京都北山 天狗杉から芹生峠
2019.06.13


旧花背峠から芹生峠への尾根を楽しむ


2019.06.13 (木) 晴れ   哲郎、道子

行き:出町柳 7:50 - 花背峠(京都バス)
帰り:貴船 14:21 - 叡電貴船口 = 出町柳


コース:
・花背峠バス停~天狗杉~旧花背峠~(芹生への林道)~南西尾根取付き(林道分岐)~林道終点~鉄塔尾根~芹生峠~奥貴船橋~貴船バス停

注意:
・旧花背峠から芹生峠へ続く尾根に道はありません。薄い踏み跡はありますがハッキリしていないので、地形図・コンパスまたはGPSでルートを確認が必要です。小ピークが続きコース選定が必要なので地形図の読図の練習になります。







 今週末は天候が崩れるようなので、晴れるという今日出かけることにする。予定は「花背峠から天狗杉を登り、旧花背峠から芹生峠までの尾根筋を楽しんで、最後は滝谷峠から二ノ瀬ユリを歩き叡電貴船口へ下る」である。

 花背峠でバスを降り、峠が下りかけたところにある天狗杉登山道へ向かう。入り口から斜面を巻いた道を進むと、谷筋を登って行く急な道に変わるが、幅1mもあるような登山道に変わっている。急坂なのでよく滑る。山の家のハイキングコースになっているのか、よく歩かれているようだ。

いつもの細い道から天狗杉取り付く 広い登山道に変わる

 尾根まで登ると、あとは尾根筋を進むのだが、すぐ目の前に倒木を見る。コースはまっすぐ西へ進むのだが、踏み跡は倒木を巻いているのでこれに従うとすぐにコースに戻ってくる。途中に倒木があるが問題なく歩くことができる。緩やかな尾根が終わると山頂へと登り始める。

 バス停から約30分で天狗杉の山頂に立つ。別ルートだが山頂から南東に下ると峠下までの支尾根を楽しむことができるが、最後は植林地なので倒木多く今は無理のようだ。

倒木は迂回する 天狗杉の山頂に立つ

 山頂から南西の斜面を下っていく。ここもハッキリした道が続いているが、こんなにハッキリしているのに数m間隔でテープが木に巻いてあり、気に入らない哲郎。ダラダラ下っていくと白く染まった木を見る。エゴノキが満開、サワフタギの大木も真っ白、この時期北山では、どこでも見られる風景だろう。

 白いふわふわした木は「アオダモかも」と道子、「幹に筋があるのでサワフタギや!」と哲郎。白い花が続いた後は右手に立派なフェンスが続く。高価そうなフェンスなので植林用ではないようだ。下っていくと「案内板がいくつもあり「チマキザサ再生プロジェクト」とある。

 そういえば、昔は百井集落の軒先に干してあったチマキザサをよく見たが、最近見かけなくなったので、どこの山もチマキザサは減ってきているようだ。

フェンスは
「チマキザサ再生プロジェクト」とある
白いエゴノキやサワフタギが満開

 植林地に出合うと、下に旧花背峠のお地蔵さんの小屋が見えてくる。この付近はいつも泥んこ道だが、今日は乾いていて難なく旧花背峠に降り立つ。花背峠バス停から60分である。

 次の目標は芹生峠への尾根筋、その分岐まで芹生への道を歩き始める。新しくできた寺山峠への林道入り口に軽トラが止まっていて、ちょうど車止めを閉めた親父さんに出会ったものだから、お喋りをすることになる。話題は当然のように昨年の台風被害、芹生峠から貴船へ下る道も花背とうげ道のようにひどかったようだが、もう通れるということでした。

植林地に出合うと
旧花背峠のお地蔵小屋が見えてくる
旧花背峠に降り立つ

 話を切り上げ目的の分岐へと進んでいく。途中で出合う林道入り口に「私有地・立ち入り禁止」の看板を見て「尾根筋の林道は入れないかも」と心配する・

 旧花背峠からほぼ水平に500m西へ進むと目的の尾根分岐に着く。地形図によると、ここは右京区と左京区の境界になっていて、これから歩く尾根筋に境界が続いている。

 左に下っていく林道には「立ち入り禁止」の看板があるが、目の前の尾根に沿う道には看板はない。「この道は林道ではなく、関電が鉄塔建設用に造ったのかもしれない」と哲郎。目の前に尾根のとりつきがあるが、このコースは初めてなので、まずはこの林道がどこまで続いているか確かめることにする。「尾根から大きく離れていくようだったら林道から尾根に取付こう!」と哲郎、さっそくゲートを抜け林道を歩き始める。

目的の尾根分岐に着く 今日は林道調査のため
ゲートを抜け林道を歩き始める

 林道は尾根の左側すぐ下に続いている。ほぼ平行で尾根から逃げていくような感じはない。道は予想以上に続いているので「どこで尾根に乗ろうか?」と考えながら歩いていく。林道が西へ向くと遠くに送電線が見えてきて、地形図で確認する哲郎。そのうち木の間から鉄塔が見えてくる。目的の尾根筋に鉄塔ピークがあるようだ。

 ・742の鞍部付近で関電の侵入ポイントマークを見る。ここから尾根へ進むかと考えたが、やはりこの道が気になるので、もう少し進むことにする。送電線の下付近で、もう一つの関電の進入マークを見る。ここも我慢してして先へ進むと、すぐ先で林道は終わる。

