大見尾根(花背峠~百井キャンプ場~寂光院道)//北山
2018.01.04


大見尾根から百井キャンプ場へ下り
広場の雪を楽しむ/積雪50cm


2018.01.04 (木) 行き   哲郎・道子

行き:出町柳駅7:50 - 花背峠 (京都バス)
帰り:大原15:44 - 四条河原町(京都バス)


コース:
花背峠バス停~大見尾根道~杉峠~チロル小屋~和佐谷峠~百井青少年キャンプ場~R477~寂光院道分岐~寂光院道(一部林道化されている)ー天ヶ岳分岐~シャクナゲ尾根分岐~翠黛山分岐~寂光院~大原バス停

注意:
・大見尾根:冬は積雪60~80cmとなります。積雪状態によりワカン・シュー・アイゼンが必要です。
・寂光院道:R477の取付きから約300mは新しい林道ができています。林道終点からは寂光院道に繋がっています。天ヶ岳以北、R477までは積雪40~60cmとなり、こちらも積雪時はワカン・シュー・アイゼンが必要です。









 今年も、お正月は大見尾根、北山の積雪状態を確認に出かける。この尾根の積雪量で皆子山、雲取山、比良山系や北山美山の積雪が大たい予想できるからである。

 今日は平日、出町柳駅前バス停から広河原行きのバスはサラリーマンを乗せて出発するが、今日はまだ正月なのだろう乗客は少ない。

 鞍馬まで来ると民家の屋根に雪を見るようになり、花背峠へと登り始めると植林地に積雪を見る。途中でチェーン装着のため停止するが、ここの路面には雪はない。10分経っただろうか、バスが動き始めると上から降りてくる除雪車を見る。

 「-3℃」の花背峠で降りる。バスにはまだ奥の山に向かう登山者が3名いたが、彼らは何処の山に行くのだろうか?。早速、2人は大見尾根取付きへ向かい積雪を確認する。

「-3℃」の花背峠で降りる 大見尾根を歩き始める

 入口付近で20cmなので、まずまずなのであろう。「この付近は大木の植林の下だから少ないのや!」と靴のまま歩いて行く。

 進むにつれ積雪が増えてきて30~40cmになり歩き難くなるのだが、この道には2~3日前のワダチが残り、その跡を踏みながら進んで行く。

 右手に花背の鉄塔を見て「今日は天気が良い!」と言っていたら小雪がちらついてきて、これが大原に着くまで止むことはなかった。。

積雪が増えてくるとワダチを歩く 右手に花背の鉄塔を見て

 杉峠手前には南から登ってくる林道が新しくできている。花背峠下の水飲み場で林道工事をしていたので、この林道は鞍馬川に沿って下って行くのかも知れない。2本の大木の間にある杉峠のお地蔵さん、すっぽりと雪に覆われているので、頭だけを出している。

杉峠手前には新しい林道が 杉峠の地蔵、頭だけを出している

 鉄塔への取付き道分岐のゲートを過ぎ、右手の作業所の空地を過ぎると林道に変わる。北西方面が開けてくるので風が強くなり積雪も増えてくるだろうと、ここで持参したワカンを装着する。昨年はシューばかり利用していたので、ワカンを付けるのは久し振り「どうやった?」と道子は聞いてくる。「外から中、外から中の繰り返し・・・」と哲郎。装着に時間がかかる。

 歩き始めると、もうここにはワダチの跡はなく積雪40cm、北西が開けているので積雪が波のように唸っている。でもそのうねりは例年より小さく難なく歩くことができる。琵琶湖バレーの積雪情報が連日50cm程度と増えていないので、この尾根も少ないのであろう。

 林道が尾根の南側にに変わると風は止み、積雪も少し少なくなる。チロル小屋跡に来て、小屋の屋根を見ると積雪40~50cmと少し淋しい。それでも周囲の木には白い花が満開、心地よく歩いて行く。

