比良 シメン谷南尾根から金毘羅道
2019.04.20


シメン谷南尾根を登り切った長池から蓬莱山への丘陵
小池の傍で昼食とする


2019.04.20 (土) 晴天   哲郎・道子

行き:出町柳駅7:45 - 木戸口 (京都バス)
帰り:JR蓬莱15:43 = 京都


コース:
木戸口バス停~シメン谷南尾根取り付き~間伐展示林案内板~標高600雑木出合~標高820m小ピーク~長池から蓬莱山へ続く丘陵~P1040~P1050~P1080(森山岳)ー蓬莱山~金毘羅道下山口~金毘羅峠~林道出合~JR蓬莱駅

注意:
・シメン谷南尾根は長池から蓬莱山への丘陵に乗るまで急な登りが続きエスケープルートはありありません。道もありませんので初心者だけで出かけないようお願いします。
・長池から蓬莱山への広い丘陵に関電巡視路以外道はありません。こちらも地形図やコンパス、またはGPSが必要となります。









 久し振りに比良に出かける。昨年から続けている2018年の豪雨や台風の影響調査、比良山系では登山者の多い登山道はもう整備されているようだ。京都北山の状況は大体わかったので、比良山系で登山者の少ないコースを歩いてみる。

 今日はシメン谷南尾根~P1080(森山岳)を経て蓬莱山へ向かい、山頂から金毘羅道で下ることにする。

 出町駅前朽木行きバス停、早く着いたので先頭に並ぶ。「今日は比良登山者は少ないな~」と思っていたが、バスは満員で出発する。満員だと乗降に時間がかかり「いやだな~!」と思っていると、あるバス停でどっと乗ってきて身動きができないほどの超満員になりウツラウツラの二人は目が覚める。

 木戸口で降りやっと解放される。バス停で準備してすぐに出発するが、前回より10分遅れている。バス停から南へ戻っていき橋を渡ると右へ下る分岐を見る。ここにカーブミラー、その先に国道下のトンネルを見る。この左手の斜面を巻いていくのがシメン谷南尾根への取り付きである。さっそく国道沿いに巻いていく作業道(最初はハッキリしない)を登っていく。

木戸口で降り シメン谷南尾根への取り付き
国道下のトンネルを見る 国道沿いに巻いていく作業道を
(最初はハッキリしない)

 巻いていく作業道を登っていくと、少し上ったところで溝状の古道を見るので、これを進んでいくが、落ち葉や打ち枝で埋まっているので歩きづらい場合は溝を外れる。

 左に折り返すと緩やかな植林地に変わり歩き良くなるが、溝状の道に倒木が増えてくるので倒木をよけながら抜けていく。でも周囲を見渡すが倒木は想像していたほどひどくなかった。

溝状の古道を見るので、これを進んでいく 倒木をよけながら抜けていく

 標高450mまで来ると「間伐展示林」の立派な案内板を見て、ここで道は分岐する。まっすぐ進むとニゴ谷へ、左に折れると支尾根を超えシメン谷へ、いずれも途中で消えていく。

 いつも支尾根に取り付いているのは、左の道を進み最初に出合った支尾根から登っていたが、その方面を見ると倒木が折り重なっているように見えたので、そこから登るのを諦める。今日はこの案内板から倒木をよけながら支尾根へ向かうことにする。

「間伐展示林」の立派な案内板を見て この案内板から倒木をよけながら

 登るにつれ倒木は少なくなるが、急斜面が続き歩きにくい。こんな時に役に立つのが獣道、登って行く獣道を見つけ、行き止まったら斜面の上のほうを見て獣道を探す。

 標高550mの少し緩くなった尾根に近づくと、右手の奥に雑木を見るようになる。この雑木の上が目標とするチェックポイント、標高600mで支尾根は植林から雑木に変わるポイントである。早く雑木に近づくと雑木の急斜面を上ることになるので、チェックポイントへ向かう古い小道を探す。

急な植林地をジグザグに登って行く 雑木が見えてきたので
チェックポイントへ向かう古い小道を探す

 植林地の中、「この踏み跡は獣道よりハッキリしている!」と哲郎、先へと登っている道子を呼び返す。その道は過去に歩いた道で、植林地の斜面を抜けると雑木の中を巻いていく。上にチェックポイント見えたところで、この先へと続いている古道から離れ支尾根へと登って行く。

