倉谷林道~片波山 (倉谷林道通行調査)//北山
2018.04.19


 
倉谷林道の新しい崩壊個所
山手側水路から20cmの所まで崩壊


2018.04.19 (木) 晴れ   哲 単独

行き:北大路駅前 8:03 - 下ノ町 (京都バス)
帰り:花背農協前 14:45 - 北大路駅前
コース:
・下ノ町バス停~倉谷林道口~広域林道出合~井ノ口西ピーク~ナベ谷峠への尾根~広域林道出合~ナベ谷峠~片波山(湯槽山)取付き~△片波山~南東支尾根を下り林道支線へ~広域林道~広域林道口(国道477号)~大布施~花背農協前バス停


注意:
◆2018.04.19現在:崩壊個所が修復された倉谷林道ですが、広域林道出合近くのところで新しく谷側に大きく崩壊しています。林道は崩壊し残り数10cmとなっています。大雨が来るとまた通れなくなりますので注意して下さい。ここは山側は崖、谷側は急勾配の崩壊斜面が数10mあり、迂回できません。







 2014年に倉谷林道を歩いた時、所々谷側に崩壊していたので、2016年に調査に出かけた。その結果、2014年の崩壊は修復されていたが、林道が谷を渡るところで新たに3箇所林道は消失し、全く通れなかった。今回はその部分の調査に出かける。

 道子は娘の所へ出かけているので、今日は哲郎1人で6時起床(いつもは5時だった)、最寄りの駅で早めの電車に乗る。出町柳の到着時刻を想定している時「えっ!」と、哲郎の頭の時刻は1時間遅れているのに気付く。「これはアカン!」と間に合うかどうか分からないが、地下鉄に乗り換え北大路駅へ向かう。

 北大路駅、到着はバス8分前「間に合った!」と。次はトイレとオニギリと・・・、改札を出ると目の前のコンビニはなくなり、新しい店に変わっていて「めし~!」と探すが分からない。時間がないので、目に付いたSOYJOYのバー2本買い急いでバス停へ向かう。

 やって来たバスは学生さんたちで一杯だが幸い座れて「やれやれ!」と忙しない朝であったが、新緑の山々が見えてくると気持ちも落ち着いてくる。

 花背峠を過ぎると山々に新緑、道路沿いに桜の花が続き、心地よく下ノ町に着く。横の広場に車が1台止まっているので、小野村割岳への登山者だろうか。バス停で準備して少し戻って橋を渡り南へ川沿いに進んで行く。ここが倉谷林道口である。

下ノ町で降りバスを見送る 少し戻って橋を渡ると倉谷林道

 200mも進むと植林地の中、西へと登り始める。ここは積雪時歩くことが多かったので分からなかったが、足元にミヤマカタバミが続き、キランソウやヤマルリソウも見る。所々で進入禁止のテープを見るので、車(歩行者?)はまだ通れないようである。

林道は川沿いから西に折れ登って行く 所々で進入禁止のテープを見る

 山手の崖にたくさんのイワウチワやイワナシの花を見るが、もう終わっているようなので「上の方で咲いているだろう?」と期待する。今日は熱くなるという予報通り、何度も服を調節することになる。

 一旦東へ向かった林道も、折り返し西に向き尾根に乗るが、すぐに尾根下を巻くようになる。左手数10m下に谷があり、その谷まで数か所崩れていた林道は2016年に補修されたが、現在も崩れていないことを確認する。でも山手の斜面が崩れてきている所もある。

数か所ある谷側の補修部は異常なし 山手の斜面が崩れてきている

 雑木は芽吹いてきて心地よい新緑を抜けると左手の谷に植林を見る。最初にここを歩いた時に植林された木は大きくなって、視界を塞ぐように育っている。

 最初の谷筋の林道崩壊個所に着くが、林道は修復され問題なく通過する。次の崩壊個所は2本の谷の合流点の上に林道があり、両方の谷で大きく浸食され「この修復は無理だろう!」と思っていた哲郎だが、目の前に修復された林道を見る。

 送水管の下まで浸食されていたので、谷から土砂を積み上げていき修復したのだろうが、大変な作業である。よく見ると崩壊部分の林道は以前より低く造成されている。でもコンクリートで固めてないので、また大雨が降ると林道は浸食されるような気がする。

心地よい新緑を抜けると 修復された林道を見る

 次の谷筋の崩壊は、すでに立派に補修されていたので、「もうこの林道は歩けるだろう!」と進んで行く。「後、もう少し歩くと広域林道に出合うだろう!」と、斜面に咲くイワウチワを楽しみながら歩いていると、「え~!」と目の前に新しい林道の崩壊を見る。

 ここは谷筋ではないが、大きな崩壊で、林道の山手に走る水路より20cmまで崩壊していて、谷側は急勾配で数10mほど土砂が流れている。山側は崖、谷側は急勾配の斜面で、とても迂回できないところである。

 「次の大雨で、ここは通れなくなるだろう!」「迂回できない箇所なので、ここが補修されるまで倉谷林道は、また歩けなくなるだろう!」と、哲郎は注意しながら通り過ぎる。

目の前に新しい林道の崩壊を見る 崖下の水路まで崩壊

 支尾根をぐるりと巻いて登って行くと、広域林道に出合う。10時55分、迂回もなく歩いてきたのに時間がかかったのは、色々と野草を楽しんだからであろう。井ノ口山への予定時刻を過ぎているが、久しぶりだからと、ナベ谷峠まで林道を歩かず目の前の支尾根を登ることにする。

