芹生峠東尾根 (花背峠~天狗杉~芹生峠)
2021.06.05


芹生峠東尾根で出合う鞍部は何故か心地よい


2021.06.05 (土) 晴れ   哲郎、道子

コース:
・花背峠~天狗杉~旧花背峠地蔵小屋~芹生峠東尾根分岐から林道支線を進む~関電巡視路マークから尾根へ~・742鞍部~鉄塔~P766~芹生峠北150へ降り立つ

注意:
・芹生峠東尾根は緩やかな尾根ですが、小ピークが12あり、道はなく薄い踏み跡程度なので、地形図やGPSが必要です。でも尾根に藪はなく雑木が続く心地よい尾根です。
・芹生峠東尾根分岐からの林道は・742過ぎの鉄塔下までしかありません。ピークに倒木がある所は進行方向を間違いやすいので、方位磁石やGPSで確認してください。







 梅雨の中休み、天気が良いので花背峠から天狗杉へ向かってみる。前回訪れた時には花背峠バス停にエゴノキの落花を見て、当然天狗杉の山中にエゴノキの花を見ることがなかったので今回は1週間早く訪れることにする。

 花背バス停にはエゴノキの花は見当たらず、「早すぎたか!」と。今年の初夏の天候は木々にとっては例年通りのようだ。

 花背峠北すぐの所から天狗杉へと登っていく。ハッキリした道だが最初は急斜面、一気に登っていく。先を歩く道子の踏み跡を見ながら歩く哲郎、「この付近は高度も上がってきているのでいないかも・・・」と思っていたら1匹だけ踊っている大きなヤマヒルを見る。雨後なのに1匹だけなので、この付近にはほとんどいないようだ。

天狗杉への取付きは花背峠北すぐの所から 登山道は緑が溢れ心地よい

 支尾根にとりついて少し登れば尾根は緩やかになるが、前方に倒木を見る。倒木はすべて処理されているので、倒木の横を登っていくとすぐに天狗杉山頂に着く。

 尾根の雑木には白い小さな花が咲いていて「サワフタギ」と思っていたが、ちょっとサワフタギのフワフワ感が見られない。過去の履歴からサワフタギはエゴノキを同時期に咲いてたので、調べたら今回咲いていたのは「カマツカ」の木であった。登山道に続くエゴノキはツボミが固い状態だったのでうなずける。

25分で天狗杉山頂 フワフワ感がないのでカマツカだった

 山頂から旧花背峠へ下っていく。この付近は積雪時スノーシューを楽しむ所だが、近年雪が少なく楽しめていない。少し下ると右手にフェンスが続く。「クマザサ」保護しているのだが、今は手入れ不足かササも木々も密集している。

 この付近にはエゴノキやサワフタギが続いていたのだが、今日は何も咲いていない。フェンスが終わると植林地に入り、下の林道に旧花背峠の地蔵小屋が見えてくる。

頭上の白い花はみなカマツカ クマザサ保護区
サワフタギのツボミ 天狗杉のエゴノキはツボミ固し

 山頂から15分も下れば林道に降り立つ。旧花背峠の地蔵小屋は新調され綺麗になっている。その林道分岐を左にとり芹生への道を歩きはじめる。芹生へ下っていく道だが、最初は少しだけ登っていく。

 左手の植林地は新しく細い林道がたくさんできていて、伐採後の植林地は様変わりしている。

 数分歩くと広い林道分岐に出合う。ここが芹生峠東尾根の取付きである。前回はここから尾根にとりつき芹生峠へ向かった。この林道を終点まで歩き東尾根へ取付いた事はあるが、今回はこの林道を進み尾根の鉄塔付近へ登る関電巡視路を探しながら林道を歩くことにする。

 この林道はシッカリしていて鉄塔付近で止まっているので、鉄塔建設用に作られたのかも知れない。足元に何も咲いていないと思ったが、小さなコナスビとニガナの花を見る。

旧花背峠の地蔵小屋は新調され 芹生峠東尾根への林道
ニガナ 夏がやってきた!コナスビ

 南へ向いていた林道は鉄塔が近づいてくると西に向く。すぐに右手の尾根に登っていく関電巡視路用の階段を見るが、のり面が崩れ下の部分がないので、ここは諦め先へすすんで行く。

 尾根を右に巻くように少し下った所で関電巡視路用のマークを見る。「今日はここから尾根へ」と早速登っていく。すこし登っただけで尾根に乗る。ここは丁度尾根の鞍部(・742)で、すぐ下に折り返す林道を見る。

関電巡視路を登る ここは丁度尾根の鞍部(・742)

 「ここなのか~」といい関電のプラスチック階段を登っていくと、前方に鉄塔が見えてきて鉄塔広場に着く。今日はここから芹生峠東尾根を楽しむことにする。

 次の小ピークへの鞍部に下る道は送電線を潜った南側にあるので下降点を探す。それらしきところが3カ所見つかるが、いずれをとっても同じようだ。今日は前回下った一升瓶が立ててある所から下ることにするが、瓶が割れていて危ない。

