城丹国境(石仏峠~祖父谷峠)//京都北山
2015.05.14


 
新緑が心地よい城丹国境尾根を歩く


2015.05.14 (木) 晴れ  哲、道

行き:JR京都駅6:50 - 周山8:15 - 井戸
帰り:井戸15:08(木曜運行)- 周山15:40- JR京都


コース:
・井戸バス停~祖父谷峠分岐(・344)を左~石仏峠分岐右~林道終点~石仏峠~(城丹国境尾根)~祖父谷峠~作業道出合~林道終点~祖父谷橋分岐~小祖父谷分岐~石仏峠分岐(・344)~井戸バス停








 もう春の野草は終わったが、新緑を楽しもうと城丹国境尾根へ出かける。いつもは桟敷周辺を散策するが、久しぶりだと石仏峠から祖父谷峠の尾根を歩いてみる。

 早朝のバス、途中での乗降は少なく、仕事だろう京北合同庁舎前でたくさんの客が降りる。数分遅れで周山に着くが、小塩行きの京北ふるさとバスはJRバスの遅れを待っていてくれる。遅れているのに「トイレ大丈夫ですか?」と運転手さん、それではと道子はトイレに急ぐ。

 乗客は哲郎と道子だけ、井戸までのどかな田園風景と城丹国境尾根の山並みを楽しむ。井戸に着き帰りのバスの時刻を再確認する。今日は木曜日なので木曜限定のバスが15時過ぎに2便あり、散策には丁度いいということになる。京北ふるさとバスは住民用なので、平日の方が便数が多いが、木曜日だけ運行時間が異なるので注意が必要である。

バス停でユックリ準備し 祖父谷峠への道を歩き始める

 バス停でユックリ準備し祖父谷峠への道を歩き始める。山へ登って行く道から下に見える田では、丁度田植えが始まっていて朝早くからご苦労様です。民家が終わると山間の道に変わるが、早朝からトラックが行き交う。今日は平日なので木材の積み出しがあるようだ。

 もう春の野草は終わっていて、見るべきものは少ない。道端に山椒の木を見つけ葉に触って「いい匂いだ!」と帰りに少し頂くことにする。以前たくさんあったワラビもこの道には少なくなったが、これも帰りにと通り過ぎる。

 モチツツジが咲き始め春の終わりをつげ、川沿いには白いウツギとピンクのタニウツギが咲き始めている。川辺には名残のクリンソウ、足元にはヒメレンゲがひっそりと咲き、ヒトリシズカやフタリシズカは伸びきって蒼々としている。

モチツツジが咲き始め ヒメレンゲ
イチリンソウ?花弁が細いな~ クリンソウ

 そのうち最初の分岐(・344)に出合う、右は祖父谷峠への道、左をとりイモジ谷沿いに進む。緩やかに登って行く谷沿いの道は心地よく、新緑を楽しみながら登って行く。次の分岐で右をとり橋を渡り南へ延びる地蔵谷沿いの道をとる。

 周囲は植林地が続き見るべきものはあまりないが、北山の散策と言えばこんなものである。周囲の植林地は「ふるさと森づくり事業」とあり、手入れされているので植林地がすっきりしている。南へ700m歩いて林道終点い着く。

最初の分岐(・344)は
左をとりイモジ谷沿いに進む
次の分岐で右をとり橋を渡り
南へ延びる地蔵谷沿いの道をとる
「ふるさと森づくり事業」とあり 林道終点

 林道終点からは東の谷沿いを進んで行く。この道は祖父谷峠への道とよく似ていて、最初の谷筋を登って行き途中から左手の斜面を登ることになり、歩いていて、はてどちらの道を歩いているのやらと思うことになる。いずれの道も足元には蒼々とミカエリソウが茂り、谷筋では道はハッキリしない。

 やっと斜面の道に取りつくと、道もハッキリしてきて古道という感じがしてくる。左手に植林地を見ながら登って行くと、大木の下に二石仏を見る。まだまだ峠までは距離があるので、「このお地蔵さん、昔からここにあったのだろうか?」と思ってしまう。

斜面を巻く道は古道という感じが お地蔵さん
まだまだ峠までは距離があり

 以前秋口にこの峠道を登った時ヒルの大群に出合い、5~10m進むと1匹以上のヒルが必ず身体についてくるのでヒル退治しながら登り、峠にたどり着いた頃には二人ともクタクタに疲れた事を思い出す。空から降ってくるヒル、ストックにもヒル、手の指の間に潜むヒル・・・初めての経験であった。今日はまだヒルを見ていないので、ヒルはまだなのか?最近少なくなってきたのかな?。