雪のうねりは例年より小さく 小屋の屋根を見ると
積雪40~50cmと少し淋しい
雪を楽しむ 雪を楽しむ

 和佐谷峠に着き、ここから百井キャンプ場へ下って行く。植林地の雪は積もり難く融けにくいので、この時期はまだ新雪、植林地の積雪は20~30cmと少ない。登山道らしきところを下って行く。

 もう少し積雪があれば、植林地の中を一気に下って行くことができるが、この積雪量では倒木が邪魔をして危ない。左手に沿っていた電線が右手に見えてくると谷は近い。

和佐谷峠に着き
百井キャンプ場へ下って行く
登山道らしきところを下って行く

 大きく折り返し電線に沿って右手に下って行くと小さな谷に出合う。谷と言っても水が少ないので渡れるところを渡ると、細い作業道に出合う。これを谷沿いに下って行くと、すぐに谷を渡って広い林道終点に出合う。

小さな谷に出合うとこれを渡る 橋を渡って広い林道終点に出合う

 付近にはたくさんの林道分岐があるが、広い林道をキャンプ場へと下って行く。右手の谷から降りてくる林道に出合い左にとると、キャンプ場の管理棟に出られる。2人は途中で左手の橋を渡り遠回りする。これはキャンプ場広場の雪を楽しむためである。

 林道途中で右下に広場が見えてくると広場へ下って行く。積雪は例年に比べ少ないが、ベンチ上には50cm積もっている。この雪原を心地よく歩いてカマド場へ向かう。

広場が見えてくると広場へ ベンチ上には

 キャンプ時はカマドの利用には予約が必要であるが、積雪時キャンプの無い時には「、この屋根をお借りして昼食とする。今日のコースで降り続く雪の中で昼食をとるところは、ここだけのようである。まだ10時40分だが、ここで昼食とする。

 凍結防止用に水場の蛇口が緩めてあるが、水が止まりかけているので調節をしておく。昼食と言ってもオニギリを食べるだけだが、20分もユックリしたので身体が冷えてくる。今日は身体を温める薬を持参したので、お湯割りとして頂く。

 昼食も終わり百井キャンプ場入口から国道477号に出て、百井峠手前の寂光院道入口へ向かう。

カマド場の屋根をお借りして
昼食とする
昼食も終わり
百井キャンプ場を後にする

 道は除雪してあるのでワカンを外し手に持って歩くことにする。百井峠までは標高差50mなので、植林地の中をユックリ登って行く。狭い国道、除雪後に薄い雪が残っているので対向車が来ると怖い所である。路面がツルツルならアイゼンを付けるのだが、今日は暖かくその必要はない。

 寂光院道までは約1000mで、水道施設を過ぎると半分登ったことになり、左手の尾根の鞍部の様子を見ながら進んで行く。標高700m付近まで来て、左の鞍部を見て「ここだろう!」と哲郎、「入口の標識がない!」と道子。

 そこには南へ登って行く古道 は無く、細い林道ができている。ポイントはあっているので、この林道を尾根の鞍部まで登って様子を見ることにする。ここは雪深いのでワカンを装着し登って行く。

水道施設を過ぎると半分登ったことになり 寂光院道分岐
登山道の古道は林道に変わっている

 鞍部まで登ってみると、林道は古道があった方向に伸びている。何処でも新しい林道には苦労している2人だが、登山道を知っているのでこの林道を進むことにする。

 林道は古道と同じく尾根の横道となりユックリ登って行くので苦にならない。右手に古道にあった標識を見るので、この林道は古道の上に伸びているようで一安心する。

 「どこまで続いているのやろ?」と思っていたが、林道入り口から約300m、標識「15」を過ぎ「14」までの中間付近で終わっている。そこには倒木が横たわっていて、その先に古道の寂光院道が続いている。倒木を避けながら注意し通り過ぎ古道を歩き始める。

寂光院道についていた標識を見て
一安心する
倒木の避けながら注意し通り過ぎ
林道終点

 すぐに植林が終わって雑木に変わるので、林道はそんなに伸びないような気がする。雑木は雪で低く垂れ、その雪を払いながら下って行く。やっと楽しめる雪の雑木道、雪を頭から被っても嫌にはならない。

