大文字山 台風被害調査ー4 安祥寺川コース
2018.12.25




 
狭い道に大量の倒木、進路を探しながら進む
大文字山 安祥寺川コース


2018.12.25 (火)  晴れ  哲郎、道子

コース:
・JR山科駅~洛東高校グランド~毘沙門堂~後山階陵分岐~安祥寺川コース~尾根出合~トレイル【東山44-2】から四辻【45】~△大文字山~火床~火床北の流~法然院分岐を右~「通行禁止」なので千人塚へ~千人塚から谷を下る~銀閣寺大文字山登山口手前の堰堤~銀閣寺

注意:
◆安祥寺川コースは1500m位倒木が続き、当分の間ハイキングで利用できません。倒木の枝の折れ口はナイフの様にとがっていてとても危険です。通常のコースタイムは登りで30~40分ですが、倒木で2時間かかります。







 大文字山の台風被害調査に出かける、4回目である。今日は台風21号の被害で一番荒れているという安祥寺川コースの様子を伺いに出かける。

 JR山科駅からトンネルを抜け北の住宅地へ出る。いつものお決まりのコース、路地を抜け洛東高校グランド横の川沿いの道を歩く。ここにはモミジバフウの立派な大木があり遅くまで紅葉が楽しめる。でも台風21号の強風で枝は折れ、葉は散っていて残念と言うことになる。

スタバー横のトンネルを抜ける 強風で枝は折れ葉は散っていて残念

 毘沙門堂を左に川沿いの道を進むと後山階陵分岐に出合う。ここを右にとると安祥寺川コース、この分岐にあった「安祥寺川コースが通れない」と言う案内板は無くなっていて「もう歩けるようだ!」と早速進んでいく。

 後山階陵を過ぎるとすぐに植林地に変わるが、この付近の林道は倒木処理がされている。「この道登れそうや!」と安心して歩いていく。

後山階陵分岐で右の安祥寺川コースへ 後山階陵を過ぎの植林地は倒木処理済

 ところが林道を100mも進むと、目の前に道に倒れ込んでいる倒木の塊を見る。コース入口の分岐から4分である。「処理されたのは入口の100mだけや!」と言いつつ、倒木を跨いだり潜ったりし通り抜けていく。まだこの付近は谷幅が広く林道も広いので、何とか通り抜けできたようだ。

 ここの倒木群を抜けると、すぐ目の前に次の倒木が・・・・前方に延々と続いている。ここで引き返そうかどうか考えるが、「今日は被害調査だから、最後まで歩いてみよう!」と哲郎。水分補給し先へと進んで行く。この付近は西側の木だけが倒れていて、林道がまだ広いので助かる。

最初の倒木に出合う 倒木は前方に延々と続いている

 倒木への挑戦は続くが、何とか歩くことができ余り苦にならない。コース入口から10分進んだところで、倒木は無くなる。ここは左右に雑木が茂っているので被害がないようだ。

もう、グチャグチャや! 左右に雑木を見ると倒木が消える

 「あ~やれやれ」と進むもつかの間、雑木が切れたところから、再び倒木地獄となる。まだ安祥寺川コースの1/4しか進んでいないので、この先が思いやられる。

 谷は細くなり、倒木は狭い谷間に埋まってくる。太い倒木には枝が無く抱きしめるようにして潜ったり跨いだりできるが、細い倒木は枝が多く、その枝の折れ口はナイフの様に鋭くとがっていて危険だ。怪我だけではなく服やザックの破損にも注意が必要である。

再び倒木地獄となる 跨げる倒木は楽でいいが
やっと抜けたと思ったら
倒木は前方に続く
安祥寺川コースのレスキューポイント
まだコースの1/3、25分かかっている

 標高200m付近になると東(右)側の斜面からも倒れてくる。ふと目の前の倒木の幹にタグを見る。1本ずつ連番が打ってあるので保険対象なのかカウントしているようだ。倒木で通れない時は谷の中を歩く。

倒木に連番のタグが 上が通れなければ谷を歩く

 もうすぐ標高240mの谷分岐、そこで林道は終わっているので、その先は「もっと歩き難いだろうな~」と予想できる。倒木が詰まり行き手が分からないので大木に乗り様子を伺っていると、男性1人が追いついてくる。

 大木の上からでは進めないので谷に降りてから進むことにしたが、先に進んだ道子とその男性は哲郎が大木を下るまで見守ってくれる。彼と同じペースで進もうとするが、我々のザックは40Lと大きく、倒木を抜けるには時間がかかってしまう。「小さいザックにすれば良かった!」と言っているうちに、彼はどんどん先へ進んで行く。

 谷分岐の林道終点付近から左の谷を進んで行く。この付近の倒木のタグは白色に変わっている。林道終点を過ぎると左手に最近できた木の堰堤を見るが、それは壊れてはいない。この堰堤の上にはBコースのP400があるが、迂回せず谷を進むことにする。ここまで入口から2/3進んでいるが75分かかっている。

