京都北山を中心とした山々を楽しむ okaokaclub

花背峠~天狗杉~芹生峠
2022.06.16

芹生峠への尾根の鞍部はウツギとエゴノキの白で埋まる


日程:
・2022.6.16 (木) 曇り   哲郎・道子

行き: 烏丸北大路 7:33 - 花背峠
帰り: 貴船 14:06 - 貴船口14:15 - 国際会館駅


コース:
・花背峠(8:30)~天狗杉~旧花背峠~芹生峠への尾根分岐(林道入口)~鉄塔への登り口(関電巡視路)~鉄塔~P766~芹生峠~(昼食)~アソガ谷出合~奥貴船橋~貴船奥宮~貴船バス停(14:00)

注意:
・旧花背峠から芹生峠までの尾根に道はありません。標高750m前後で緩やかな尾根ですが小ピークが10個あり小さなアップダウンが続きます。そのため迷いやすいのでピークからの進行方向に注意が必要です。GPSでは簡単に進めますが、ここは地形図とコンパスだけで進み、地形図の読図の練習コースとしてお勧めです。





 今日は花背峠から芹生峠の尾根を楽しみ、貴船へ下ることにする。この時期はキツリフネソウやミヤマタゴボウが咲いているかも知れないので、それらを観察することにする。結果としてミヤマタゴボウは咲き始め、キツリフネソウはその影すら見当たらないので、黄色い花は目立つので誰かがお持ち帰りに?。

 花背峠へのバス、平日は出町柳駅7:20と早いので、少しでも寝坊できる烏丸北大路バス停へ向かう事にする。バスが花背峠へと登り始めると、周囲の山間にガスが立ち込めてくる。「降らなければいいが!」と心配する。時々バスの窓に水滴が流れるが、フロントのワイパーが動かないので一安心する。

 花背峠で降り、ゆっくりと準備する。峠の一角が白くなっているので「エゴノキの花残っているかな?」と。花背峠から芹生峠までは標高750m前後、ヤマヒルがいるかいないか微妙な高度である。一応ヒル避けをして出発する。

エゴノキの花散る花背峠 バス道から天狗杉への登山道へ

 先ずは天狗杉(△837m)へ向かう。バス停から少し西へ下った所に、斜面を登っていく踏み跡を見る。これが天狗杉への道で、すぐに谷間を登り始める。ここは京都山の家の散策コースの一つとなっていて、道は広くハッキリしてくる。

 先行する道子の踏み跡を見ながら歩く哲郎、ヒルが1匹踊っているのを見たので注意して歩くことにする。標高差50mを登ると倒木帯の広場に着く。ここでヒル避けを追加し出発する。

 細い雑木の尾根を西から南へと進んで行くと、植林地の端を登り始める。登りきるとそこが天狗杉山頂である。周囲の木々を確認するが白い花は見当たらないので、すぐに旧花背峠へと下っていく。

最後は植林地の端を登ると 雑木で囲まれた天狗杉山頂広場

 南から西へ変わる斜面を下っていくと、右手にフェンスが続く。「ちまきざさ」の保護区である。フェンスの効果があり、その中はササで一杯である。この付近にはエゴノキやサワフタギの木がたくさんあり、開花時期に出合うと一面白い花で埋まるが、今年は全く白いものは見当たらない。

 植林地に変わると下に旧花背峠の地蔵小屋が見えてくる。小道を辿って下っていくと旧花背峠に降り立つ。そこには「まだ咲いているのか!」とクリンソウの花を見る。飲水休憩後芹生へ下る林道を進み目的の尾根へ向かう。

「ちまきざさ」保護区 地蔵小屋のある旧花背峠

 右も左も植林地だが南斜面の木が伐採され明るい。ユックリ15分歩くと芹生峠への尾根分岐に着く。尾根下に広い林道が沿っているのですぐに分かる。今日はここから尾根に取りつかず、林道を進み鉄塔下にある関電巡視路から尾根に取りつく事にする。

 「咲いている!」と道子。林道から尾根を見ると大木のコアジサイが綺麗に咲いていた。「ちょっと尾根まで登っても綺麗に撮れないだろう、この先にも咲いているだろう!」と、撮ること諦めるが、貴船へ下るまでコアジサイには出合わなかった。

 林道を進んで行くと足元にはコナスビしか咲いていない。「何も咲いていないので!」とカメラを向けて取っていると、その横にヒルが踊りはじめる。「あれ~!」と哲郎、傍の小石で退治する。

