京都北山 小祖父谷林道の2018年台風影響調査
2019.05.21


広範囲にわたって土砂崩れがあった小祖父谷林道
道端の野草は全滅のようだ


2019.05.21 (火) 雨のち晴れ   哲郎、道子

行き:京都駅 6:50 - 周山(京都バス) - 井戸(京北ふるさとバス)
帰り:周山 15:40 - 京都駅


コース:
井戸バス停~井戸祖父谷林道~筏場橋(・344)~祖父谷橋~小祖父谷林道~ジョウラク峠分岐~林道分岐右へ~大谷峠下~大谷峠~飯森山~反射板1~反射板2~天童山~パラグライダー基地跡~カモチ谷林道~殿橋~周山バス停

注意:
・2018年の台風から8か月経っていますが、2019年5月現在小祖父谷林道は倒木で通れません。
・小祖父谷林道から大谷峠や桟敷方面へは林道終点から道がありません。初心者だけで出かけないようお願いします。







 今日は井戸から小祖父谷林道へ向かい、2018年の台風の影響調査に出かける。この林道終点から大谷峠や桟敷方面へ進めるか調査する。

 朝起きた時は降っていた雨、家を出るときには上がってくれ寒冷前線は通過したようだ。早朝の周山行きのバスに乗るが、もう降ることはなく一安心する。周山で京北ふるさとバス灰屋行きに乗り井戸へ向かう。今日は我々以外に女性1人が同乗していて、学校前で降りたので先生だろうか?

 井戸で降りバス停小屋でゆっくりと準備し、8時45分に出発、橋を渡って井戸祖父谷林道を歩き始めると1台の軽トラが追い越してすぐに止まる。運転手が「どちらへ?」「最近菅原や雲ケ畑で遭難事故があり、ここの道も荒れている!」と説明する。

 我々を心配し引き返すように言っているのだろう、彼は消防団員なのか遭難事故があれば駆り出されるのが嫌なのかもしれない。我々は台風の影響調査に出かけるので荒れているのは承知の上、彼にお礼を言い井戸祖父谷林道を歩き始める。

バス停から橋を渡り井戸祖父谷林道へ 井戸祖父谷林道は荒れてはいない

 井戸祖父谷林道は以前とあまり変わった様子は見られない。道端の野草を観察しながら進んでいく。だらだら歩いて・344の林道分岐に着く。左にとるとイモジ谷から石仏峠へ、右は祖父谷峠やジョウラク峠へ行くことができる。ここの橋に「筏場橋」と書かれているが、最近のことだろう。

 橋を渡ってすぐの所から左手の斜面に悲惨な状況を見る。斜面は上のほうまでハゲ山になっているので倒木がひどかったのだろう。道端にはまだ倒木が積んであるが、丸太はサイズが不揃いなので倒木と分かる。この付近の林道は整備されているので歩くことができる。

・344の林道分岐で
橋(筏場橋と書いてある)を渡って右へ
丸太はサイズが不揃いなので倒木と分かる

 まだ林道の入り口付近、この先が思いやられる。次の橋に着くと「小祖父谷橋」と書いてある。右にとり谷沿いを登って行くが、この付近には植林地が迫っていないので倒木はなく、野草を観察しながら登って行く。

 次の橋での林道分岐は要注意、左に行けば祖父谷峠へ、2人は右の未舗装の小祖父谷林道をとる。数分も歩くと小祖父谷を渡ることになるが、上流の堰堤は土砂で埋まり、橋からの谷沿いの林道支線はえぐられ谷となっている。ひどい土砂崩れがあったようで、この先の林道の状態を心配する。

林道分岐で
右の未舗装の小祖父谷林道をとる
小祖父谷の堰堤は土砂で埋まり
林道支線はえぐられ谷のように流れが

 橋を渡ると林道は右へと登って行き、すぐに左へと折り返すと林道は土砂で埋まっていたのだろう両脇に積み上げられた土砂を見る。道端の野草は土砂に埋まり全滅のようで残念である。ちょっと凹んだ植林地は尾根付近までむき出しの土肌を見るので、土石流のように土砂が林道を超え谷まで流れていったのだろう。