 お地蔵さんから数分登って石仏峠に着く。11時にもまだまだだが、峠は日陰で涼しいとここで昼食とする。

石仏峠 石仏峠の古い標識

 予定より早く着いたので、ユックリとオニギリを食べながら帰路を考える。ここからでは南へ魚谷を下り魚谷山から貴船や雲が畑方面へ、桟敷から岩屋橋や大森方面へ、城丹国境尾根を歩いて周山方面へ・・・と選択できるが、予定通り城丹国境尾根を歩き、まずは祖父谷峠へ向かうことにする。

 今日は30℃になるという予報、これからまだまだ暑くなりそうだ。身体も休まったところで昼食休憩を終え峠からの西の尾根に乗り歩き始める。ユックリと登って行く尾根、「いい感じだ!」と登って行く。

 心地よい雑木の中を進んで行くと、突然前方が開け日射しを受けることになる。鉄塔が近づくと送電線下の雑木が刈り取られているのだ。「あっ!、この尾根は日差しがきつかったのや!」と思い出す哲郎、二人は「暑い!」と下を向きダラダラと歩くことになる。幸いなことにすぐに日が陰ってくれ、やっと新緑を楽しむことになる。

心地よい雑木の中を進んで行くと やっと新緑を楽しむことになる

 この道は関電巡視路にもなっているので、大きな鉄塔に出合う。祖父谷峠までは鉄塔が何本かあり、送電線下に来ると必ず尾根の木は刈り取られて、見晴は良いが日射しを受けることになる。今日は陰って日射しが弱いので助かり、周囲の山々や足元の野草を見ながら歩くことができる。

 足元に咲くニシキゴロモやチゴユリは終わりかけているが、目の前に鮮やかなヤマツツジの花を見る。「また鉄塔!」と、この尾根は快適な雑木道と鉄塔の繰り返しである。

 鉄塔が尾根から外れてるときは巡視路の道が分岐しているので間違わないようにすることだ。最後の鉄塔では横を下って行き、祖父谷峠に降り立つ。

尾根は関電巡視路 祖父谷峠までは鉄塔が何本かあり
名残のチゴユリ ヤマツツジが綺麗

 まだまだ12時前、桟敷に回っても祖父谷を下っても帰れそうだが、予定通り一番近い井戸へ下ることにする。峠にはお地蔵さんがあるが、首無地蔵である。ユックリ休憩し峠を下って行く。峠道、植林地は間伐作業中で丸太がゴロゴロしている。間伐と言っても太い丸太で残った木を立派に育てるようだ。幸いにも峠道は歩くことができ斜面の巻道を下って行く。

祖父谷峠に着く 峠の首なし地蔵
祖父谷峠を下って行く 間伐材がゴロゴロ

 下って行くと谷筋に出合う。ここから道は荒れてきて踏み跡は薄くなる。少し下り谷が出合うところからミカエリソウの中を歩く。これが延々と林道終点まで続くと思っていたら目の前に新しい林道を見る。

 間伐材を回収するために作ったのだろう、林道といてもキャタピラの作業車が通る作業道のようだ。早速作業道に乗り下って行く。この道は谷に沿って下って行き、丁度登山道があった上にできているようだ。この道のおかげでミカエリソウの中を長時間歩かなくても良く、祖父谷峠までは早く行けるようになったのだが、登山者にとってこの道は面白くないかも知れない。

ミカエリソウの中を歩く 目の前に新しい林道を見る

 林道終点に着き小休止後、井戸へと歩き始める。もう井戸まで1時間かからないのでゆっくりと歩いて行く。祖父谷橋まで来ると重機が動いていて伐採木を積み込んでいる。朝であったトラックはここを往復しているようだ。

祖父谷橋では伐採木の積載 いつもの道を心地よく下って行く

 もう春の野草は咲いていないが、いつもの道をユックリと斜面の植物を観察しながら下って行く。川辺に名残のシャガが咲いていてくれ「ありがとう!」と、井戸バス停へ向かう。

ニシキゴロモ キランソウ







主が声を出すと、
水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、
雨のためにいなずまを造り、
その倉から風を出される。


エレミヤ書 【10-13】
井戸バス停へ向かう/コデマリ