芹生への道から左の林道へ 芹生峠への尾根に平行する林道へ

 ほぼ水平な林道を10分歩くと、関電のマークを見る。その横の踏み跡を登っていくと、すぐに尾根の鞍部(・742)に出る。そこから西の斜面には関電のプラ階段を見るので、それを登りきると前方に送電線鉄塔が見えてくる、林道から6分である。鉄塔下でヒルをチェックしながら小休止とする。

関電のマークより進入 ・742の鞍部

関電プラ階段を登る 鉄塔下で小休止

 次のピークへは鉄塔をぐるりと巻き南の斜面を下っていく。道らしいところが2,3箇所あるので、そこを下っていくと、それらの踏み跡は同じところで合流する。鞍部から右手の谷間を見るが昨年見たヤブデマリの木々に花は残っていなかった。次の鞍部から見る谷間は白く染まっていた。近寄ってそれらを確認するとウツギとエゴノキである。今日は曇り、これが晴れていたらもっと真っ白だろう、きっと。

心地よい雑木の尾根が続く

 次の鞍部、次の・・、と鞍部にはサワフタギやエゴノキの白い花が続く。その中でこの尾根で初めて見るツル系の白い花、ツルアジサイかイワガラミ、「え~と、萼片1枚、どっちだった?」と。結局帰って調べることになる。(ツルアジサイの装飾花には4枚の萼片、イワガラミでは1枚)だからイワガラミであった。

ネジキ サワフタギ

ガマズミ ミヤマガマズミ? ウツギ

 尾根が半ばを過ぎると尾根のつながりが左右に振れてきてピークから下降点を探すことになる。もう何回も歩いたこの尾根でも、地形図とにらめっこ、これが楽しい。余り歩き過ぎコース全体を覚えてしまうと、この楽しさも半減するので年1回程度としている。

ルートを探しながら歩くのも楽し

 尾根や鞍部に雑木が続くこのコースは歩いていても心地よい。そのうち左手に植林がちらちら見えてきてピークに大木が横たわっていれば分岐注意、南へ植林地を下ってしまうと芹生から貴船への舗装道に降り立つ。芹生峠へは右(北西)へとる。尾根に植林が接するようになると、芹生峠まで残り数100m、30~40分である。

植林に接すると芹生峠まで約30分

 もう尾根を迷うところはないが、問題は下降点、P766から鞍部を登り返した所、出合った植林の手前に南西へ下る尾根に踏み跡を見る。ここが下降点、我々が最初に来た時に迷わなかったので、もうそろそろという時に左手を注意して歩くと下降点を見つけることが出来る。

植林地に接した細い尾根が下降点

 道なりに下っていくと、途中で大量の一升瓶を見る。なんで?と思ってしまうが、こんなところで宴会でもしたのか?肥料か消毒液を運んで来たのか?分からない。

 最後は植林の急斜面を下ると芹生から貴船への舗装道へ降り立つ。ここは芹生峠北150m、ここのクリンソウは終わっていた。丁度お昼時、昼食をと思うが何処で?芹生峠へ向かうが先日の雨で腰をおろすような所はない。少し戻って、新しい林道入口にタニウツギが綺麗に咲いているので、「そこにしよう!」と。

この空瓶は何の瓶? 最後は植林の急斜面を下る

 昼食後はゆっくりと貴船へ下っていく。いつもよりユックリ下り70分で奥貴船橋に着く。後は急な坂もなくダラダラと貴船へと歩いていく。貴船奥宮に着くとやっと人に出合う。観光客はいつもより少ないが、「貴船はこれくらいが落ち着いて良い!」と哲郎。

タニウツギ 今年もヤマアジサイを見る

 貴船のバス停は土砂崩れで大きく移動されていたが、元の場所に戻っていた。「あと5分でやってくる」と、着替えもせずバスで貴船口へ向かう。

 貴船駅に着くと、14:15の国際会館駅行きのバスがありますと放送があり、「あと4分!」と、ここでも着替え出来ずバスで国際会館駅へ向かうことになる。

 今日は派手な花はなかったが、十分楽しむことが出来満足の山行きであった。家でスパッツを洗う道子「ヒルがいる!」と、哲郎1匹、道子1匹、ジッパーのカバー部分に潜んでいたようだが、ヒル避け効果で動けなかったようだ。何処で付いたか分からないが、「雨後は気を付けなければ!」と。





イワガラミ

■ツルアジサイの白い萼片は4枚あるのに対して、イワガラミは1枚。


カラスシキミの実

ニワトコの実





ミヤマタゴボウ

クリンソウ

ユキノシタ

オオハンゲ

ヤマゴボウ

コナスビ

サワギク

クルマムグラ

■比良正面谷で見るオククルマムグラは茎や葉に毛があるので区別できる。


ミヤマナルコユリ

■ミヤマナルコユリかヤマアマドコロかいつも迷います。






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