 送電線が見えてくると、道は右に直角に折れ登って行き、稜線に近いところで左に折れ再び横道に変わる。送電線下から100m余り進むと天ヶ岳分岐に着く。

 12時30分、今日は予定より30分遅れている。足元に踏み跡がないので、正月から誰も天ヶ岳へ向かっていないようである。2人は天ヶ岳をパスし寂光院道を進んで行く。

古道の雑木は雪で低く垂れ 天ヶ岳分岐に着く

 まだ積雪は30cmあり、面倒なのでワカンを付けたまま歩いて行く。しばらく南東へ下って行く道は緩やかに下って行く。心地よいと思いきや倒木に出合う。細い尾根の倒木は面倒で時間がかかってしまう。「又倒木や!」と、この尾根も台風の影響が残っているようである。

 標高700m付近から嫌な崖道に変わる。雪が残っているのでワカンのまま下ることにするが危なっかしい!。ここからシャクナゲ尾根分岐までは岩肌の上を歩くので、雪があってもなくても注意して歩くところである。そばに続くシャクナゲには花芽がたくさんあるので、今年はシャクナゲの花が楽しめそうである。

 シャクナゲ尾根分岐に着く、ここは標高604m、古道はこの後急斜面の細い横道が続き翠黛山分岐まで130mほどゆっくりと下って行く。積雪は10cm余り、急斜面の横道なのでワカンからアイゼンへ変えた方が良いのだが、ここも面倒だと通り過ぎていく。

細い尾根の倒木は面倒で シャクナゲ尾根分岐に着く

 細い横道、道が崩れたところや倒木が道を塞いでいる所は注意して歩くことになる。やっと前方にネットが見えてきて、もう急斜面へ滑り落ちることは無くなり、「今日は遅れている」と道子は急ぎ足で先行する。

 ネットで安心したのか、哲郎はつまずいて前へ倒れ込む。幸い雪道で助かったが「ワカンを外さなくては!」と思いつつ外さずに歩いて行くと、再びつまずいて倒れてしまう。中々立ち上がれない哲郎、はるか先へすすんでいる道子も、哲郎がやって来ないので引き返してくる。

 今度は両膝を打った哲郎、「腫れては!」とズボンを脱いで道子が取り出したシップを両膝に貼ることになる。ここでやっとワカンを外し歩いてみると、痛みを感じないので一安心だが「今夜腫れない事を祈るだけだ!」と、2人は歩き始める。14時15分、やっと翠黛山分岐に着く。もう予定より1時間以上遅れている。

前方にネットが見えてきて やっと翠黛山分岐に着く

 分岐から寂光院への下りは岩場の嫌な道だが、南斜面なのでもう雪はない。ユックリ下って行き林道の登山口に降り立つ。寂光院に近づいてくるとケモノ避けのゲートに出合う。「いつものようにフックを外してカンヌキを・・・」と思うがフックが固く外れない。

 手で外れないので石でたたいてやっと外す。上下外すと扉が倒れてくる。カンヌキも針金で止めてあり、何だかんだと10分かかってやっと通過する。通過後の組み立ても大変で「女性たちではとても通れない」と哲郎。

 歩き始めると目の前の木に変な標識を見る。ハイキングコースは「↑」と天を指している。これは登りの場合「ハイキングコースは直進せよ!」と言う意味なのか、ゲートが壊れているので「これは植林地を登って迂回せよと言う意味なのか?」と。植林地を見渡すが分からないので、今日はそれを確かめることなく2人は寂光院へ向かう。

壊れたゲート
通過に10分以上かかる
この標識は何を示しているのやら

 建物が見えてきて寂光院に着く。近くの流れでワカンやストックを洗い収納する。大原の田畑に雪はなく、里では余り降っていないようである。

 大見尾根の積雪は思うほどなかったが、「今日は初山行きを楽しんだ!」と満足げに大原バス停へ向かう。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
シャクナゲの花芽がたくさん
今年は花が楽しめそうだ