 やはりこの道は林道ではなく関電用に造られたような気がする。この先は急斜面なので進むのを止め、ここから斜面を登って鉄塔ピークへと登って行く。

木の間から鉄塔が見えてくる 林道終点に着く

 すぐにピークに着くと、目の前に大きな送電線用鉄塔を見る「わ~、大きい!」となぜか大きく見える。地形図では次のピークは南、小休止しながら次のピークへの下降点を探す。南側に尾根筋を見つけ、さっそく下っていく。。

 すぐの鞍部、登り返すとすぐに次のピークに立つ。小さなピーク、すぐに下って次のピークへ、アップダウンは標高差10~30m程度で苦にならない。鞍部の右手は何処も灰屋川支流の源頭で心地よい草原を見る。次のピークに立つとちょっと北へ進み、鞍部から780mのピークに立つ。

 780mピークの尾根は北に800m以上続いているので、北へ迷い込まないよう注意する。歩いている尾根筋の北側の尾根や谷筋は灰屋川沿いの林道に突き当たるので迷うことはないが、尾根の先端は崖状になっているところもあるので、最後は谷筋へ下ると良い。でも夏場はヒル注意!

目の前に大きな送電線用鉄塔を見る 鞍部の右手は何処も灰屋川支流の源頭で
心地よい草原を見る

 780mピークから南への鞍部へ下り次のピークへと・・・、地形図を見てもジグザグに進む尾根は複雑に見えるが、薄い踏み跡があるのでこれをたどっていく。鞍部の北側に草原が広がると「一度歩いてみたいな~」と思ってしまうが、きっと植林が続きヒルのお世話になるかもしれない。

 西への細長い尾根の端から今度は南に折れ次のピークへと・・・、ピークから次のピークへの鞍部を探しながら進んでいく。そのうち南側に植林を見るようになり、P766付近から濃い踏み跡も見るので、「もう芹生峠は近い!」と、哲郎は地形図をしまう。

尾根には薄い踏み跡があるので
これをたどっていく
ここの鞍部では倒木を見るが問題ない

 最後は次のピークに登らずに南西の支尾根をゆっくりと下っていく。足元に一升瓶がたくさん転がっていて「こんなところで宴会はないだろうに、薬液でも入っていたのだろうか?」と哲郎、京都北山ではよく見かけることである。

 植林地の中、踏み跡はハッキリした作業道に変わる。もう芹生峠は目の前、どこからでも下れそうだが、しっかりした作業道を下っていく。植林の細い尾根が西に続くと芹生峠の真上に突き当たる。道はその手前で北へと下っていき、舗装道に降り立つ。

植林地の支尾根を下っていく 足元に一升瓶がたくさん転がっていて
踏み跡はハッキリした作業道に変わる 舗装道に降り立つ

 ここは峠北、東側に最初の谷筋で「(361)E361A420起点」の標識が立っている。今日歩いてきたルートは雑木が続き心地良い尾根であったが、ピークで直角に曲がるところが数か所あるので、注意しないと北の尾根へ迷い込むかもしれない、地形図とコンパスで読図を楽しみながら進むと良い。

 芹生峠の登山口で昼食とする。今日の目的は達成したのでゆっくりとおにぎりを食べる。目の前を車が通り過ぎていくので、貴船から芹生への道は開通しているのが分かる。

 まだ早い時間だが、「今日は早く帰りたい!」と道子、暑いこともあり、滝谷峠から二ノ瀬ユリを歩くことを諦め、この車道を貴船に下ることにする。昨年は雪が少なく雲取山のスノーハイクでここに下ることもなかったので、昨年の台風以後この車道を歩いていないことになる。

降り立ったところの道路標識 芹生峠の登山口で昼食とする

 貴船へ下り始める。下るにつれ倒木が増えてきて、花背峠道のように倒れている。この道は細く谷間も狭いので復旧作業に時間を要したのだろう。道のすぐ上の植林地には大きな丸太が転がっていて、大雨が降ると、すぐに道は塞がれ、谷も塞がれ、大きな災害にならなければよいがと思ってしまう。

 アソガ谷分岐に着き、アソガ谷林道を覗くと倒木が続いているので、歩けるかどうかはわからない。少し下ると奥貴船橋、ここまで来ると貴船は近い。

 アスファルト道の下りが続き足の裏が痛くなる哲郎、「ソール、もう張り替えなくては!」と道子。奥の院の駐車スペースは満車、平日なのに!歩くにつれ観光客も増えて、狭い道に相変わらず大きな車がゾロゾロ、道端の斜面の満開のユキノシタを見ながらバス停へ向かう。

倒木で明るくなった林道 満開のユキノシタを見ながらバス停へ向かう

 バス停に着く、歩いてもいい距離なのだが足の裏が痛いとバスに乗る。平日なのに超満員、「歩いたほうがましや!」と思うが数分だから我慢する。

 叡電貴船口からキララ号に乗る。当然のように満員になるが、二人を見た若い外人さんが席を譲ってくれる。「二人はそんなにヨレヨレに見えたのかな~」と。






主は季節のために月を造られました。
太陽はその沈む所を知っています。


詩篇 【 104:19 】
ヤマゴボウ


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