林道終点付近からタグは白色に 林道終点を過ぎると
左手に最近できた木の堰堤を見るが
それは壊れてはいない

 道は細くなり小さな谷横に続く。狭い谷横は小さな倒木でも歩き難い。倒木はまだまだ続き小さな谷間に左右から倒れ込んでいる。

 谷が西に向いてくると、登山道の倒木は減ってくる。でも北側の谷を覗くと倒木で谷が埋まり、悲惨な光景である。

 倒木も減って「やれやれ!」と小高い所で小休止していると、後ろから男性1人がやって来る。こんな倒木地帯で、平日に2人に出会うとは、さすがに大文字山。彼は埼玉からやって来たと言っているので、このコースの倒木は御存知なかったのかもしれないが、強引に登って来るとは、きっと山慣れした方であろう。

道は細くなり小さな谷横に続く 北側の谷を覗くと倒木で谷が埋まり

 西向きの谷に倒木はなく、もういつものように歩くことができる。最後の谷分岐に着くと、先ほどの男性が分岐で思案していたので「こっちですよ!」と告げる。2人も分岐を左にとり谷を詰めて行く。

 何事もなかったような綺麗な植林地に日が射してきて、一登りすると山科からの尾根(Bコース)に出合う【ここはレスキューポイント「A-10」】。丁度11時なので入口から110分かかったことになる。ここには下山口に数本の枝が横たわり、傍の木には通れないと言う案内板がある。

 倒木を知らずに夕暮時に安祥寺川コースを下れば、途中で身動きできなくなるであろう。

最後の分岐で左にとり尾根へ向かう 何事もなかったような綺麗な植林地に
日が射してきて

 出合った尾根を右に取り山頂へ向かう。すぐにトレイル【東山44-2】に出合うと、前後にハイカーを見る。四辻【45】から一登りして△大文字山に着く。11時20分、「遅くなった!」と愛宕山から西山を一見し、すぐに火床へ向かう。

大文字山山頂から
愛宕山から西山を望む
火床から京都市内を見下ろす

 「今日は先日通れなかった、火床から法然院への道を歩いてみよう!」と大文字の北の流を下って行く。静かな森へ下り最後の分岐、左にとれば鹿ケ谷、ここを右(真っすぐ)に進むとP271。この先で安祥寺川コースで出会った男性が「通行止め」ですと引き返してくる。2人も下山口に進んでみるが、下の方でチェーンソウの音が聞こえてくる。まだ倒木作業中のようなので、今日は進入を止め法然院へ下ることを諦める。

大文字の北の流を下って行く 今日は法然院へ下ることを諦める

 「折角ここまで下ったのだから!」と、少し戻った「カブトムシの森」と書いた木柱のところからネット沿いの踏み跡を東へ歩いてみる。大体この付近にある道は登山道の千人塚へ向かっているので、この道もそうだろうと下って行く。

 ネット沿いは道ではなく踏み跡のようで、ネットが左へ向きを変えると踏み跡も消える。前方に木の間から千人塚のお地蔵さんが見える。ここもまた折角だからとネット沿いに進んでみる。この付近に地形図にある破線の道があるかもと進んで行くが、途中で足場が悪くなったので引き返すことにする。

 千人塚が見えてきて斜面を下って登山道に出る。「このまま登山道を下るのは面白くない」と哲郎、ここは谷の源頭、目の前の谷を下って行くことにする。初めはただの斜面だが、5分も下れば細い流れが出て来る。

今日はネット沿いを進んでみる。 ネット沿いは道ではなく踏み跡のようで
千人塚の登山道に出る 千人塚から谷を下って行く

 地形図ではこの谷は緩やかなので、安心して下って行く。谷の半ばまで歩いて行くと左手から道が降りてくる。これはUAきずなも森から月待山への途中で見かけた道であろう。この道を歩いていると堰堤を見るが、これは最後の堰堤ではない。

 右岸にシッカリした道を見て、右岸へ渡る。右岸の森に「トラックの森」と書いた木柱を見る、「トラックってなんだろう」と。その先2分も歩けば最後の堰堤に出合い、登山口から銀閣寺への道に降りたつ。千人塚より15分である。

緩やかな谷が続く 登山口から銀閣寺への道に出合う

 銀閣寺へ向かう。年末なのかいつもより観光客は少ない。トイレで着替えて昼食にするが、今日も火曜日、GOSPELは締まっているので、久し振りに「おめん」でうどんを頂くことにする。今日は席が空いていて、うどん+ビールで美味しく頂くが、道子が大盛りを頼んだのでお腹いっぱいになる。

 今日はクリスマスだと「オオマエ」に寄りアップルケーキを買って帰ることにする。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
山で見かけたマンリョウ