 標高600mのチェックポイントで飲水休憩、「少し時間を要したが、今日のルートも有りだ!」と哲郎。小休止後支尾根に向かい急斜面を登って行く。

古道は雑木の斜面を巻いていく 標高600mのチェックポイントから
支尾根に向かい急斜面を登って行く

 ここからやっと目的のシメン谷南尾根に乗り、登り始める。次のチェックポイントは標高820mの小ピーク、そこまで200mの急斜面の登りが続く。「きつい!」と言いながら、各々自分の歩きたいところを選んでジグザグに登って行く。足元に咲くスミレから元気をもらいながら登って行くが足が進まない。

 こう言うときは足を止め、振り返って京都北山の姿を眺めながら小休止する。芽吹きの始まった木々や桜の花が見えるが、疲れた時はより綺麗に見えるようだ。

 何度も振り返っていると谷間にタムシバの白い花を見る。標高700m付近からモミの大木を見るようになると植林地は近い。植林地が再び現れると標高820m小ピークは近い。

振り返り皆子山を見る モミの大木を見る

 植林地の端を登って行くと谷間にタムシバの花が増えてきて「上のほうでは満開かもしれない!」と期待する。前方が明るくなると目的の標高820mの小ピークに着き小休止、哲郎は傍に咲くタムシバにカメラを向ける。

 小ピークから尾根は少し左によりアセビが密集する斜面に変わる。尾根は広がっているがアセビが邪魔をして歩きにくい。「綺麗!」と頭上に咲くタムシバの花を楽しみながら登って行く。

 タムシバの花が終わるころ、尾根は細くなり急こう配に変わる。しんどいところではあるが、次のチェックポイントは標高960mの長池から蓬莱山へ続く丘陵にある小池まで、あと標高差100m足らずなので頑張ることができる。

タムシバ花を楽しみながら タムシバの花が終わるころ
尾根は細くなり急こう配に変わる

 登り切った細い尾根、やれやれと思うがまたその先に急勾配の尾根を見る。もう丘陵まで最後の登りと思うが、なかなか足が進まない。尾根が緩やかになると丘陵が広がってきて一安心する。この尾根の登りは一直線の登りなので、坊村から御殿山への登りよりもきつい。

 とりあえずいつもの小池へ向かう。あしもとに芽吹いたバイケイソウの株は例年通りの大きさである。11時30分、前回よりも25分遅れているので、今日はここで昼食とする。

 おにぎりを食べていると「何やら話し声が聞こえる!」と道子、P1080方面からやってきたと思われる4人組が目の前を通り過ぎ長池方面へ消えていく。ここで登山者に出会うことは、珍しいことである。

最後の急こう配を登り始める 丘陵に乗りいつもの小池へ向かう

 20分の昼食休憩も終わり蓬莱山へと歩き始める。ここから小ピークをたどって歩くことになるが、まずはここから南へ進みP1040へ向かう。池傍のピークからぐるりと左へ巻く尾根を歩いていく。

 10分で着いたP1040、ここは平らなピークで見晴らしがよく、北の武奈ケ岳がくっきり見える。このP1040から東へ下ると、すぐに関電巡視路コースに出合うことができる。

小池からP1040へ向かう P1040から北に武奈ケ岳を見る

 次は南の目の前に見えるP1050、鞍部を登り返しすぐにピークに着く。ピーク付近は低木の雑木が群生してるが、難なく歩くことができる。ピークに立つと、これから向かうP1080(森山岳)が大きく見える。ピークからは南の支尾根をとり、ゆっくりと下っていく。

次は鞍部を登り返しP1050へ P1050からは南の支尾根を下る

 谷の源頭部に着くと少し登り始め、谷沿いに残雪を見るようになる。左手の斜面へ移動し、ここからはっきりとした道を登って行く。

 すぐに森山岳の尾根に乗り左にとるとP1080(森山岳)に着くP1050から15分、小池から30分である。P1080と言っても広々としているのでピークのような気がしない。

