廃村八丁 2020.04.04
(品谷山~トラゴシ峠)


 
廃村八丁で昼食とする
静寂が漂う土蔵跡広場


2020.04.04 (土) 晴れ   小てつさん、哲、道

交通:佐々里峠まで車利用

コース:
・佐々里峠~ダンノ分岐~P866~品谷山~品谷峠~P827手前のピーク~P776~トラゴシ峠~廃村八丁炭焼き小屋跡広場~廃村八丁土蔵跡広場~四郎五郎谷/刑部谷分岐で左の四郎五郎谷~・636の谷分岐を右~四郎五郎峠~刑部滝上の河原~ダンノ峠~ダンノ分岐~佐々里峠


注意:
◆廃村八丁周辺の道は何度も渡渉しますので足元はしっかりしてください。水量が多い時は歩けません。夏場はヤマヒルが多いのでヒル避け対策してください。







 今日は小てつさんのお誘いで広河原方面へ出かける。廃村八丁へ出かけイワウチワやタムシバ鑑賞を楽しむことにする。と言っても咲いているかどうかは分からないが。佐々里峠の駐車スペースには1台止まっている。ゆっくりと準備し、品谷山への西の尾根へ登っていく。

 足元にはたくさんのミヤマカタバミが迎えてくれるが、まだ十分開いてくれない。尾根に乗るとすぐに通信施設出合い、しばらくなだらかな植林地の中を進んで行く。

 15分も歩くと足元に低木の杉が邪魔をし歩きにくくなるが、道はハッキリしている。細い尾根に変わり左右が開けてくると足元にイワウチワの花を見るようになるが、これらもまだまだ開いてはくれず「帰りにはきっと綺麗だろう!」と。

佐々里峠から品谷山への尾根の
取付きに咲くミヤマカタバミ
すぐに通信施設に出合う

 イワカガミの急斜面を登るとダンノ分岐のピークに着く。佐々里峠から40分とユックリだが、今日はバスではないのでゆっくりでいいのだ。車利用はユックリ野草観察できるのが良い。ここまで歩いてきた尾根は分水嶺で、分水嶺はここからダンノ峠へと向かう。

 このピークにはシハイスミレ、マメザクラ、ヒサカキの花を見る。ピンクのヒサカキの花は初めてである。小休止後品谷山へと歩きはじめるが、もう植林は終わり冬枯れの雑木が続く。先頭を歩く小てつさんは左右の谷や遠くの山々にタムシバの白を探しながら歩くが見当たらないようだ。

マメザクラがきれい 初めて見るピンクのヒサカキの花

 P866を過ぎると風化木、この木はなかなか枯れずに頑張っている。このピークから南のヤセ尾根を下ると四郎五郎峠に出るが、今日はまっすぐ品谷山へ向かう。しばらく細い尾根が続き足元のイワウチワも少し開いてくる。ブナの大木を過ぎると尾根も広がってくる。

大木を過ぎると尾根も広がってくる イワウチワも少し開いてくる

 ダンノ分岐から30分で品谷山に着く。特に見るべきものもなく、お昼にも早いのですぐに品谷峠へと下っていく。雑木の細い尾根にはイワウチワが続き、10時なのでやっと綺麗に咲きそろってくる。

 この尾根では昔からたくさんのイワウチワを楽しむことができるが、その数は半減してきている。イワウチワが終わると、倒木が続く。倒木と言っても歩けないことはなく、いい運動だと思えば良いのだが、でもないほうが心地よいか!

品谷山で一呼吸 品谷峠へと下っていく
イワウチワを楽しむことができる 倒木はいい運動だ?

 倒木帯を過ぎると品谷峠に着く。スモモ谷から廃村八丁へは左の谷筋を下っていく。我々は「イワウチワは鑑賞できたがタムシバはまだだ」と峠からトラゴシ峠へ向かう。

 左手に植林を見ながら登っていく。なだらかな尾根を西へ進んで行くと、すぐにP827手前のピークに着く。トラゴシ峠へはこの分岐で左(南)にとる。

品谷峠に着く すぐにP827手前のピークに着く

 ユックリ下っていく尾根は疎林が続き見栄えはしないが北山らしくてよい。そのうち足元に低木の馬酔木が密集してきて踏み跡もなくなるが、細い尾根なので迷うことはない。「咲いている!」と小てつさん、やっと白い花を見ることができたが、遠くにぽつぽつと咲いているタムシバでは楽しむことはできない。今日はタムシバ鑑賞には早かったようである。

馬酔木が密集する疎林の尾根 タムシバの花は諦めることになる

 P776を過ぎると緩やかに下っていき、P776から10分、品谷峠から40分でトラゴシ峠に着く。植林地の中、峠らしからぬ峠だが木の上に小さな標識を見る。廃村八丁へは左手の折り返していく細い道を下っていく。

