京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

大文字山 北白川~中尾滝東尾根~若王子
2022.02.12

ネット沿いに尾根を横断する「古道はどこだ~!」


日程:
・2022.02.12 (土) 晴れ   哲郎・道子

コース:
・北白川仕伏町バス停(10:30)~北白川琵琶町バス停~緑の橋~中尾滝東尾根~出合坂~大文字山山頂~東山トレイル【42】手前~若王子への古道へ進入するが廃道化~植林地へ下る~ネット手前で西の尾根へ~若王子へ下る道出合~若王子神社~東天王町バス停(15:20)

注意:
・国土地理院の地形図1/25000に記載されている東山トレイルから若王子神社へ下る古道、東山トレイル道付近は廃道化して踏み跡は薄い。谷間の植林地へ下っていくと踏み跡は消えている。西の尾根へ登っていくと現在の若王子へ下る道に出合う。地形図の破線の道が本当に存在していたかどうかは分からなかった。
・植林地を下っていくと周囲の左右前方にネットが張ってあるので要注意。この谷間を下っていくと最後は急斜面に変わり危険なので下らないようお願いします。





 昨晩の酒の影響か、起床は7時、これでは遠出は出来ないようである。それでは先週行けなかった大文字山の若王子へ下る古道の探索に出かける事にする。

 若王子へ下る道は、トレイル標識では【42】から下る事になっているが、地形図に記載されている破線の道は【42】北150m付近に下山口がある。今日は地形図の道を探索する。



 大文字山頂へは、ユックリ登っていく白川の緑の橋から取りつくことにする。市バス3号系統で終点の北白川仕伏町で降りる(同系統で京都芸大行きでは北白川別当町で降りる)。バス停から東へ白川沿いの山中越えを歩くことになるが、この道は狭く交通量がおおいのでぼんやりとは歩けない。民家があるうちは細い歩道があるので助かる。

 15分も歩くと北白川琵琶町バス停に出合う。先週ここから取りついた日天寺を見ながら先へ進む。目的の緑の橋はもうすぐである。

白川沿いの山中越えを歩く 北白川琵琶町バス停にある日天寺

 緑の橋付近は、まだ川ののり面工事中のようだ。橋を渡り右岸に取りつき歩きはじめる。左岸が歩けそうだと思った所で渡渉し左岸へ、すぐに左手に広い谷間を見るが谷は無い。

 50m先に何やら動物を見る。「鹿や!」と道子、ゾロゾロと10匹程谷を渡っていく。途中で我々に気が付いた1匹が「ピー」と大声で鳴き、右岸の斜面を駆け足で登っていく。

白川の緑の橋を渡る

左岸に取りつけるまで最初は右岸を歩く

 左手に小さな堰堤が続き、緩やかな谷に変わると荒れた谷が続く。右岸の道に変わると谷は掘りこまれたように下を流れる。

 緑の橋から15分歩くと、先週中尾城址から尾根を下ってきた道に出合いこれを確認する。ここから7分も歩くと右岸へ渡るポイントに着く、立派な丸木橋があったが今はない。

堰堤群を過ぎると谷は少々荒れてくる 先週中尾城址から下ってきた道を見る

 ここから谷沿いに登っていくと中尾の滝はすぐである。飲水休憩をしながら反対側の斜面を見る。そこには尾根に登っていく立派な道がある。この道は大文字山の北の山々を楽しむ多くのハイカーがよく利用しているのでハッキリしている。

 谷道は飽きたのだろう、道子はその斜面の道を登りたそうに見える。「今日はこの道を登り、中尾の滝の東尾根を進み大文字山へ行こう!」と哲郎。

 この周辺は良く歩かれていて分岐が多いが、地形図で確認する限り谷に下ることなく山頂へ行けそうである。「分岐に出合うと右にとり尾根から外れなければ迷うことは無いだろう!」と哲郎。

渡渉し谷沿いに進めばすぐ中尾滝だが

今日は東の尾根に乗り山頂へ向かってみる

 5分も登ると尾根に乗り、右(南)へと支尾根を登っていく。トレイル道のようにハッキリした道が続き、疎林帯の中を7分も歩くと右からの道に出合い道は南東へ変わる。何処から登ってきたのか分からないが、そのまま真っすぐ進むとすぐに広い道に出合う。

