鴨瀬芦谷山 八丁大道から足谷林道 //京都北山
2020.11.12


 
鴨瀬芦谷山から西尾根を下る


2020.11.12(木) 曇り時々晴れ   哲、道

行き:京都駅 6:45 - 周山8:08 - 千谷口バス停
帰り:千谷口バス停 15:05(木曜便) - 周山15:40 - 京都駅

コース:
・千谷口バス停~カモノセキャビンから八丁林道~地形図・395付近の八丁大道取付き~古道探索~取付き右の急斜面を登る~P575付近尾根~・550鞍部で古道出合~林道支線出合~広域林道出合~鴨瀬芦谷山(シライシ)~鴨瀬芦谷山西尾根~P748手前鞍部で広域林道へ~林道峠~足谷林道下山口~R162足谷口~カモノセキャビン~千谷口バス停

注意:
◆八丁大道は鴨瀬芦谷山の南尾根にあります。地形図に記載された八丁大道への破線の道は現在見当たりません、また最初から古道がここにあったかどうかも分かりません。鴨瀬芦谷山南尾根を登っていくと、・550鞍部で八丁林道からの古道に出合い尾根に凹状の古道が広域林道付近まで続いています。







 鴨瀬芦谷山へ出かける。予定は千谷口バス停からカモノセキャビン前の八丁林道へ入り、地形図に記されている鴨瀬芦谷山南尾根への古道を探索し山頂へ向かう。下山はソトバ山からソトバ峠への紅葉を楽しみ小塩へ下るである。

 今日は木曜日、小塩バス停から15:06(木曜限定便)を目標とする。

 JRバス、京都駅からの始発便が周山に着くと、千谷口へ向かうバスに乗り換えるが、どこ行きへ乗ったらいいのか分からなくてウロウロの二人、職員さんに聞き「上川」行きに乗るとバスはすぐに発車する。何度も乗っている哲郎だが、久し振りなので「千谷口」が終点なのに「上川」の表示ではウロウロも仕方ない。

 朝早いバスは周山街道(国道)から支線へ入っていく。京北病院バス停で北桑田高校へ通学する学生たちがぞろぞろ降りていく。この路線は学校や病院、ゼミナールハウス利用者用に時刻表が組んであるみたい。

 バスは集落の中を通り抜けていくが、周山の町は予想以上に街道に民家が続く。周山から約25分で終点の千谷口バス停に着く。最後の民家を過ぎると国道にでて、バス停から5~6分でカモノセキャビンのお店が見えてくる。

千谷口バス停 カモノセキャビンのお店が見えてくる

 ここに国道から東へ入る道を見る。入り口付近で店の店主が巻き割りをしているようだ、朝早くからご苦労さんです。早速林道を歩きはじめる。

 林道は鴨瀬谷に沿っていて、10分余り歩くと立派な水道施設に出合う。さらに10分余り歩くと古い水道施設に出合う。この先の谷分岐で右を取ると、哲郎は地形図を見ながら進むことになる。標高395m付近で、ここから最初に出合う右手の谷筋が目的の古道取付きである。

林道へ進入する 立派な水道施設に出合う

 それらしい谷筋に出合うと「わ~」と言うほどその谷筋は荒れていて、さらに目的の右手の斜面はネットで覆われている。左手の斜面は急勾配でシンドそう。「とりあえず谷を進んでみるか!」と、谷横を歩きはじめる。

 谷横は枯れたミカエリソウや倒木が続き歩きにくい。そのうちイバラが現れてきて倒木をよける時はハサミでカットしながら進んで行く。

「とりあえず谷を進んでみるか!」と 谷横は枯草や倒木が続き歩きにくい

 先ほどから右手の斜面のネットの切れ目を探しながら歩く哲郎だが切れ目は見当たらないので谷を進むことにする。「谷横が無理だ!」と、今度は谷の中を歩いていく。ここも倒木があるが進むことができる。