道端の野草は土砂に埋まり全滅のようで 植林地は尾根付近まで
むき出しの土肌を見るので

 斜面が雑木に代わると、土砂崩れが嘘のように白いウツギの花を見る。すぐその先で道横に重機を見て、その先に再び土で覆われた斜面を見る。林道右手の斜面はダウンバーストのように尾根を下った南東の風をまともに受けたようだ。

 橋を渡り道が谷の右岸に変わると、谷間が狭くなったのかミカエリソウの茂る植林地に被害は見られない。ちょっとの地形の変化で被害は大きく変わるようだ。「もうこれで安心して歩くことができる」と思っていたら、橋を渡り林道が谷の左岸に変わると目の前に大量の倒木を見る。左手は谷なので迂回できず、倒木を少しずつ抜けていくことになる。

斜面が雑木に代わると
土砂崩れが嘘のように白いウツギの花
道横に重機を見て
ミカエリソウの植林地を見て
一安心するが
目の前に大量の倒木を見る

 大量の倒木を抜けると、ジョウラク峠への林道分岐に着く。その入り口に大量の倒木を見るので峠へは当分の間進めないようだ。やっと最後の林道分岐に着くが、倒木で分かりにくい。ここまで倒木を抜けるのに時間がかかり予定より25分遅れている。分岐を右にとり大谷峠下へ向かうが、この先大量の倒木はないので難なく進むことができる。

ジョウラク峠への道は倒木で埋まり やっと最後の林道分岐に着く

 10時50分に大谷峠下の林道終点に着く。目の前の植林地は一段と高いので、ここから左手の谷筋から登って取り付いていたが、小さな谷筋が削られて簡単には登れない。やっと植林地に着いたが、「次からは右手から登ることにしよう」と。

 植林地の真ん中に溝があるので、この溝に沿って登って行く。この溝は古道の跡のようで左手の斜面に続いているので、これを辿っていく。古道が消え斜面がなだらかになったところで右手へと横切っていくと「治山事業」の案内板を見るので、そこまで進む。そこには登って行く古道を再び見るのでこれを進む。道は斜面を巻いていくと薄くなるが、これをたどっていくと前方が明るくなり大谷峠に着く。

大谷峠下の林道終点に着く この溝は古道の跡のようでこれを辿って行く
「治山事業」の案内板を見るので 古道をたどっていくと

 「着いた!」と大谷峠、予定より25分遅れている。ここから城丹国境尾根を西に進み周山バス停へ向かうが、もう14時台のバスには間に合いそうもないので、ゆっくり歩くことにする。尾根を西へ雑木の中の急坂を登って行くと、すぐに飯森山に着く。お昼前だが昼食は天童山まで我慢することにする。

25分遅れで大谷峠に着く すぐに飯森山に着く

 山頂から急斜面を標高差50m下った鞍部に着く。ここは大谷林道からの道と合流するが、その道はハッキリしない。ここから急斜面を標高差70m登ることになるが、ここからは新緑の雑木が続き苦にならない。哲郎は足元を見ながら歩くが、この尾根にあったフデリンドウやイチヤクソウの姿は見当たらない。

 道子は反射板へと登って行く。いつもは登らず斜面の横道を歩いているのだが。反射板のネットの中は草木で埋まっているが、動物が入れないのできっと野草もたくさん残っているだろうと。新緑を楽しみながら次の反射板まで来て南に見える愛宕三山を望む。

久し振りに最初の反射板に登る 新緑の尾根は心地よい

 12時25分に天童山に着く。以前天童山から殿橋まで1時間で下ったことがあり、頑張れば14時台のバスに間に合うことになるが、「今日はゆっくりでいいだろう」とここで昼食とする。20分の昼食休憩も終わり、ここからは京北トレイル道を下っていく。

 途中の近道を通りパラグライダー基地跡への尾根に乗る。心地よい尾根、ここに倒木を見るがトレイル道なので手入れしてある。パラグライダー基地跡で展望を楽しんで、カモチ谷へと下っていく。

天童山へと登って行く パラグライダー基地跡で展望を楽しんで
回復しているクリンソウ 開花が遅れているヤマゴボウ

 カモチ谷では大水で姿を消していたクリンソウが回復していて、たくさんの花を楽しむ。途中でワラビを見つけ喜ぶ道子、ゆっくりと採取を楽しむ。あまりにもゆっくりしたので殿橋に着いたのは14時55分、結局急いでウッディ京北へ向かうことになる。






主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
ツチアケビが顔を出す


連絡