右(南)へと支尾根を登っていく 道は南東へ変わる

 「こんな広い道が!」と思ってしまうが、予定通り真っすぐ南東へ進んで行く。心地よい雑木の道を緩やかに登っていくと、2分で分岐に着く。

広い道に出合う

 心地よい道もすぐに終わり忙しない。この分岐には木にペンキ、その上に落書きと汚い。我々は右に進むのだがその方向に「中尾ノ滝」と書いてある。今中尾の滝方面から登ってきたのに?、こんな標識はあてにしない方が良い。

心地よい道もすぐに終わり 中尾ノ滝と書いてあるが、間違い?

 道は南へ向き、歩くにつれ細い尾根に乘ると数分歩いて分岐に出合う。心地よい尾根だが分岐多く忙しないものだ。左は谷へ下っていく道、二人は真っすぐ右の尾根道を進む。次のチェックポイントは標高340m小ピークである。

心地よい尾根だが分岐多く忙しない

 少しだけ登って木にペイントのマークがあったポイントから6分で標高340mの小ピークを過ぎ、さらに7分歩いて幻の滝からの道に出合う「出合坂」と呼ばれているポイントに着く。この尾根コースは数分間隔で分岐等のチェックポイントがありスケールの小さいコースで忙しない。

 出合坂にも左手の谷へ下る道を見るが、数年前と違って踏み跡はシッカリしている。真っすぐ尾根を登っていき数分歩いて道は斜面に突き当たるので左に巻いていく。すぐ登っていく階段状の道を見るが、これは山頂手前の火床からの登山道に出合うのでパスし、その先の雑木の中を登る道をとる。

「出合坂」の分岐は真っすぐ尾根を 雑木の中の道から山頂へ

 雑木を抜けると広い谷間にでる。後ろを振り返ると、冬枯れなので北に比叡山と中腹にあるロテルド比叡がよく見える。一登りし植林の中を抜けると大文字山山頂のベンチ裏に出る。12:15なので緑の橋からユックリ歩いて75分、山頂まで谷コースでも尾根コースでも時間は変わらないようである。

 丁度お昼時間、山頂には50人以上のハイカーが昼食を楽しんでいる。「今日は暖かいから多いのだろう」と言いつつ空きベンチを探していると、そこに30人の団体さんがやってくる。

振り返ると比叡山 ハイカーで賑わう大文字山山頂

 山頂での昼食は諦め、トレイル道を下りながら昼食場所を探す。山頂から登山道を東へ下った所にある雑木林を見て、「暖かそうだ!」と、そこで昼食とする。

山頂東の雑木林で昼食とする

 12:45分、「もうこんな時間!」と。今日の目的はこれから、ここまでのんびりやってきたので、この先急いで目的地へ向かうことにする。

 東山トレイルを南へ下って行き、【44-2】で西の尾根を下っていく。尾根はしばらく西南西へ向く。倒木地点を過ぎると急坂は終わり南の防火管理道へ下る分岐を過ぎる。

 緩やかに登って下り始め、トレイル【43-1】を過ぎるともうすぐ地形図の破線の道の下山口、見落とさないように下っていく。

 目的の下山口の手前に作業道のようなものを見つけ、進入し尾根の様子を覗うが道らしくないので「ここちゃうわ!」と引き返す。再びトレイル道を下るとすぐに目的の下山口を見つける。

 2本の倒木の先にハッキリとした道を見る。「ここやった!」と早速二人は進入する。

以前見つけていた下山口を見る

 入口付近はハッキリした道が残っているが、2分も歩いていくと周囲は雑木から疎林帯にかわり道はハッキリしなくなる。途中まで鮮明だった道が消えているので、この道は植林地ができ廃道化し雨の当たる疎林帯で踏み跡が消えたのかも知れない。右に左にと薄い踏み跡を探しながらウロウロしていると北へ伸びる支尾根の頭のようなところに立つ。

 道が消え「あ~分かんない!」と哲郎、とりあえず支尾根を少し下って探索する。少し下った所に西の植林地へ下る溝のようなものを見る。他に道のようなものが見当たらないので待機している道子を呼び、その溝を下る事にする。

