蓬莱山//比良
(平~権現山~△~金毘羅道)2017.03.25


 
権現山から蓬莱山への比良縦走路の残雪を楽しむ


2017.03.25  (土) 晴れ    哲、道

行き:出町柳駅前7:45 - 平
帰り:JR蓬莱駅 15:27 = JR京都駅


コース:
平バス停~ドン谷~アラキ峠~権現山~ホッケ山~小女郎峠~△~金毘羅道~JR蓬莱駅

注意:
・冬の比良縦走路は積雪1~2mとなります。積雪状態によりアイゼン、ワカン、スノーシュー等の装備が必要です。









 今日は残雪を期待して蓬莱山へ出かけることにする。雪の状態が分からないので12爪アイゼン+ワカンを持参する。京都バス朽木行きの運行が始まったので、早朝に出町柳駅前バス停へ向かう。もう雪山シーズンは終わったのだろう登山客の列は短く、チョット淋しいような気がする。

 平で降り権現山登山口へ向かう。前回道路脇にあった1mの雪は全くなくなり、2人は春を感じながら歩いて行く。花折れ峠道入口に雪はなく、「稜線に雪が残っているやろか?」と心配しつつチェーンゲートを跨いで進入する。

道路脇にあった1mの雪は全くなくなり 花折れ峠道入口に雪はなく

 ドン谷の権現山登山口で小休止、これからの登りに備えて服を調節し、アイゼンが必要かどうか登山道をチェックする。積雪も少なくトレースが締まっているので、そのまま進むことにする。そうこうしていると車でやって来たのか3人組がやって来たので、2人は先へアラキ峠へと歩き始める。

 堰堤を過ぎ右に折り返し支尾根の横道に変わるが、問題なく歩いて行く。植林地の中も20cm程度、谷の踏み抜きだけ注意して歩く。植林地を左に抜け最後は右の横道にかわり詰めて行くとアラキ峠に着き小休止する。

ドン谷を登って行く アラキ峠に着く

 ここから権現山への登り、植林地の急な登りが続くが、雪が少ないのでそのまま登って行く。標高850m付近から雪の量も増え滑るようになってきたのでアイゼンを付ける。小休止していると単独の男性が追いついてきて、彼もここでアイゼンを付けている。入口で出会った3人組みはユックリなのだろう姿が見えない。前方が明るくなりカラマツ林に出ると、右にとり権現山へ向かう。

権現山への登り、途中からアイゼン着用 カラマツ林に出ると右にとり

 西方の北山を望むと、今日は愛宕山までがクッキリと見える。すぐに山頂に着き小休止する。どこからやって来たのだろうか、トレラン風の2人に出会う。彼らは軽装で、重装備の道子は羨ましそうに彼らを見る。

 雪は予想以上に残っているがトレースが固そうなのでアイゼンのまま縦走路を歩き始める。今日は薄曇り、琵琶湖を眺めながら心地よく歩いて行く。

縦走路を歩き始める/権現山 琵琶湖を眺めながら心地よく歩く

 雑木の中もトレースに沿って歩けば踏み抜くことはない。右手の斜面に雪庇が続くがまだまだたくさん残っているので、今年は雪が多かったことが分かる。ホッケ谷道を過ぎるとホッケ山への登りに入る。アイゼンでサクサク登って難なく山頂に立つ。

 山頂東側にある数m雪庇、山頂を通らないところにトレースが続き、トレースのすぐ横でひび割れてきているので要注意、もうすぐ崩れるだろう。ここは素直に山頂を通るようにしないと危ない。

雪庇がたくさん残っている 雑木の尾根を快適に歩く
ホッケ山へサクサク登って この雪庇は危険、もうすぐ崩れるだろう

 ホッケ山を下ると雪庇帯に入りそれを避けるように歩いて行く。今日は、登山者は少なく風もなく日差しもゆるく、なだらかな雑木の尾根が続き心地よく歩いて行く。雪庇帯を過ぎると小女郎峠手前に広がる草稜へと緩やかに登って行く。いつもはこの付近で昼食としていたが、昼食には早いと先へ進む。

ホッケ山を下ると雪庇が続く 小女郎峠手前に広がる草稜

 雪のない小女郎峠に着く。小女郎池はPASSし蓬莱山へ向かうことにする。そろそろ昼食をと考えていた哲郎だが「まだ早い!」と道子、蓬莱山山頂で食べることにする。峠を一登りすると蓬莱山まで緩やかな草稜が続く。前後に人影がなく静かである。

