林地をジグザグに登って行く。当然のように汗をかいてくるので、服の調整と水分補給をする。P622まで来ると穏やかな登りに変わり雑木も混じってきて、やっと周囲を見ながら登ることになる。

 途中でスッポリ空いた穴にストックを入れる哲郎、「ここで80cmの積雪や!」と。支尾根の登りで80cmなので稜線の積雪は1m以上と予想される。細い尾根をどんどん登って行くのだが、もう急な登りが無いので雪を楽しみながら登って行く。

急な植林地をジグザグに登って行く 穏やかな登りに変わり雑木も混じってきて

 標高800mを過ぎ右手に谷の源頭が近づいてきたところで、尾根から右手の斜面を歩いて行き谷に降り立つ。ここが「お茶屋跡」と呼ばれ、丹波越えのお茶屋があったそうだが、今は雪原の中その面影はない。谷を詰めて行き一登りして峠に立つ。

尾根から右手の斜面を歩いて行き谷へ お茶屋跡の谷源頭

 峠から三国岳へ続く稜線の雪を楽しむことになるのだが、雪が締まっているのでアイゼンの好きなJOEさん、小てつさんもアイゼンに履き替える。シューの方がいいだろうと哲郎と道子はシューのまま歩くことにする。

 歩き始めると、アイゼンでは所々で深い雪にはまりシューに大きく遅れることになるので、シューに戻す小てつさんとJOEさん。三国岳へは穏やかな尾根が続きシューハイクにはもってこいだが、今日は雪の表面が固いのでシューで歩いている感じが余りしない。

左は経ヶ岳、右は三国岳の峠 穏やかな尾根が続き

 それでもP885付近から柔らかい新雪も増えてきて、4人は心地よくシューハイクを楽しむ。尾根は少し広がってきて何処でも歩けるようになると、足の達者なJOEさんはいつものように大きく先行し歩いて行く。

 両側が見晴のきく緩やかな鞍部に来て、左右の山容を楽しむ。今日は曇っているが北に高島トレイルの山々、南に比良山系や北山の桑谷山や峰床山、後方に比叡山系まで見渡せる。前方から二人やってくる。桑原橋で見た車の先行者のようで、彼らはピストンで帰るようだ。少し登り始めると三国岳は近い。

尾根は少し広がってきて 見晴のきく緩やかな鞍部に来て
穏やかな尾根でシューを楽しむ 少し登り始めると三国岳は近い

 一登りして三国岳東峰に着く。三国岳は双頭で三角点は西峰にあるので西の鞍部へ下り急斜面を20m登り山頂に立つ。山名が記してある標識の頭だけ覗いているので、積雪は1m足らずであろうか、風の吹き抜ける山頂にしては多いようだ。

 丁度お昼前、ここで昼食にするのだが、風が強いと鞍部に下って昼食とする。今日もJOEさんの豚汁を頂くことになる。「冷凍の肉が融けていないので時間がかかる!」とぼやきながら作ってくれる。小てつさんは熱い紅茶を入れてくれ、哲郎のために美味しい液体を注いでくれる。「雪山で飲む、紅茶+alc.は最高!」と哲郎は喜ぶ。

 そこに北の谷から一人の男性がこの鞍部に登ってくる。古屋から尾根を登ってP941から谷をくだってきたそうだ。彼は京都からやってきたそうで話をしていると、なんと哲郎と道子の事を覚えていて二人はビックリする。2010年にカツラ谷から上がってきたところのP951付近で彼に出会い、小野村割岳から佐々里峠まで案内した男性であった。彼は三国岳へはよく来ているそうで、山頂へ向かうこともなく東峰へと登って行く。相変わらず芦生周辺の北山を楽しんでいるようだ。

三国岳山頂に立つ 頭だけ残した山名柱

 楽しい昼食も終わり下山にとりかかる。下山は下壺口へ下る尾根をとる。東峰から雪原の中を下山口までシューで向かう。三国岳東峰から北の支尾根を150m進み、尾根が突き当たったようなところから東の支尾根を下って行く。これが下壺口への尾根である。

 下り始めるが急な斜面で、雪が凍りついていてシューでは歩きにくい。この尾根は北風がよく当たるようだ。4人はアイゼンに履き替える。急斜面を快適に下って行くと言いたいところだが、時々深くはまってしまう。

山頂から下壺口への尾根へ向かう 4人はアイゼンに履き替える

 標高差30mも下ると尾根は緩やかになるが、細い尾根で歩きにくい。運が悪いと大きくはまってしまう。これがなかなか抜けないほど深く沈み込む。アイゼンの好きなJOEさんは、何度もはまりながらも快足で下って行く。

 先行者の足跡をたどっている道子でも大きくはまってしまう。今度は「ストックが抜けない」と道子、ぐずぐずしていると大きく沈み込むようだ。緩やかな尾根が続きP686を過ぎると尾根の分岐があるので注意して歩く。標高670m付近で分岐に着き右の丹波谷口への支尾根をとる。「目印の三本の木があるはずや!」と小てつさん。

「あれ~!」と道子 「目印の三本の木があるはずや!」と

 支尾根はすぐに広がってきて方向が怪しくなる。二分する支尾根、右は谷に降りて行くようなので左の北東の支尾根をとる。またすぐに支尾根は二分する。ここも北東への細い尾根をとる。

 丹波谷口への尾根は北風が当たらないのか雪が柔らかい。シューで楽に下って行けそうだが、JOEさんと小てつさんは、何度もはまりながら「これが面白い!」とアイゼンで下って行くので、哲郎と道子もアイゼンで付き合うことにする。細い尾根は広がってきて4人は雪原を心地よく歩いて行く。下に道路が見えてきて、もう標高500m付近なのに積雪は深い。

尾根が広がってきて進路を探す 細い尾根は広がってきて

 最後は急な植林地を下って丹波谷口の林道に降り立つ。林道は雪深く誰も歩いた形跡はない。桑原橋まで数100mあるのでシューでと思う哲郎だが、先頭のJOEさんはアイゼンのまま歩き始める。重い雪、先行者の踏み跡を辿って歩くことになる。15分歩いて桑原橋に着く。

最後は急な植林地を下って 丹波谷口
雪深い林道もアイゼンのまま歩く 15分歩いて桑原橋に着く

 もう15時前、今日は[深い積雪+アイゼンを楽しむ]で早春時よりも90分到着が遅れる。4人は橋を渡り途中でアイゼンやストックを洗い、駐車ポイントへ向かう。後始末や着替えをしていても寒くはなく、周囲は雪一色でも「もう春なんだ!」と感じてしまう。

 4人は桑原三国の雪遊びに満足し帰路に着く。小てつさん、JOEさんありがとうございました!。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
根を下ろしたヤドリギの芽