谷の源頭に挟まれた細い尾根を下っていくと
足元に緑の草が増えてきて心地よい。
残雪を見ながらP1080(森山岳)へ

 ここから先は南に蓬莱山が見えているので、その方向へ下ればよい。南の支尾根を下っていくとすぐにしっかりした作業道に出合う。しばらくこの道を下っていくが道は現れたり消えたりで要注意。鞍部まで来て道を横切って蓬莱山への尾根を登り始める。作業道は植林用なので注意しないと植林地へ降りてしまう。

南に蓬莱山が見えているので 作業道を下っていくが
道は現れたり消えたりで要注意

 登り始めると再び作業道を見てこれを歩く。でも作業道が消える手前で作業道から尾根の中央に乗る。あと蓬莱山へはこの尾根を南へ登って行くだけだ。

 心地よい雑木の尾根が続き、左手にリフトが大きく見えてくる。足元が笹に変わると蓬莱山は近い。でも以外に笹原が続き15分登って山頂に立つ、13時05分、前回より30分遅れたことになる。「遅れた!」と休むことなく金毘羅道下山口へ向かう。

笹原の雑木が切れると山頂リフトへ 山頂から金毘羅道下山口へ向かう

 金毘羅道下山口には「立ち入り禁止」でロープが張ってある。「ロープウェイ山麓駅への道やろ!」と進入していく。溝状の道は歩きにくく残雪でさらに歩きにくくなっている。残雪があるところは皆さん雪をよけ斜面を歩いているものだから、斜面の野草が痛んでいる。この付近はエンレイソウとショウジョウバカマ、高度が高いところではショウジョウバカマのピンクが濃い。

 溝状の道を抜け下り始めると、石がゴロゴロ、昨年よりさらに浸食され荒れていて歩きにくい。急坂の道は消えロープがあるが、使わず斜面を下っていく。

 やっとガレ場との分岐の矢印の書いた岩を過ぎると、登山道がガレ場に接する。前回は登山道を注意して歩いたが、登山道がさらに細くなっているので、登山道を1m下がった斜面を進んで金毘羅峠へ向かう。

立ち入り禁止は金毘羅峠から
ロープウェイ山麓駅への道やろと
石がゴロゴロ、いやだな~
ガレ場との分岐にある矢印の岩を過ぎ 今日は登山道を歩くのを止める

 金毘羅峠では、ロープウェイ山麓駅への道へ降りないようロープと張り紙を見る。峠から林道への道は荒れてきて歩きにくいが、もう危険なところはないのでゆっくり花を見て歩く哲郎、「遅れているので急ぐように」と道子。

 残念ながらイワカガミはまだ蕾、下っていけば咲いているだろうと期待するが、花は見られなかった。峠付近は斜面が崩れていて野草は少なくなっている。ニシキゴロモの花も少ない。

 下るにつれ足元のゴロゴロ石も減ってきて歩きやすくなる。最初はツボミだったカタクリもだんだん咲いてくる。カタクリの花は昨年より増えているようだ。

金毘羅峠からロープウェイ山麓駅へは
下れないようだ
ゴロゴロ石も減って歩きやすくなるが
イワカガミは咲いてはくれない

 毎年のように元気のいいバイケイソウを過ぎると、もうすぐ林道だ。足元の野草も増えてきて足が止まる。やっと林道に降り立つ、14時30分だ。前回より40分遅れていると、急ぎ足で下ることになる。林道と言ってもここはまだ標高700m、先が思いやられる。

 キブシの花が終わると林道は下り始める。嫌な急坂が続くが今日は我慢して下っていく。途中の水場でゆっくりの後始末はやめ、とにかく急ぎ足が続く。「もう足が痛い!」という頃、湖西道路が見えてくる。駅到着は15時30分ごろなので前回の15:26は無理で、次の15:43を目標に歩いていく。「アケビの花が面白い」と写真を撮っていると、急ぐようにと道子、もうユックリでいいのになぜが速足で歩く二人である。

ヤマエンゴサク カタクリ
ニシキゴロモ キブシ

 大通りに出ると15:26の電車が見えてくるが乗れない!、「やれやれ!」と15時30分に蓬莱駅に着く。林道出合いから駅まで前回より15分早く歩いてきたようだ。服を着替え後始末をして、ちょどやって来た電車で帰路に就く。







木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14-7】
美しいタムシバの花




連絡