 広い尾根は雪で埋まり、そんな中、蓬莱山を前方に見ながらスイスイと心地よく歩くことができるので、今日は疲れを感じない。最後は30m登って蓬莱山の山頂のスキー場に着く。

雪のない小女郎峠に着く 蓬莱山を前方に見ながら
地蔵も顔をだし 蓬莱山の山頂のスキー場に着く

 丁度12時、今日は早く着いたのでロープウェイで降りずに金毘羅道を下ることにする。スノーボードが走るゲレンデを横断し、金毘羅道下山口へ向かう。積雪時金毘羅道を下ったことはないが、下山口すぐの登山道は崖上にあり通れないだろうと、下山口に向かわず右手の支尾根へ進入する。

 雪で埋まったフェンスを越え、「この広い支尾根を下って行くと、尾根は細くなり登山道に出合うだろう」という予想で下って行く。目の前の木々が大きく見えるようになった時、その木々の間から下方を何度も覗いている男性を見る。進路を確認しているようである。

 2人は雪が解けたところを見つけ昼食とするが、先ほどの男性が手元を見ながら通り過ぎていく。GPS登山なのだろうか、雪山で初めてのコースだと、GPSに頼っているとコースアウトする可能性があるので、雪山のGPS登山は余りお勧めできない。暖かい日射しを受け、ユックリとオニギリを食べ出発する。

スノーボードが走るゲレンデを横断し この広い支尾根を下って行くと
尾根は細くなり登山道に出合うだろうと

 下って行くと尾根は少しずつ細くなってきて、左手に雪で埋まった溝が見えてきたので登山道と分かる。登山道に降り下って行く。この付近は無雪期は歩きにくい所だが、雪に埋まっていると歩きよいような気がする。ガレ場の支尾根分岐に出合うが、岩に描かれた「←」もクッキリ見え、これだったら皆さん迷わないだろうと安心する。

登山道に降り下って行く 溝状の金毘羅道を下る
支尾根分岐の「←」 ガレ場注意

 ガレ場の横を下っていると、下から登ってくる数人の登山者に出会う。ロープウェイ山麓駅から登って来たという彼らだが、登山地図を片手に「道が無く苦労した!」と言っているが、これまた登山地図だけで雪山とはとあきれてしまう。

 直ぐの金毘羅峠から右の巻道をとる。道には50cm程度の積雪があり踏み抜かないように先行者のトレースを追ってユックリ下って行く。ジグザグに下って行く道、春なら色々な野草を見ながら下って行くのだが、雪ばかりだと飽きてしまう。道はジグザグなので雪が深い時は目標物が無く、林道に降り立つのが難しいコースなのかも知れない。

 下るにつれ積雪量は減ってくるが、油断をすると深くはまってこけてしまう。一人の女性が登ってくる。ここで出会うのはikomochiさん、と思いきや違った。雪が深いと予想していなかったのだろう、革靴ではなくスパッツやオーバーズボンもなく、足元はひどく濡れている。話を伺うと「林道にも少し雪があります!」と言うことである。林道に降り立つと雪が残っているので、アイゼンのまま下って行く。

トレースを追ってユックリ下って行く 林道に降り立つ

 林道は南斜面にあるが、まだ標高700mなので残雪があるのだろう。しばらく下って雪が少なくなったところでアイゼンを外す。「そうだ、ここには水場があった!」と哲郎はアイゼンを手に持って、道子は「危ない」とザックに締まって下って行く。

 金毘羅神社を過ぎてもまだ林道半ば、この林道は長い。やっと水場に着く。ここの水は高圧洗浄機の様に勢いがあり、アイゼンは数秒で綺麗になる。ストックも洗い収納する。

金毘羅道の林道上部は積雪あり 水場でアイゼンを洗う

 小女郎峠道のような急な林道が続くので、この林道を登った記憶がない。湖西道路を潜りゲートボール場の横を歩くと、JR蓬莱駅は近い。

 15時に駅に着く。電車まで時間があるのでユックリ着替え、暖かいのでホームで比良山系を眺めながら電車を待つ。







主は羊毛のように雪を降らせ
灰のように霜をまかれる

詩篇 【147-16】
寒緋桜