京都北山 小野村割岳
(河原谷東尾根~P951)2019.05.25


小野村割岳の稜線から南尾根を下って広河原へ
軽い藪漕ぎが続くが時々現れる巨木を見て楽しむ


2019.05.25 (土) 晴れ   哲郎、道子

行き:出町柳 7:50 - 能見口(京都バス)
帰り:広河原 17:22 - 北大路駅前


コース:
・能見口バス停~能見集落~コウンド谷口~河原谷口~支尾根取付~瓦谷東尾根~P856~コウンド谷下山口~P951下古道~天狗峠分岐~鞍部で尾根乗り換え~小野村割岳~P911~南尾根分岐~P781東ピーク~P781~桃ノ木小屋~広河原バス停

注意:
・河原谷東尾根からP951に道はありませんが細い尾根なので登りの場合は問題ありません。P951~小野村割岳周辺は薄い踏み跡、南尾根にも道がありませんので、このコースは初心者だけで出かけないようお願いします。
・南尾根横のP781から桃ノ木小屋(広河原)へ下る尾根に道はありません。杉の低木が続き軽い藪漕ぎが続きます。







 今日は京都北山の小野村割岳へ向かう。2018年の台風以後小野村割岳に出かけていない。庄兵衛さんへTELすると、ペラペラと話が長くなるので、一度広河原へ出かけることにする。

 まだ5月なのに全国的にこの週末は猛暑、京都も35℃の予報、春の花は高温に弱いのでどうだろうと。好天が続きヒルの出現も少ないだろうが、今日も谷筋はやめ、河原谷東尾根からP951周りで小野村割岳へ向かう。

 出町柳バス停、朽木行きは2台で発車する。広河原行きにも団体さんが乗ってくるが「どこへ行くのやら?」、廃村八丁だった。山の家で学生さんたちが降りると、小学生がどっと乗ってきて花背交流の森で降りていく。

 2人は能見口で「準備は登山口でするから!」とすぐに橋を渡って能見集落へと向かう。能見峠が通行止めなので入り口に案内員がいて説明してくれるが、ここを抜けていく車は日に数台だろうに、ご苦労様です。

能見峠(久多峠)方面はまだ通行止め
入り口に案内員がいる。ご苦労さんです
じぞうの上に垂れさがるツルアジサイ
ツルアジサイの白いガク片は4枚
イワガラミのガク片は1枚

 タニウツギの花はまだまだ、ジキタリスの花はツボミ小さく遅れているようだ。集落外れにあるスマホの共同アンテナ、台風で壊れたのだろうか、配線むき出しで「これで機能しているのだろうか」と思ってしまう。

 能見に咲くアカモノやクリンソウを楽しみながら集落を抜ける。道傍のウバユリの葉は獣に食われたのだろう、もう花は咲かないかもしれない。今日はコウンド谷口を通り過ぎ、すぐに河原谷口に着く。

配線むき出しのアンテナ設備は
機能しているのだろうか
能見に咲くクリンソウ

 林道入り口横にコンクリートが広く張ってあり、「ヒルの時期はありがたい」とその上で準備する。出発前だが今朝5時起きの2人はゼリーでエネルギーを補足する。今日はヒル除けを噴霧しスパッツを付け、服の調節、ストックの準備を済まし出発する、10時25分だ。

 河原谷の林道には昨年は咲いていた野草は見当たらず「今年は、どこもそうなんだろう」と。林道を北へ200m進むと右手の谷筋の先に小さな細い支尾根の先端を見る。林道口からの尾根とりつきは急斜面なので、ここから取り付いている。

 哲郎が色々写真を撮ってると、もう道子は支尾根を登り始めている。最初の50~60mは急斜面、細い尾根なので滑落しないよう気が抜けない。植林や疎林からブナの木などの雑木に変わると、新緑の中、急坂と言えど心地よく登ることができる。

河原谷林道へ進入 右手の谷筋の先に小さな細い支尾根の先端
最初の50~60mは急斜面 雑木に変わると新緑が心地よい

 目的の河原谷東尾根手前で支尾根は広がりい、勾配も緩くなってくる。「まっすぐ支尾根に登って行くとしんどい!」と、少し右手の尾根の低い所へ進んでいき、目的の尾根に乗る。標高670m付近、ここでタイムチェック、標高差200mで30分かかったが、前回と同じ時刻なので、暑い中よく頑張ったようだ。

 細い尾根を北へ登り始める。緩やかな雑木の尾根が続き心地よい。標高790mまで登ると右手に植林地を見るようになり、遠くにこれから合流する久多峠下からの尾根を見る。最後は一のぼりしてP856に着き久多峠下からの尾根と合流し、ここで小休止する。

緩やかな雑木の尾根が続き心地よい
河原谷東尾根
P856に着き小休止する

 小休止後P951へと歩き始める。最初は緩やかな疎林の尾根が続く。少し登り始めると、だんだん尾根が広がっていき行き手を迷いそうだが、ここからの尾根は北西へ曲がる。すぐに「コウンド谷」下山口の標識を見て、今日は風が通り虫もいないのでここで昼食とする。ここで12時を回っているので、ここまでコウンド谷コースのほうが林道を歩く分30分早く着くようだ。

