京都北山 倉谷林道から片波山
2019.06.04


倉谷林道の崩壊箇所はすべて修復され
広河原方面から広域林道まで歩くことができます


2019.06.04 (火) 晴れ   哲郎 単独

行き:出町柳 7:50 - 下ノ町(京都バス)
帰り:花背農協前 14:46 - 北大路駅前


コース:
・下ノ町バス停~倉谷林道取付き~広域林道出合~支尾根取付き~P849~(南尾根)~井ノ口山分岐~広域林道出合~鍋谷峠~片波山(湯槽山)~南尾根を下る~広域林道出合~ゲート~広域林道起点~花背農協前








 2018年4月には一部崩壊していて、ず~と気になっていた倉谷林道、2018年の台風後に出かけていないので、今日は倉谷林道の崩壊箇所や倒木の調査に出かける。道子は子守の要請があり哲郎一人で出かけることになる。

 下ノ町で降り南へ100mあまり戻ったところの橋を渡り、さらに川沿いを150mも歩くと倉谷林道の入り口に着く。以前ここにあった侵入禁止の看板がひっくり返っているので「2018年見た崩壊箇所は修復されているかのしれない!」と期待する。

下ノ町で降り南へ100mあまり
戻ったところの橋を渡り
倉谷林道の入り口に着く

 林道口で準備し、ゼリーでエネルギー補給して出発する。今日は京都地方は34℃と暑くなるという予報、崖沿いの林道は風が通らず「朝から暑い!」と感じる。昨年の調査は4月だったので色々な野草が目を楽しませてくれたが、6月に入ると緑一色、花はあまり咲いていない。

 崖に咲いていたのだろうイワナシの実を見て「岩+梨だ!」と。イワナシの実は梨のように甘いそうだが、口に入れるには少し早いようだ。でもあとで「食べてみればよかった!」と後悔する。イワウチワの葉もたくさんあるので春はにぎやかだったのだろう。

 一旦東へ進み、折り返すように西へ進んでいくと、谷上の高い所を歩くようになる。谷まで50mはありそうな急斜面の上だから、ここの林道が崩壊すれば修復はむつかしそうと思っていたが、崩壊箇所は修復され維持されている。だが無理をして修復しているのでいずれ崩れるだろう。

イワナシの果実 崩壊箇所は維持されている
コバノフユイチゴの花 林道に咲くタニウツギ

 林道は緩やかに登って行き、北側の斜面に雑木が増えてきて新緑の中心地よく歩くことができる。木々の間から昨年確認した崩壊箇所が見えるが、遠くて修復されたどうか林道の様子はわからない。昨年見た修復箇所すべてに被害はなく、台風による倒木もなくどんどん登って行くことができる。林道は南から東へ向きを変えてくると、昨年見た急斜面の崩壊箇所に近づいてくる。

 この付近の林道は谷上100m付近に造られているので、林道から滑落すれば50から100mまで止まらないようだ。昨年見た崩壊箇所に来ると綺麗に修復されている。崖を少し削って修復したのだろうか、林道のコースが少し変わっている。でも簡易的な補修のようにも見え、いつまでもつことやら?

木々の間から
昨年確認した崩壊箇所が見えるが
崩壊箇所に来ると綺麗に修復されている

 最後の補修箇所を後にし登って行くと、林道は南へ向きすぐに広域林道に出合う。「これで倉谷林道は通れる!」と一安心、この林道は哲郎にとっても重要な迂回路であるのだ。今日の調査で林道が崩壊し通れなければ倉谷林道の西の尾根を探索しようと思っていたが、それは宿題として残すことになる。

 広域林道に出合い右にとり、目の前の支尾根にとりつく。と言っても直接登れないので、斜面のコンクリートブロックが切れるところまで進み、折り返すように登って行く。

広域林道に出合う 井口山への支尾根取付き

 ブロックの上を支尾根まで戻ってくると、そこにはっきりした踏み跡を見るので、それを登り支尾根の先端にとりつく。最初は急斜面だが登るにつれ歩きやすくなる。踏み跡もハッキリしてきたので登る人も増えてきたのであろう。周囲にはシャクナゲ、足元にはイワウチワと、5月連休はにぎやかだっただろう。

 50mも登り緩やかになったところで倒木を見るが、難なく進むことができる。林道から20分で鍋谷山からの尾根にある小ピーク(P849)に着く。ここに井口山(849m)の古い標識を見る。でも井口山の三角点はここから東へ下った斜面の途中にある。