 谷口から20分歩いたところで、前方に2~3mの細い滝を見る。左右の斜面は切り立っているので簡単には巻いていけない。もうこの地点で目的の古道から大きく外れ、滝を越えた谷上の右手の斜面は急勾配の岩場となっているので、ここで谷の進行を諦める。

谷の中を何とか進むが 細い滝に突き当たる

 ここから左手の斜面は勾配がきついので登れない。とりあえずこの谷口まで戻ることにするが、イバラの道が嫌なので左手の滝手前の斜面をよじ登って急斜面を巻いて谷口付近の斜面上まで戻ることにする。

 八丁林道へ降りて次の谷間にある古道取付きへ向かうか(昔読んだ本の記憶では、自転車置き場跡から古道を登っていくそうな)、このままこの急斜面を登っていくか思案する哲郎。下の林道を見る哲郎「林道へ降りるのも大変だ!」と、結局この斜面を登っていくことにする。

 「あ!テープや!」と道子、こんな急斜面にテープを見て「こんな斜面を登る物好きがいるもんや!」と、他人事のように言う。勾配が緩やかになると周囲の雑木を楽しみながら登っていくが、足のふくろはぎが(道子がふくらはぎや!という。ふくらはぎが正解)なにやらピリピリする哲郎、滝横の登りがよほどきつかったのか、痙攣しなければよいがと心配する。

結局この斜面を登っていくことにする 周囲の雑木を楽しみながら登っていく

 斜面を30分登るとP575から鴨瀬芦谷山へ向かう尾根に出合う。「やれやれ」と尾根を北へ進んで行く。尾根に古道のような踏み跡はないが、邪魔をする木も少ないので雑木の尾根を心地よく進んで行く。

鴨瀬芦谷山へ向かう尾根に出合う 雑木の尾根を心地よく進んで行く

 左右の谷の紅葉も鮮やかになり、これを楽しみながら進んで行くと尾根の右手が植林に変わる。「植林が続くと面白くなくなるが」と思っていると、標高550m付近の鞍部で左下から登ってきた掘りこまれた道に出合う。

 「これが八丁大道か!」と哲郎。予想以上にはっきりした溝状の道にびっくり。ここからはこの溝に沿って歩くことにする。

雑木の尾根を心地よく進んで行く 左下から登ってきた溝状の道に出合う

 植林はすぐに終わり雑木の中を進んで行く。溝の中が歩けることろは溝を歩いていくが、倒木があるので何度も迂回することになる。古道が消えても狭い尾根、いつの間にか古道に出合う。左右の紅葉はさらに美しくなり、足の痛みも消えた哲郎は心地よく登っていく。

紅葉を楽しみながら登っていく

 広域林道が近づいてくると登りも緩やかになる。ユズリハの群生を通り抜けると、目の前が明るくなり林道支線へ登っていく。

 この短い林道は何のために作られたのだろうか、周囲に植林地がないので広域林道の副産物だろうか。その林道支線を広域林道へ向かう。目の前にはこれから登る予定の鴨瀬芦谷山が見える。

広域林道が近づいてくると登りも緩やかに 登りも終わり林道支線を歩く
林道支線を進み広域林道に出合う

 広域林道に出合い林道支線のゲートを抜ける。「さてどこから?」と鴨瀬芦谷山へのとりつきを検討する。前回ソトバ山から来た時はコシキ峠から尾根にとりついて鴨瀬芦谷山に登り西尾根を下ったが、いずれもこの地点から遠い。地形図によると鴨瀬芦谷山直下に破線を見るのでこの道を探すため、広域林道を右に進んで行く。

 少し下ったところのカーブ地点に古い標識とそこから斜面を登っていく細い踏み跡を見る。標識には消えかかってはいるが「砥山」とある。ここから山頂までは急斜面で無理なので、道を進み尾根筋に出合ったところから山頂へ向かうことにする。

古い標識を見る 斜面に細い道を見るが少々危なっかしい

 危なっかしい道をユックリ登っていくと木立の中へ入り道もしっかりしてくる。尾根筋に出合ったところから、尾根を適当に登っていく。山頂手前の小ピークから尾根の右(北)側が崩れているので、尾根の左側を進むとすぐに鴨瀬芦谷山に着く。