P951へは疎林の尾根が続く 「コウンド谷」下山口の標識を見て
ここで昼食とする

 20分ユックリの昼食を終えP951へ向かう。P951へはちょっとした登りがあり、一登りすると目の前に緩やかな植林地を見る。この植林地を西にとればワサ谷林道への近道となるが、最近は歩いていない。ここから目の前のP951へは向かわず、植林地の中ピーク下にある古道を通ってP951下の天狗峠分岐に向かう。

 横たわった大きな木を超えると天狗峠分岐、2人は左にとり小野村割岳へ向かう。すぐに板取の大木の横を通り細い尾根を歩き始める。

古道を通ってP951下の天狗峠分岐へ 板取の大木の横を通り

 尾根の左手は植林だが、薄い踏み跡が続く素朴な尾根が良い。天狗峠分岐から5分も歩けば北の鞍部に降り立ち尾根を乗り換えて小野村割岳へ向かう。鞍部への下降点手前の古道を歩くと急坂を下らなくてもよい。と道子に教える。

 鞍部にあった大木は枯れ横たわっている。小野村割岳からの尾根に乗ると緩やかに登って行く。この付近の左側は植林だが右手は芦生原生林なので心地よく歩くことができる。尾根が登り始めると、天狗峠分岐から30分歩いて小野村割岳に着く。13時20分、予定より20分遅れたのは暑いからであろうか。

鞍部にあった大木は枯れ 小野村割岳に着く

 後は山頂から西へ佐々里方面へと歩くだけである。新緑が心地よいが真夏のように暑く、何度も水分補給する。P911から下っていくと南尾根分岐の鞍部に着く。鞍部にはバイケイソウが群生しているが、道子はなぜか南尾根へと進んでいく。哲郎の予定にはなかったが、久しぶりだと南尾根を下って広河原へ向かうことにする。

新緑の尾根を心地よく歩く 分岐から南尾根へ向かう

 尾根分岐には枝が横たえてあり間違って侵入しないようにしてある。もう何度も歩いている尾根だが、ここを歩くのは久しぶり、軽い藪漕ぎが続くので新鮮に思える。でもこの尾根から広河原付近の地形図を用意していなかった哲郎は、同じような風景が続き「今どのへんだろう?」と考えながら歩いていく。

 杉の低木が増え軽い藪漕ぎが続き、踏み跡も薄くなっているので最近ここを歩く人も少なくなってきたのだろう。以外に倒木は少なく進行に問題はない。尾根分岐に出合うと、右の支尾根はサエ谷の支流へ降り立つので、分岐は左の南をとる。登山地図は携帯しているが、細かいところは地形図でないとわからない。

以外に倒木は少ない 疎林の細い尾根が続き
地形図がないので「分岐はまだか?」と

 南尾根を50分歩いたところで、やっと目標となる台杉の横を下って標高750mの鞍部に着く。ここから小ピークを一つ越えればP781東ピークのチェックポイントに着くが今日はここのデータはない。鞍部から小ピークを登り返すとP781東ピークに着く、14時55分なので南尾根入り口から丁度1時間かかったようだ。

 ここから広河原へのコースは「①西のP781から桃ノ木小屋への尾根を下る。②南尾根を進みP711横の支尾根を広河原バス停裏へ降りる。③②の途中で桃ノ木谷を下り広河原へ」とあるが、今日は久しぶりだが早く降りられるだろうと①のP781へ向かうことにする。

この台杉を下った鞍部から
P781東ピークは近い
P781東ピークにある古い標識

 南尾根からP781へ歩き始めると、以前より杉の低木が増え歩きにくい。当然踏み跡も消えている。P781付近は細長いピーク、過去の記憶から西の端により尾根筋を探す。良くわからないので登山地図を取り出し確認するが、余り役に立たない。低木の杉をかき分けながら進んでいくが、これは最後まで続く。

 P781から30mも下ると支尾根が分岐する。「確か南だったような」と登山地図で確認。下って行くと再び支尾根分岐、藪深くハッキリしない分岐、ここは南西へとコンパスで確認し下っていく。途中で見覚えのある木を見てコースアウトしていないことを確信する。

南尾根からP781へ歩き始めると
低木の杉が邪魔をする
見覚えのある木を見て
コースアウトしていないことを確信する

 ぽつぽつと植林が混じってくると一安心する、足元に踏み跡のようなもも見えてきてそれをたどって下っていく。植林が増えてくると足元にユズリハやイワウチワの葉が増えてくる。

 だんだん傾斜がきつくなってくると、下に林道や堰堤や桃ノ木小屋も見えてくる。後は踏み跡をたどって桃ノ木小屋付近の林道に降り立つ。15時50分なので南尾根から50分かかってしまう。

植林が混じってくると踏み跡を見る 桃ノ木小屋付近の林道に降り立つ

 桃ノ木小屋には車が止まっているので、今夜は宴会があるようだ。小屋の前の谷に降り着替えや後始末をする。目の前にまだ鮮やかに咲いているクリンソウを見る。

 後始末も終わり、庄兵衛さんへより道子とおかみさんのおしゃべりが始まる。哲郎はそれに耳を傾けながらビールを飲む。

鮮やかに咲いているクリンソウを見る サンインクワガタ





主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
コケイラン


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