支尾根の踏み跡もハッキリしてきた 林道から20分で小ピーク(P849)に着く

 尾根を左にとり下っていく。倒木を避けながら7分下ると、井口山三角点への分岐に着く。ここから主尾根は南に向き、左にある柵に沿うように下っていく。右手に雑木が広がり心地よい尾根だが、所々で倒木を見るようになる。でも連続した倒木はないので一安心、注意して倒木を抜けていく。

周辺には台杉の群生地がある 左にある柵に沿うように下っていく

 尾根は急に下り始め、左手に広域林道が見えてきて、P849から25分で広域林道に降り立つ。ちょうどお昼前だが、このまま林道を歩き鍋谷峠へ向かう。

 南向きの林道は日差しを受けきついところではあるが、この先片波山の倒木状態もわからないので、急ぎ足で進んでいく。林道を15分歩いて鍋谷峠に着く。ここでタイムチェック、12時10分なので前回とほぼ同じなので一安心、「涼しい所で昼食を!」と思うが、峠に日陰はなく日差しを受けながらおにぎりを食べる。

広域林道が見えてきて 鍋谷峠に着く

 昼食も終わり、さっそく目の前の踏み跡をたどり片波山へ登り始める。数m先で斜面をジグザグに登って行くと、すぐに緩やかな尾根に乗る。

 倒木はほとんどなく、予定通り登ることができる。標高670mから少し左へ向きを変え登って行くと、標高700m付近から急斜面を登るようになる。標高750mで細長い山頂の北端に着く。ここから山頂までは約200m、途中に倒木を見るが、ここも難なく進むことができる。

 13時05分、今日は鍋谷峠から35分で山頂の三角点がある小広場に着く。倒木の影響も少なく、ほぼ予定通り登ってきたようだ。

峠からジグザグに登って行くと
すぐに緩やかな尾根に乗る
山頂の三角点がある小広場に着く

 飲水休憩後すぐに南東の尾根を下り始める。400m下ったところで尾根は分岐するが、ここは左手の支尾根をとる。すぐに右下が開けてきて林道支線を見るので急斜面を下っていき、林道支線に降り立つ。

 すぐ先のゲートを超えれば広域林道、13時30分、前回より10分遅れているが広域林道口まで45分なのでバスには十分間に合うようだ。

山頂から南東の尾根を下っていく 林道支線に降り立ち
すぐ先のゲートを超えれば広域林道

 ここから大きく蛇行する広域林道、別にショートカットしなくてもよいのだろうが、左手の植林地を除く哲郎、古木が散らばっているのでショートカットを止める。でも少し下って左手の谷筋を覗くと、急斜面だがすっきりしている。地形図を見ると距離は1/5に短縮されるようだと、この谷筋を下ってみることにする。

 急斜面が続き靴のエッジをきかせゆっくりと下っていく。途中まで来て「止めとけばよかった」と思うほど勾配がきつくなる。仕方なく中央の枯谷へ降りて谷を下ることにする。谷に近づいてくると靴のエッジが効かなくなり滑り始める。土が湿っているようだ。

 雪上のようにズルズル滑っていく哲郎、ストックで止めようとするが止まらない。やっと谷手前で止まるが、ストックは大きく曲がり、ズボンやザックは泥んこになる。幸いけがはなく一安心、谷に降り下に見える池まで下っていく。

 時計を見ると13時45分、ショートカットにはならず「いらぬことをした!」と反省する哲郎。「ちょっと遅れている」と、急ぎ足で下ることになる。14時00分にゲートに着きバスには十分だと一安心、それでも着替えや後始末があるので急ぎ足で林道を下っていく。

池まで降りてきたが
ショートカットにはならず
14時00分にゲートに着き一安心

 急いで下ったので、いつもと同じ時間に林道起点に着く。バスまで十分時間があるので川に降りズボンやザックの泥んこをタオルでふき取る。汚れたシャツを脱ぐと胸元に大きなヒルを見て慌ててタオルで払いのける。幸いにもヒル除けが効いていたのか吸血前だったので深い傷はなく「やれやれ!」。

 「そろそろ」と花背農協前バス停へ向かう。トイレを借り冷たいドリンクで喉を潤す。やっと落ち着き曲がったストックを見て「いらぬ出費や!」と、再び「やれやれ!」。

広域林道起点 もうコアジサイの季節

定刻にやってきたバスに、一人のハイカーと乗る。朝見なかった彼は「どこからやって来たのだろう」と。倉谷林道が通れることに一安心の哲郎、今日は瞼を閉じることなく車窓から蒼々とした山々を眺めながら帰路に着く。






主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
アカモノの花


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