鞍部から関電のプラ階段を 鉄塔に出合う

 最初の鞍部への道はハッキリしてきたので、良く歩かれいるようだ。緩やかに下っていく谷間と緑の雑木が美しい。その奥に一面白い花で埋まった木を見るので、気になる哲郎は確認へ向かう。道子はピークへと登っていく。

 白い木は、装飾花が深く5裂して裂片は1個だけがとくに小さいのでヤブデマリと分かる。ここは次の鞍部からの谷間と合流する地点で、周囲にヤブデマリの木がたくさんあるので、もう数日すればこの谷間は白く埋め尽くされるだろう。

 斜面を巻いて次の尾根の鞍部へ向かえば楽なのだが、道子がピークで待っているので登っていく哲郎。この尾根の鞍部からピーク間は標高差20~30mなので・・・、楽なコースである。

鉄塔から鞍部への道はハッキリしてきた 最初の鞍部、遠くに白い花を見る
ヤブデマリだった

 下った鞍部からそのまま西へH780mのピークへ、次のH770mのピークもそのまま西へ進む。このあたりの鞍部は雑木が広がり心地よい。この鞍部には薄い踏み跡がありピーク寄り少し北側へ登っていく。

 尾根に乗るとそのまま北へ50m進んで左手に次のピークと鞍部を確認し、鞍部へ下っていく。

薄い踏み跡がありピーク寄り少し北側へ どの鞍部も
北側の谷間は雑木が広がっている

 登り着いたピークは北に長い尾根の南端で、この尾根北西1Kmも歩くと旧花背峠から芹生への道へ降り立つ。このピークから次の進む南西にあるピークが分かりにくいので、ついつい尾根を北へ進んでしまう。その先に鞍部とピークを見るが北へ進んでいるので間違いに気づく。

 南のピーク迄戻って次のピークを探す。前回と全く同じ行動をとっている哲郎は「情けないな~」と思ってしまう。ここはピーク下で鋭角に曲がって南南西に取る。左手奥に初めて植林を見ながら鞍部へ下っていく。南へ下ってしまうと登ってきた鞍部へ戻ってしまうので要注意。

 「やれやれ」とコースに戻り鞍部からH760mのピークに登っていく。ピークには倒木があり、倒木を南から巻いていくと南に下る支尾根を見る。団体さんが歩いたのだろう、踏み跡は南へと下っている。

北西に長い尾根もの南端から南西のピークへ
ここだけ分かりにくい
左手に植林を見る
「やれやれ」とH760mのピークへ

 そちらへ進みかけた道子に「こっちや!」と北へ進むように言う。南へ進むと芹生峠道を貴船へ下る道にある地蔵小屋への谷へと下ることになる。

 倒木のピークから尾根を西寄りに進むと、左に植林が接するのでコースだと分かる。尾根が行き詰ったところから南の鞍部へ下る。倒木を乗り越え次のH760mのピークから西へ登り返すとやっとP766。途中で見る左手の植林地の尾根や谷は下れそうだが、芹生峠道に出合った所で崖になっているところが多いので進まないほうが良い。

倒木のあるピークに境界マークを見る 左に植林が接するので分かる

 緩やかな鞍部を登ったところで植林地を南へ下る踏み跡を見る。これが芹生峠への下山口、早速二人は下っていく。支尾根は芹生峠に突き当たるので、その手前で北寄りに支尾根を下っていくと、前方に車道が見えてくる。最後は急な植林地を下って芹生峠北150m付近の谷間に降り立つ。

P766から下山口へ向かう 植林地を南へ下る踏み跡を見る

 丁度12時である。何故か前回より大きく遅れている。ここからのコースだと、芹生峠から西へ標高差80m登り魚谷山の柳谷峠からの尾根筋に乗り滝谷峠へ向かう事ができるが、今日は暑い!と簡単に諦める。

 雨後の今日は小さな谷に流れを見るので、靴や用具を洗いちょっと登って芹生峠で昼食とする。谷のクリンソウは終わっていて、峠にはタニウツギが綺麗に咲いている。峠から貴船方面には「通行止め」の看板が立っていて、「草地はヒルが心配だ」とその横で二人は立っての昼食とする。

芹生峠北150m付近の谷間に降り立つ 峠にはタニウツギが綺麗

 ゆっくりの昼食も終わり貴船へ向かう。途中でお目にかかれる野草も姿が見えず・・「早かったようだ」と残念。前方が開け滝谷道が見えてくるころ、谷側の斜面が崩れていて「工事中はここなのか!」と。覗くのが怖いような急斜面上の道、修復しても温暖化による豪雨でまた崩れるのだろうと思ってしまう。

 対岸の滝谷道も大きく崩れたところがあり、歩けるのだろうか?。奥貴船橋では毎年のようにマタタビの白い葉で賑わっている。貴船はもうすぐ、斜面の野草を観察しながらバス停へ向かう。

貴船方面は通行止め 「工事中はここなのか!」と





主が声を出すと、
水のざわめきが天に起こる。
主は地の果てから雲を上らせ、
雨のためにいなずまを造り、
その倉から風を出される。


エレミヤ書 【10-13】
ヤブデマリ