鎌倉山〜峰床山〜八丁平〜江賀谷//北山 |
雨の中、新緑が綺麗な八丁平 |
2007年5月19日 晴れのち雨 後輩I・哲・道
コース: 坊村バス停−鎌倉取付−林道横断−ブナ平−鎌倉山山頂−千年杉−オグロ坂峠−峰床山山頂−クラガリ谷−八丁平−中村乗越−江賀谷右俣−林道出合−葛川学校前バス停 「あれ〜 いないよ」と地下鉄北大路駅で後輩を探す。TELするとまだ京都駅、広河原行きのバスに間に合わないのでプランを変更し、後輩に出町柳へ向かうように伝える。出町柳では「おばさん山歩き隊」のメンバーが雲ケ畑行きのバスに並んでいる。魚谷山から貴船へとクリンソウを見に行くそうな。発車間際にやっと来た後輩と、数人の登山客と供に坊村行きの臨時便に乗る。 日差しを受け鯖街道を快適に走るバスの中で哲郎は地図を取り出し、コースを選定し「新緑の鎌倉と八丁平の 野草観察」に決める。坊村バス停で降りトイレ前で準備をする。先ほどから前の国道を、数台の消防車や救急車が慌しく走る。そんな中、我々三人はたくさんの人で賑わっているトイレ前から、安曇川を渡り葛川少年自然の家の駐車場を右に曲がり、標識のある鎌倉山取付に着く。
早速進入し鎌倉谷沿いに進むと、すぐに尾根道への分岐がある。分岐を右におれ、急斜面を登ると尾根に出る。尾根を登り始めると、急なのかすぐに汗をかいてしまう。湿度が高く蒸し暑いと服を調節しながら、何度も小休止する。花も終わったイワカガミの群生地を過ぎ一登りすると、やっと林道に出合う。ここは標高500mなので、200m登ったことになる。ここから比良の山々を見上げながら小休止するが、上空がどんより曇ってすっきりとはしない。後輩が「これって ヒル?」とスパッツの上のヒルを初めて見たようで聞いてくる。「もう ヒルがいるなんて!」と道子はビックリする。「次の休息は ブナ平」と言い階段を登って行く。 左右に雑木が増えてきて、新緑が綺麗なはずだけど、暗い道では余り楽しめない。ポツリポツリと降り出した雨、ブナ平へ急ぐ。ブナ平で小休止しながら、周囲の新緑を楽しむが「この雨、もう少し 様子をみようか」小降りの雨が気になる。ブナ平を過ぎると、すぐに植林地の中を歩くが雨は降り止まない。とうとう本降りになってきたので、三人はレインウエアーを着る。周囲は綺麗な雑木の森、快適な歩きのはずだが雨は益々強くなる。そのうちにイワカガミの群生地に出合うが、少しばかり咲いているイワカガミを横目で見ながら通り過ぎる。「このまま 降り続くなら 鎌倉まで行って 引き返えそうか」と思う哲郎、「せっかくだから 鎌倉山まで 行こう」と山頂を目指す。
雑木の中、細い尾根を登って行くと、最後は広々とした鎌倉山山頂に着く。幸い雨は霧雨に変ったので、「ここで昼食や」と三人とも立って食べることになる。昼食休憩中に、一人の男性が「ひどい 天候ですな〜」やってきて小休止後去って行く。「さあ 我々も ボチボチ行こうか」ガスが立ち込めた中を出発する。 ガスは雨よりも視界をさえぎり、新緑はまったく味わえない。それでも時々ガスが切れ、数秒間ほど周囲の新緑を楽しむ。オグロ坂峠までは数回のアップダウンがあるが、慎重に下る道子に対し、元気良く走るように下る後輩、で、結局滑って転んでしまう後輩。尻餅をつきドロドロになっているのを見て、もっと慎重に下る道子。途中にある絵になるような谷の源頭や千年杉、イワカガミの群生地、いずれもおぼろげに見ながら通り過ぎる。周囲を見ながらゆっくりの哲郎に対し、先の二人はドンドン先を行く。「尾根分岐で 待っててくれ」と言う哲郎。後ろを振り返ると、先行していた男性が歩いている。「彼は この道が初めてで どこかで道を 間違えたかな」。