 広域林道を右にとりコンクリートの壁がなくなるまで進んで行く。コンクリートの壁が切れたところがこの支尾根への取付きで、コンクリートの壁の上を歩いて再び支尾根の先端まで戻ってくる。

広域林道に出合う 井ノ口山への取付きは
コンクリートが切れたところ

 支尾根の先端に近づくと、上に登って行く道を見る。これを登るとすぐに尾根の先端に出て、支尾根を南へ登って行く。道はない急斜面だが、難なく登ることができる。足元にはイワウチワが続くが「もう十分見たよ!」と、上を見ながら歩いて行くと、真っ赤なシャクナゲの蕾が点々と続き、来週が見ごろだろうと。

上に登って行く道を見る 道はない急斜面だが
難なく登ることができる

 15分登って小ピークに着く。西に取れば鍋谷山から衣懸坂へ(途中で広域林道が何度も横切る)、東すぐに少し下って井ノ口山がある(三角点は稜線上にない)。ここに古い標識があり「井ノ口山・849m」とある。ここも井ノ口山と呼ぶのかもしれないが、標高は合っているようだ。

 東へ少し下ると井ノ口山への分岐に出合い、稜線上に続く柵を見る。分岐を東へ少し下ると井ノ口山の三角点があり、大きな伏条台杉がある。そこには寄らず柵沿いを南へ下って行く。

15分登って小ピークに着く 稜線上に続く柵を見る

 この尾根の右手には美しい雑木が広がっているが、延々と続く柵で景色も半減、否ウンザリする。この柵は井ノ口山の伏条台杉の保護用に設置されたのだろう。しかしここは京都府自然環境保全特別地区から外れているので、広域林道が通る地主の依頼なのかどうか分からないが、とにかく長く続く柵の横を歩くことになる。

 この柵は約1Km弱、広域林道に出合うまで続く。尾根は急に下り始め広域林道に降り立つ。前方に登って行く尾根を見るが、「少し遅れている!」と、ナベ谷峠まで広域林道を歩くことにする。

柵がなければいい尾根なのだが 柵は広域林道に出合うまで続く

 12時10分にナベ谷峠に着く。ここから片波山へ登るのだが、峠を12時30分までに出発すれば、ゆっくりと大布施へ下ることができるのでここで昼食とする。昼食と言ってもオニギリは無くSOYJOYのバー、「そうだ、保存食もある!」とザックの中を探す。沢山見つけたのはいいが、賞味期限が切れたものばかり。でもそれを美味しそうに食べる哲郎。

 峠の東側は2005年に斜面が造成されてから変化はないが、西側は大きく様変わりし左右に林道ができている。前日GoogleMapで見たが、下の片波川東谷まで「こんなに必要なの?」と言うほど迷路のように林道が作られている。

前方に登って行く尾根を見るが ナベ谷峠に着く

 12時25分、片波山へ登り始める。峠すぐの所から急斜面をジグザグに登って尾根に乗る。踏み跡は薄いが、分岐もないのでどんどん登って行けば良い。峠から25分もすれば山頂のある平らな尾根に乗るが、山頂は200m南奥にある。周囲のツツジを見ながら山頂広場で小休止する。

 片波山から大布施バス停までは広域林道をユックリ下って60分なので、13時丁度に下山を始める。山頂から南東へ下る尾根をとり下って行く。

 すぐに右手に雑木の谷筋が見えても、そちらに下らずに尾根をとる。そのうち小さな鞍部に着くが、ここも通り越して尾根をすすんで行くと標高650m付近で尾根は分岐する。左へ進むとすぐに右下に林道支線を見る。

片波山の山頂に着く 右下に林道支線を見る

 林道までは急斜面なので歩きやすい所を探して下り、林道支線に降り立つ。左手すぐのとろろにゲートを見て、その先に広域林道を見る。広域林道を下り始める。バスには十分な時間があるが、大きく蛇行する林道、いつもどこかでショートカットしている。

 急斜面のコースだと時間がかかってしまいカットにならないが、今日は安全なところでショートカットする。林道が南へ谷沿いに下り始めると、この付近は林道造成が早かったので斜面にたくさんの野草が続く。

 花のおかげで快適に下ることができたが、ゲートが見える頃には長い林道歩きで足の裏が痛くなる。ゲートを過ぎると花背小中学校、バス停はもうすぐである。

左手すぐのとろろにゲートを見て
その先に広域林道を見る
ゲートを過ぎると花背小中学校
バス停はもうすぐである

 14時00分、広域林道も終わり国道477号に出合う。早速谷に降り用具を洗い、身体を拭き着替える。周囲の広場にたくさんのワラビを見るが、チョット小さいので採集を諦める。

 花背農協前バス停へ向かい、ベンチよこの自動販売機で冷たい飲料水で一休み、「ビールやったらな~!」と哲郎。







キケマン ムラサキケマン
イワウチワ ショウジョウバカマ
キランソウ ミヤマカタバミ
ムラサキサギゴケ ヤマルリソウ







地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。


雅歌 【 2-12 】
大布施の広域林道入口