桑谷山(西尾根から桑谷林道)
2021.04.10


 
桑谷山西尾根を歩く
倒木がなければ心地よい尾根だったが


2021.04.10(土) 晴れ   哲、道

行き:出町柳駅前 7:50 - 能見口
帰り:大悲山口 14:35 - 北大路駅前

コース:
・能見口バス停~長戸谷口~桑谷山西尾根~P804~△桑谷山~桑谷山東峰~鉄塔1(・813)~鉄塔2~西の尾根へ~桑谷林道登山口~桑谷口~大悲山口バス停

案内:
◆桑谷山西尾根に道はありません。倒木や軽いヤブ漕ぎが続きます、初心者危険コースです。







 春の花、イワウチワ鑑賞に出かけるが、品谷山や倉谷林道付近の開花は報告されていたので、「たしか桑谷山頂付近に群生があったな~」と桑谷山に出かけてみる。

 出町柳駅バス停、広河原行きに長い列、その列はどんどん伸びていく。若い学生さんみたいと思っていると、引率の先生みたいな方がやってきて「okaokaさんですね!」と。

 「え~」と哲郎、山でお会いしたことやikomochiさんに道を教えていただいたとの説明、道子は見覚えがあると言うが、哲郎は??。最近メールを頂いていた○○高校登山部顧問の先生であった、失礼しました。

 今日は鞍馬から寂光院道を下るルートが国体コースなので、その訓練だそうです。何でバスでと思ってしまうが、叡山電車がまだ復旧していないからでしょう。超満員になるが臨時便を出さない京都バス、コロナ感染拡大中に出してほしい所であるが、こちらも不要不急の乗客、文句は言えない。

 鞍馬を過ぎるといつものバス、登山者は少ないようである。花背集落に入ると山間の谷間の集落に満開の桜が続き、朝から心地よい。能見口で降り能見川沿いの道を能見方面へ進み、長戸谷口へ向かう。

 道横の崖に咲くスミレ、ヤマエンゴサク、ショウジョウバカマ、ボタンネコノメソウ、・・・こんなに高い所にと感心する。花を見ながらブラブラ歩いていると長戸谷口への橋に着く。

能見口バス停から東へ、長戸谷口へ向かう 切り立った崖に咲くスミレ
長戸谷口への橋に着く

 橋を渡ると、そこが桑谷西尾根への取付き、足元にヒルはいないようなので、そこで準備し早速急斜面を登っていく。最初は薄い踏み跡を辿りネット付近まで右へと進んで行く。

早速急斜面を登っていく 最初は薄い踏み跡を辿り右へ

 ネットが見えてきたら登りやすい所を探しながらジグザグに登っていく。最初の標高差100mは勾配がきつい。ネットの外側(左側)を登っていくが、歩きにくい所はネットの中を歩かせてもらう。もうネットは古く役に立っていないようで、所々倒れているので通り抜けできる。

 ネットの外側はすぐに植林から雑木に変わる。ネットの内側を歩いても勾配はきつく歩きやすい事はない。勾配がゆるくなると明るくなり歩きやすくなる。

ネットの外側は植林から雑木に変わる 勾配が緩くなると明るくなる

 時々、雑木の藪に出合う。昔は無理やり進んでいたが、ここはネット内を進み藪が終わればネット外に出る。

 上が開けたと見上げればタムシバを見る。道子が足元にギンリョウソウを見つける。まだ子供であるが、今年は成長が早いようだ。

見上げればタムシバ 足元にはギンリョウソウ

 10時45分、今日は取付きから45分で西尾根に乗る。いつものように、いつもの木が迎えてくれる。ここまでくると一安心、ここから山頂までは「シンドイ!」と言う登りはない。西尾根と言っても最初は北へと細い尾根を進んで行く。

西尾根に乗る 細い尾根を進んで行く

 5~6分歩けば目の前に倒木を見るようになる。2018年の台風によるものだが、植林地の倒木は処理されていくが、こんな支尾根の倒木はほったらかし、迂回に時間がかかってしまう。倒木が過ぎれば濃いヤブ、これも迂回するが、迂回を失敗すれば大きなロスとなるので要注意。

倒木が始まる 藪の迂回は最短で

 倒木を何度も抜けると尾根は東に向き、尾根が広がってきて歩きやすくなる。ここから迂回するような藪はなくなり倒木に苦労することも少なくなる。もう11時を回っていて山頂迄1/3しか進んでいない、「12時までに山頂へ着くやろか?」と心配する。

 勾配が緩やかになり、倒木も減ってくると尾根の左右のタムシバが目に入るようになる。

尾根が東へ向きを替えると
尾根も広がってくる
倒木が無くなると心地よい西尾根となる

 標高800m付近は低木の藪が始まる。この付近からアスナロの低木も混じってくる。藪は年々濃くなって来ているようだが、緩やかな登りなので難なく歩くことができる。

 藪を抜けると倒木が続くが、この付近は難なく歩くことができる。でもこの付近は西尾根で一番心地よい所であったが残念な事である。

標高800m付近の藪漕ぎは
難なく進める
綺麗だった尾根も倒木で残念

 一登りし標高850mを過ぎると緩やかな尾根が続き、左右の山々が見えるようになる。それにタムシバが増えてきて心地よく歩くことができる。

 そろそろイワウチワの群生があっても良いのだが、と足元を見ながら歩くようになる。最後の登りの手前でイワウチワの群生を見るが、花も蕾も少なく、花はこれからと言う感じで残念。

