京都北山 桑谷山西尾根 2018.11.17
台風被害調査(西尾根~東峰~桑谷林道)




 
倒木を過ぎると、あと山頂までは一登り
桑谷山西尾根


2018.11.17 (土)  曇のち晴れ  哲郎、道子

行き:出町柳駅前バス停7:50 - 能見口 (京都バス)
帰り:大悲山口14:35 - 北大路駅前バス停


コース:
・能見口バス停~長戸谷口~(西尾根)~P804~△桑谷山~東峰~P813(最初の鉄塔)~2番目の鉄塔~送電線下で谷筋を渡る~桑谷林道登山口~桑谷口~大悲山口バス停

注意:
◆桑谷山西尾根は道が無くエスケープルートがありません。初心者だけで出かけないようお願いします。
◆桑谷林道に倒木が多いので、初心者はしばらく桑谷林道から桑谷山へは登れません。






 今日は桑谷山に台風の影響調査にでかける。大文字山やポンポン山の近郊の山で風の通り道になっている尾根にひどい倒木を見ているので、気になっていた桑谷山西尾根を歩いてみる。

 能見口から西尾根の西端の長谷谷口から登る予定。西尾根の両側の斜面は急斜面なのでエスケープルートがなく、もし倒木が多く時間がかかるようであったら途中で引き返すことにする。14時30分頃のバスに乗るには過去のデータから、P804付近で11時35分を超えると能見口へ引き返すことにする。

 出町柳駅前バス停、今日は朽木行きと同じほど広河原行きにも長い列ができる。広河原行きは何故か5分遅れてやってきて「始発なのに!」とイライラの哲郎。立客も一杯で出発したものだから、途中でたくさん乗ってきて満員となる。

 満員となれば困るのが乗降に時間がかかり、特に団体さんが降りる場合両替する人が多くて遅れてしまう。結局いつもより10分遅れで能見口バス停に着く。「今日は急ぐから!」とすぐに橋を渡って長戸谷口へ向かう。

 今日は8分で長戸谷口に着く。橋の手前に重機がいて木材が積んである。「きっと奥の植林地で倒木があったのだろう!」と哲郎。橋を渡ったところが西尾根の取付きで、ストックを準備し服を調整する。

すぐに橋を渡って長戸谷口へ向かう 長戸谷口に着く

 早速、斜面を登り始める。西尾根に乗るまで標高差200m急斜面を登ることになる。最初は植林地、幸いにも倒木はなく右へ巻きながら登って行くとネットに出合う。ネットに出合ったらネットに沿って登って行く。

 急斜面なので歩きやすい所を探しながら登って行くと周囲は雑木に変わる。ネットはもう用をなしてないようで倒れたところが多く、ネットの外側が歩き難い時は植林地の中を歩かせて頂く。

最初は植林地の斜面を登る 登って行くと周囲は雑木に変わる

 尾根まで急斜面が続くので、途中で引水休憩を取ったり服の調節をしたりと一休みする。基本的にはネットから大きく外れないように登って行く。斜面が緩やかになると尾根の先端は近い。

 ネットの外側がブッシュで全く歩けないところがあるので、ここはネットの中を歩き、外側が歩けるようになると外に出る。再びネットに沿って登って行き、ネットの上端からネットが切れると西尾根の先端の支尾根分岐に着く。ここで標高650m付近、尾根は緩やかに北へと登って行く。ここまで斜面に倒木はなく、長戸谷口から45分である。

ネットから大きく外れないように登って行く 西尾根の先端の支尾根分岐に着く

 ほぼ予定通りだと先へ進んで行く。最初は細い尾根、早速倒木に出合うが全く歩けないと言うことはない。尾根は少しずつ登り始め次第に東へと向いて行く。狭い尾根、雑木が密集して歩けない所は尾根下を歩くが、尾根に戻るポイントを間違うとブッシュを掻き分けて尾根に出ることになり、イバラも邪魔し「今日は失敗や!」と。

早速倒木に出合うが
全く歩けないことはない
ブッシュを掻き分けて尾根に出て
「今日は失敗や!」と

 尾根が東に向くと少し広くなり、緩やかに登って行くが倒木が増えてくる。でも倒木は連続していないので、何とか進んで行くことができる。尾根に折れた枝で埋まったところが多く、いつもの美しい尾根とは言えないが、所々で名残の紅葉を楽しむ。

 ちょっとポツポツ、霧雨のような雨、天気予報にあった「0.1mm」の雨だろう。もう北山しぐれの時期になってきたようだが、大降りにならないようなのでこのまま進行する。

これは古い倒木や! 網の目のような倒木の枝を抜ける
尾根が広い所では
倒木も何とかなる
名残の紅葉を楽しむ

 足元に低木の杉が現れてくるとチェックポイントのP804近い。「丁度この辺だろう」と思うところで高度計と時計を眺め、11時20分なので予定通りこのまま山頂へ向かうことにする。

 再び登り始めると植林の倒木を見る。でも大きな倒木はこれで最後、標高850mを過ぎ尾根が緩やかになると、後は尾根を楽しみながら登って行く。山頂への最後の登りに入る前に、右手が開けて展望が少し開ける。ここは長戸谷支流の源頭だが、今日は北山しぐれで遠望は出来ない。

低木の杉が現れてくると
チェックポイントのP804近い
倒木を見るが
大きな倒木はこれで最後
この程度なら倒木も楽し! 右手が開けて展望が少し開けると
山頂迄あと一登り