 11時40分、予定より50分遅れている。ここから広域林道を歩いてソトバ峠へ向かうか、小塩のバスを1本遅らせばレカバーできるが、今日はもう十分紅葉を楽しむことができたので、ここで昼食を取り千谷口バスへ引き返すことにする。

鴨瀬芦谷山に着く 鴨瀬芦谷山西尾根を下る

 20分の昼食休憩後に支尾根を下っていく。下山コースは過去に歩いているのでもう安心、ゆっくりでいいのだ。と言っても最短コースで下山するのでバスまで1時間待つことになるようだ。

 西尾根が広域林道に接するのは、次のP748との鞍部である。もうすべてがユックリでいいので紅葉を楽しみながら下っていき広域林道に降り立つ。

西尾根から広域林道へ降り立つ 広域林道から鴨瀬芦谷山西尾根の取付き

 林道を西へ下っていき足谷林道下山口へ向かう。つまらない林道歩きと思っていたら、この林道や林道から見る谷間に紅葉を見る。

 30分歩いて林道峠に着く。左へ八丁林道を下ってもよいが、八丁林道は2カ所大きく南北へ斜面を巻いていき、時間がかかりそうなのでまだ歩いたことがない。でもユックリ下っていくので歩き良いかもしれない。

 峠から足谷林道へ向かうゲートに通行止めとあるが、「どこだろ!」と思いつつも進んで行く。

林道の紅葉も素晴らしい 林道峠から足谷林道へ向かう

 数分歩いて足谷林道下山口に着く。早速左をとり足谷林道を下っていく。500m下ると大きく右に折れ谷筋へと下っていく。少々きつい所もあるが下りでは全く問題ない。足谷に出合うと後は谷沿いをユックリ下っていく。

分岐から足谷林道を下る 足谷沿いをユックリ下っていく

 60分下って国道162号線の足谷口に着き、ここで後始末をする。ここからバス停までは15分、バス停で1時間近く待つのは嫌なのでカモノセキャビンに寄ることにする。

林道に咲くニシキゴロモを見る 国道の足谷口に着く

 カモノセキャビンに着くと数人でお店を掃除中、マスターにお話を伺うと「木金は定休日です!」と、でも時間待ちに困る我々を察して「コーヒーやケーキぐらいなら準備できます」と親切にも向かい入れてくれる。

 コーヒー(道子は紅茶)とケーキを頂きながらマスターとの会話が進む。広河原と同じように準備不足の登山者の遭難事故、雪山遭難事故での対応・・・、お店は山に一番近いので、ここに捜索本部が設置される・・・と迷惑な話である。

 現在は営業中の看板は外し、常連さんだけを受け入れているそうだが、我々にも「またどうぞ!」と言ってくれる。

 「もう、こんな時間!」と、バス発車10分前に店を出ることにする。カモノセキャビンさんありがとうございました。





 ■洛西オヤジ殿ではないが、帰ってから昔読んだ本を読みなおす。

 1.北山百山/北山クラブ/ナカニシヤ出版

 昭和61(1986)年9月21日・・・シライシ(鴨瀬谷山)のレポート:八丁大道のとりつきは、八丁林道の自転車置き場跡とあり、P575北の鞍部へと登っている⇒(地形図の破線ではない)。


 2.京都丹波の山(下)/内田嘉弘/ナカニシヤ出版。

 1994.7.9・・・鴨瀬芦谷山のレポート:地形図「上弓削」や昭文社エリアマップ「京都北山2」の破線の取付きの小谷は「小越木」の立て札があり、登り口を探したが見つからず、八丁林道を進み次の谷にある自転車置き場跡へ向かうと、はっきりした山道がある。⇒(1994年には、はっきりした八丁大道の古道があったようだが、地形図の破線ではない)(今から25年前には、すでにP575南へ登る地形図の破線の古道はなかったようである)。







あなたは地のすべての境を定め、
夏と冬とを造られました。


詩篇 【 74:17 】
鴨瀬谷に咲くオタカラコウ


連絡