雑木から疎林帯にかわり道は消える

 溝を下っていくと雑木の先に光が見えているので、ここに道があったようだと感じる哲郎は何やら一安心する。雑木の中を抜けると目の前に植林地、足元に道のようなものを見て二人は喜ぶ。でも植林地に入ると道のようなものは残っていない。

 この先少しは歩き良い植林地中央の低い所を下っていくか、植林地の中を西へ進み西の尾根へ登っていくか地形図を見ながら考える。

雑木の先が明るいので、ここかも!と

 「とりあえず西へ進んでみよう」と植林の間を歩きはじめるが、小さな雑木が邪魔をして歩きにくい。「これは無理だ!」と、ここはおとなしく歩きやすい植林地の中央を下ることにする。よく見ると低くなった所は歩きやすく「ここに道があったのかもしれない!」と思ってしまう。

無理や!と進行を止め

 下って行くと、ビックリ!!、左右、前方にネットを見る。前方のネットまで近づくと、さらにその奥の左右にネットを見る。「これは彩りの森プロジェクトのネットだろう」と哲郎。それにしても広範囲にネットが張り廻られ行動範囲が狭くなるので、注意しないとネットから抜けられなくなる。

 今日は古道探索を止めこの谷を下るかどうか判断が必要なので、哲郎は手前のネット入口から進入し、この先の谷間に道があるか、進行出来るか調査に向かう。

 左右のネットが終わる付近から地形図のように急坂に変わっていく。この先の谷は鹿ケ谷まで急勾配が続き危険個所があるかもしれないと谷へ下ることは諦めることにする。

植林地はネットで囲まれてくる

左右、前方にネットを見る

 道子の待つネット迄戻りネットの入口を閉鎖する。もう14時、今日は孫が夕食にくると言っていたので、早くこのヤブを抜けないと遅くなってしまうと焦ってくる哲郎である。でもネットがあると言うことはネットを張った時の道があると言うことである。

 ここへ下ってくる時に西の斜面に薄い踏み跡のようなものを見ていた哲郎、引き返しそこへ向かってみる。そこにはネットが無いので、そこから支尾根へ登ることにする。雑木の藪の中、何やら歩いた跡があるような所を選んで登っていく。

 地形図によると、この支尾根も北側へ下っていくと急勾配になり危険で、また鹿ケ谷に降り立つと渡れないので道に出合うまで尾根を下らないよう注意する。

 支尾根の中央に向かって登っていくとだんだん歩きやすくなってくる。尾根の中央辺りを登り始めると再びネットに出合う。今度はネットに沿って尾根の反対側に下っていくので道に出合うことを願う。

ネットに沿って尾根の反対側に下る

 「あった!」とやっと現在の若王子へ下る道に出合い一安心する哲郎、道子も安心したことだろう。トレイル道の取りつきから50分さまよった事になる。「今日の探索は難しかった」と哲郎、二人は若王子へと下っていく。

若王子へ下る道に出合い一安心

 道は支尾根に沿ってぐるりと回って下っていくので時間がかかる。途中でもネットを見るのでネットは広範囲に張ってあるようだ。北向きの緩やかな細い道が続き、西へ向きを変えると下り始め、途中に見る倒木は処理され歩き良い。支尾根が分岐したところで道も二分しているようにも見えるが、左の若王子へ下る道をとる。

 急な細い溝状の道が続き歩きにくい。クネクネと細い道を下っていくと、最後は小広い道に降り立つ。その小広い道に小さなゲートを見るが、これが何を意味しているのか分からない。ゲートの周りにも細い線も張ってあり、それを跨いで道に降り立つ。降りてきた山は「南禅寺山国有林」とある。

最後の支尾根分岐は左へとる 最後はゲートに降り立つが?

 道なりに下っていくと小広場に出る。「桜花苑」と書いてあり広場にたくさんの桜が植樹してあり東屋もある。立て札には「陽光桜」とあった。民家の間を下って行き右へ進むと若王子神社に出る。ここは銀閣寺からの疎水沿いの哲学の道の終点である。

 若王子神社の前には新島襄の墓への道があり、南禅寺裏道へ通じているようだが、標高差100m登ることになり、「もう登るのはいやや」と道子、結局近くのバス停からデパートへ向かい夕食を買うことになる。

若王子の登山口はこの標識を辿る 新島襄の墓への道があるが・・







トップへ