 最後はアスナロや杉の低木の中を登って行く。山頂手前にある尾根分岐、南にとれば長戸谷下降点へ、また尾根を辿れば杓子屋へ下ることができる。昔標識があった木を見るが今はなく、そこにテープを見る。その分岐を過ぎると桑谷山西峰の山頂に着く。

 11時53分、前回積雪時に来た時よりも早く着いたようで、桑谷山西尾根の倒木は何とか歩くことができるようだ。予定より5分早く着いたが、この先の様子が分からないので、昼食はお預けとしすぐに東峰へと歩き始める。

最後の登りは杉を掻き分け 桑谷山西峰の山頂に着く

  東峰へは東の尾根をユックリ鞍部へと下って行く。ここも杉の低木が広がってはいるが、ここには踏み跡がありそれを辿って行く。途中からネットが現れ、これに沿って行く。

 途中で何本かの倒木に出合うが、倒木を回り込めば難なく進むことができる。左手の風化したナラ枯れの大木は以外に倒れていない。12時10分東峰に着く。リミットタイムには少し余裕があると、ここで小休止しオニギリ1個だけ食べることにする。

途中からネットが現れ
これに沿って行く
桑谷山東峰で小休止

 5分休憩後、東峰南尾根を下り始めるが最初は急斜面が続く。ここには桑谷林道からの登山道(関電巡視路)があり、倒木もなく難なく下って行く。急坂が終わり緩やかな下りに変わり尾根を楽しみながら歩いて行くと、P813にある鉄塔に出合う。送電線下の木々は刈り取られているので南方の山々を望むことができる。

 この付近は荒れて道がハッキリしないが、1本の細い尾根なので何処を歩いても迷うことはない。鉄塔を抜け左手の尾根を下って行く。

 前方が開けその奥に次の鉄塔を見る。登山道は鉄塔手前で右の谷筋へ下るので、これをとる。

緩やかな下りに変わると尾根を楽しみながら P813にある鉄塔に出合う
P813から南方の展望を見て
左手の尾根へ下る
前方が開けその奥に次の鉄塔を見る
登山道は鉄塔手前から右へ降りる

 道は谷筋を下ってから谷を渡り西の支尾根を下って行く。登山道は関電巡視路で歩き難い所にはプラスチックの階段があり、この谷への下りにも落ち葉の下に階段を見る。

 このくだりにもテープが続くが、足元には関電のプラスチックの階段がある。足元をよく見れば登山道が分かるのだが、テープ登山をしている人は足元は見ずテープだけを追っている。それではいつまでたっても登山能力は上がらない。

 50m下ると谷筋に降り立ち、横道で谷を渡り一つ西の尾根へ移る。最初はハッキリした登山道を辿る。

谷間で急斜面を50m下る 50m下ると谷筋に降り立ち
谷を渡り一つ西の尾根へ移る

 登山道の巻道を歩いて尾根の中央まで来ると下り始める。南西に下って行く尾根、道はハッキリしなくなるが、薄い踏み跡を辿り尾根の中央付近を下って行くといつもの台杉の横を通る。

 この支尾根に倒木はない。標高600mを過ぎると地形図では西へ下って行く破線を見るが、ここは登山道(関電巡視路)がある南西へと下って行く。

支尾根の中央まで巻道を歩き いつもの台杉の横を通る

 支尾根は細くなり道に関電の階段を見るようになる。急勾配を降りていくと右手に林道が見えてきて、最後は左手に細い谷を見て林道に降り立つ。13時12分、前回の積雪時より10分足らず遅れたのは、前回はアイゼンで早く降りられたのかも知れない。

 いつもだと登山口からバス停まで40分、十分時間があるとゆっくりと歩き始める。ところが5分も歩くと目の前に10数本の植林の倒木を見る。

左手に細い谷を見て林道に降り立つ 目の前に10数本の植林の倒木を見る

 ここは跨いだり潜ったりで難なく通過し先に倒木がないので一安心。そこから5分余り歩くと再び倒木、もう数えられないほどの倒木が続く。「これは大変だ!」といいつつ1本ずつクリアしていく。

 その先にも、その先にも倒木は続くが、広い林道なので何とか進むことができる。斜面が雑木に変わるとやっと倒木は無くなる。しかし植林地に変わると再び倒木を見るようになるが、その数は減ってくる。

 前方に小屋のようなものが見えてきて、「桑谷口や」と。やっと倒木を抜けたようで、ここで着替えながら小休止とする。13時35分桑谷口に着く。短い林道だが前回より+10分で歩いたことになる。「倒木で遅れた場合は林道を走って時間短縮しよう」と思っていたが、とても走れる状態ではなく、ほぼ予定通り下山できてホッとする哲郎。

もう数えられないほどの倒木が続く 桑谷口に着く

 ユックリ歩いても14時には大悲山口バス停に着くことができるので、周囲の紅葉を楽しみながら、足元の野草を探しながらバス停へ向かう。13時55分にバス停に着き、遅い昼食とする。天気は回復してきたがこのバス停には日が当らない。風が出てきて寒いのでバス停小屋の中でバスを待つ。

 やって来たバスは暖かく、ウツラウツラしていると、花背峠で朝同乗した団体さんがどっと乗ってきて賑やかになる。

名残のアキノキリンソウ 大悲山口バス停

 バスが花背峠を過ぎると、左右に大量の倒木を見るようになり、「今後、どうするのやろ?」と心配する。今日は桑谷山西尾根の散策、倒木はあるものの、何とか歩けることが分かり一安心する哲郎と道子である。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
鈴なりの実を付けたソヨゴ
こんなの見たことがない