トラゴシ峠 ピークハンターさんの標識

 道はすぐに急斜面の横道に変わるが、道がほとんどなくなっていて「この道、ほぼ斜面や!」と小てつさん。横道が支尾根に突き当たると支尾根を下っていく。

 薄い踏み跡を下っていくと大きな倒木の根っこで道は消える。支尾根を下っても道がないようだ。倒木の下に谷へと下っていく道を見つけやれやれ。植林の中ジグザグに下っていくと谷に降り立つ。

「この道、ほぼ斜面や!」と 支尾根を下っていく
下っていく道を見つけやれやれ 谷に降り立つ

 小さな谷は八丁川に注ぎ、我々は八丁川を渡渉することになる。浅い所を見つけ渡るのだが、いい所がないので素早く飛ぶように渡っていく。目の前には広場があり、12時前なので「ここで昼食?」と思ったが、広場にまだ花が咲いていないので土蔵跡広場へ向かうことにする。再び川を渡り植林の中の廃村の面影が残る石垣の横を歩いていく。

八丁川を渡る 石垣の横を歩いていく

 再び八丁川に出合うと土蔵跡広場の四角錐の建造物が見えてくる。渡渉の前に手前の地蔵様の周りに咲く花を観察するが、イワナシの花はこれからでショウジョウバカマだけがきれいに咲いている。今年は暖冬だったが、ここの花は例年通りのようである。

 ここの渡渉はいつも苦労する。哲郎はちょっと上流へ進みジャンプ!。渡渉を終えると昼食、横たわった木に腰をかけ昼食とする。すぐそばで3人組さんも昼食中、彼らは佐々里峠からスモモ谷を下ってきたそうで、我々より早く着いたようだ。

ショウジョウバカマだけがきれいに 土蔵跡広場の四角錐の建造物が見えてくる

 一人の女性がやってきて「ニリンソウ咲いていますか?」と尋ねてくる。こんな時は小てつさん、飛び出していき色々と説明する。哲郎は広場に群生しているニリンソウの観察に行き確認するが、ツボミもまだまだで花はこれからのようだ。

 今日は風もなく昼食も心地よい。小てつさんが作ってくれたスープを頂きながらオニギリを美味しく食べる。この広場で30分、ゆっくりの昼食も終わり出発する。帰りは刑部谷を止め四郎五郎峠へ向かう。

 今年は雪が少なく八丁川の水量も多くなくて助かる。昔は5月連休まで残雪を見たが、温暖化なのだろう雪は少なくなってきた。四郎五郎谷と刑部谷分岐に着く。ここにはまだバイカオウレンが咲いていてこれを楽しむ。

植林地に多いミヤマカタバミ バイカオウレン

 谷分岐を左にとり四郎五郎峠へ向かう。この四郎五郎谷は何度も渡渉を繰り返すため、足元がしっかりしていないと進めない。周囲は手入れの行き届いていない植林が続き見るべきものはあまりないが、何度も渡渉するので飽きない道である。と言っても谷沿いを歩くだけで道はない。

 標高636の分岐を右に取り、すぐのところで谷を渡ると四郎五郎峠への道が現れてくる。ここから標高差80mくらいジグザグに登っていく。

四郎五郎谷は何度も渡渉を繰り返す 谷を渡ると四郎五郎峠への道が

 13分登って四郎五郎峠に着く。ここから左手の支尾根を登っていくと早く佐々里峠へ行くことができるが、当然のように峠を下り刑部滝上の河原の雑木を楽しむことにする。その河原の風景は哲郎の好きな風景の一つで、小てつさんも良くご存じで、三人は峠を下っていく。

 谷を渡り広い河原を歩きはじめる。右手に白い花が並んでいても良いところだが、ここもまだまだでツボミも膨らんでいないようだ。

 この時期この広い河原に咲く花はキブシとマメザクラとエンレイソウぐらいである。その花を楽しみながらダンノ峠へ向かう。

河原の冬枯れの雑木を楽しむ エンレイソウ
キブシ キンキマメザクラ

 ダンノ峠に着く。真っすぐ下っていけば菅原バス停へ、我々は左手(北)の斜面を登って佐々里峠へ向かう。標高差70m登ると尾根に乗り西に向いて登っていく。雑木の綺麗な道が続き30分も登ればダンノ分岐の尾根と合流する。

ダンノ峠から北の斜面を登っていく ダンノ峠から雑木の綺麗な道が続き

 ダンノ分岐から急斜面を下って行くと、朝つぼんでいたイワウチワは元気よく開いている。斜面を降り立つと、後は緩やかな尾根を佐々里峠へ向かう。

 帰りに庄兵衛さんによりコーヒータイム。後は京都まで、小てつさんの計らいで上桂川沿いの桜を楽しみながらゆっくりと進んで行く。最後は西明寺の満開のつつじ、もうここまでくると春爛漫である。花街道まで遠回りして頂き、小てつさんありがとうございました。






地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。


雅歌 【 2-12 】
春です、西明寺のツツジ


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