今日はタムシバが一杯 イワウチワはこれから

 最後の山頂への登り、5分低木の軽い藪漕いで桑谷山山頂(西峰)に立つ。12時08分、予定より20分遅れているが、倒木がある限り「こんなものだろう」と思ってしまう。山頂でユックリしていると「予定の大悲山口14時35分のバスに間に合わないかも」と昼食は後回し東峰へ向かうことにする。

山頂へは軽いヤブを漕いで 山頂に着くがすぐに東峰へ向かう

 西峰から東方への道が、これまた荒れ放題。倒木は少ないが足元の杉やアスナロが伸びてきて登山道は隠れてしまった。最近桑谷山に登っても三角点のある山頂(西峰)まで来る人は少なくなったのかも知れない。

 東峰は前方に見えているが、一旦鞍部に下り登り返すことになる。登山道を下っていくとすぐに藪の中へ入っていく。この藪が腰までなら問題なく進めるが肩まで伸びた藪をかき分けるには、この登山道を歩いた経験がなければ時間がかかってしまうだろう。

 この道の左手には古いネットが続いていて、よく見えないので足を絡ませないよう要注意。東峰までの半ばを過ぎるころから、やっと背の高い藪はおさまり歩き良くなる。

肩まで伸びた藪は足元注意 ネットに足を絡ませないよう要注意

 12時30分、西峰から20分で東峰に着く。ここから桑谷へ下る登山口の傍に「奥山保全トラスト」の看板がある。東峰から大悲山口バス停までは90分なので14時台のバスには間に合いそうである。でも余裕がないので昼食は登山口の林道に降りてからにする。

 ここで5分間小休止、ケーキを口にする。ここから急斜面が続くので靴の紐を結びなおしてから出発する。細い急な支尾根、ここのイワウチワは綺麗に咲いているがユックリ観察する暇はない。

東峰への最後ののぼり 東峰にある「奥山保全トラスト」の看板

 東峰から15分で鉄塔①に着く。急いできたのかいつもより10分早い。前方の鉄塔下の植林は伐採され、大悲山から片波山へと続く送電線が良く見える。

 さらに5分下って次の鉄塔②に着く。このまま尾根を辿っていく道もあるようだが、いつものように右手の谷間を越え、一つ西の尾根に乗り換える。鉄塔手前で谷間へ下る道をとる。

東峰南尾根にある鉄塔① 鉄塔②の手前から西の谷間に下る

 ハッキリしない道だが一応関電巡視路なのでプラの階段を見る。急斜面なのでユックリ下って谷間を横切るポイントに着く。ここから谷間の急斜面を横切っていくのだが、年々道が細くなりここも要注意。

 道子に続いて哲郎も歩きはじめるが、カメラ片手の哲郎は足が何かに引っ掛かりよろける。それを見た道子は、「カメラを落としたら、取に行けへんやろ!」と大声で哲郎を叱る。哲郎は滑落してもいいようだ!。

 一部斜面の道が消えたところがあり、エッジがきく靴でないと滑落しそう、要注意。西の尾根に乗るとハッキリした道が現れてくる。

谷間へ下る道にプラ階段を見る 年々厳しくなる谷間の横道

 谷間を渡り終えると、後は南西の支尾根を下るだけ。ここも関電巡視路が続いていて急な所にはプラ階段を見る。大きな台杉を過ぎると右手から沢の音が聞こえてきて、尾根は細くなり標高差50mも下ると桑谷林道の登山口に降り立つ。13時20分、予定通り下山できた。

 ここからバス停までは30分、ちょっと余裕ができたのでここで後始末、ストックやスパッツを洗って収納・・・、「え!」、道子のスパッツにマダニを見る。「藪漕ぎで着いたのやろか」と足を調べる道子、どうやら被害はなく一安心。次回からはダニ避けとヒル避けは必携だな。

桑谷林道の登山口に降り立つ 「ダニや~」

 林道を歩きはじめると、キブシの芽吹きやオオカメノキの花を見る。岩肌にはボタンネコノメソウやショウジョウバカマが続く。峰定寺への道に出合うとバス道まで桜の花が続く。

 14時10分に大悲山口バス停に着き、おにぎりを咥えながら着替えをする哲郎。どちらを見ても春爛漫・・・心地よい。

岩壁に咲くショウジョウバカ 赤みを帯びたショウジョウバカマ
ボタンネコノメソウ 花が咲いてきたボタンネコノメソウ
ヤマエンゴサク イワウチワ
ミヤマカタバミ イカリソウ






あなたは地のすべての境を定め、
夏と冬とを造られました。


詩篇 【 74:17 】
桜咲く桑谷口に着く
バス停までは10分


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