尾根の分岐地点、「そっちじゃない」と道を間違えている後輩、「ガスが濃いし 間違えやすい」と後の男性が間違えないように、分岐にテープを付ける。左手に植林地が見えてきて、道が少しずつ西に変わってくると、オグロ坂峠は近い。小さなアップダウンを繰り返すと、樹木の茂ったオグロ坂峠に着く。「13時 雨も小降りやし 峰床山へ行こう」とオグロ坂峠を少し下り、峰床山への尾根コースに入る。
ガスで遠景は見えないが、この付近はいつも野鳥のさえずりが続く。手入れされているコースなので、歩きやすく樹木も綺麗だ。「ガスで霞んだ 新緑しかない」と思っていたこのコース、突然、群生しているピンクの花があちこちに見えてくる。ユキグニミツバツツジだろう。「ガスをバックに とても綺麗や」と三人はしばし見入る。このコースも少しずつ登っていて、「休憩しよう!」と言う声が出る頃、やっと峰床山へ着く。山頂では、あいにくの雨、周囲の展望も見ずすぐに、クラガリ谷へ向かう。そしてすぐの看板のある谷への分岐に出合う。 クラガリ谷へ下って行くのだが、途中で階段が崩れてしまっている。谷へ降りると樹木が茂るうっそうとした森の中へと入って行く。足元には色々な花が咲いているが、雨の中では観察もままならない。ゆっくり歩いていると、一人の男性に出会う。無口で後ろに小さなイスまで背負っており、この雨の中で植物を観察しているのだろうか。 八丁平の周回路の分岐に出合うと今度は、スタスタと歩いている男性に出会う。「おじいさんに 出会いませんでしたか?」と先ほど会った男性ではなく、80歳くらいで、昨日から家に帰ってきていないと言っている。地図を開き、現在地と我々が歩いてきたルートを示し、会わなかったことを告げる。色々と話を聞き、彼にとって大変なことになっていることが分かったが、雨の中の帰り道、我々は何も手伝うこともできずに、「これから この先の山小屋に 探しに行きます」と言う彼を見送るだけである。
何となくすっきりしないが三人は分岐を左にとり、笹の茂み湿原の中ほどに目をやりながら、八丁平北回りの周回路を進んで行く。いつもは青々と広がっていたササ原も、異常気象のせいだろう、枯れてきている。「後 2〜3年で なくなってしまうだろう?」と、いつも小さなタケノコが芽を出していたササ原がなくなるなんて、残念というより寂しい。「どうなって いるのやろ?」 オグロ坂峠からの道に出会い南へとり、中村乗越へ向かう。八丁平周辺の木々は青々として、いつきても心地良い。分岐に出合うと、南にとり八丁平から離れて行き、中村乗越への登りを歩いて行く。下から人の声が聞こえ上からのぞくと、警察の方だろうか数人で周回路を歩いている。先ほどのおじいさんを捜索しているのであろう。朝、坊村で警察の車が停車し、騒がしかったのを思う出す三人。乗越を過ぎると、すぐに植林地へと変わり、ジグザグの下りが続く。「右が 昨年 登った伊賀谷山だ」と言うが先を歩く道子は雨の中、見ているのかどうか?。
暗い植林地を抜けると、江賀谷右俣の谷に出合う。晴れていると綺麗な谷だが、「この雨では ヒルと濡れた木橋が 心配や」とすぐに気にする道子。この谷もも野草の観察することもなく、数回渡渉して下って行く。「ヒルが もぞもぞと動いていた」と道子。少し高い所にある木橋に出合うと、道子は「ぬれて すべる」と言う概念が強いのか、橋の上で止まってしまう。後輩に手を引いてもらい、ヤレヤレ。やっと江賀谷合流地点に来て、ここの橋は難なく渡たって行くが、最後の破損した横木の所でまた手を引いてもらう道子。 今日は遅いバスにしたので、まだまだ時間が余り過ぎると、江賀谷の林道をゆっくりゆっくり野草を見ながら、三人はのんびりと葛川学校前バス停へ向かう。バス停小屋で靴にヒルが付いていると騒ぐ哲郎と道子。もうヒルの季節がやってきたようだ。
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