イザナミ谷〜石仏峠〜祖父谷峠/桟敷ケ岳//北山
2007.03.03


 
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イザナミ谷は最初は古道が続くが上流は崩壊している


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2007.3.3 (土) 曇り時々小雨  哲、道

駅 行き:JR京都駅(JRバス 1150円)7:15 − 8:30周山バス停着
  周山バス停発 7:45 − 灰屋バス停(京北ふれあいバス 850円)
駅 帰り:岩屋橋バス停 17:00(京都バス 470円)− 北大路バス停
【現在運行していません】


コース:
・灰屋バス停〜イザナミ谷取付〜谷分岐〜送電線直下〜関電巡視路階段〜鉄塔127〜石仏峠〜祖父谷峠〜鉄塔(城丹国境尾根/ナベクロ峠分岐)〜ナベクロ峠〜桟敷ケ岳〜岩茸山直下〜西谷分岐〜薬師峠〜志明院〜岩屋橋バス停

注意:
・イザナミ谷取付から中ほどの谷分岐までは、歩きやすい古道が残っています。ここから上流は道は崩壊し谷も荒れているので、初心者だけで、行かないようお願いします。石仏峠へは井戸からイモジ谷を経由するルートを利用してください。




MAP



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 2月例年この時期は、比良山系や北山で雪を楽しんでいるところだが、暖冬の今年は、雪遊びは来シーズンまでお預けのようだ。城丹国境尾根に北から取り付くには、西からカモチ谷、鳴堂、ジョウラク峠、小祖父谷、イモジ谷があり、一番東側に灰屋からのイザナミ谷がある。「灰屋の集落って どんな所?」と出かけることにする。

 京都駅7:15発のバスに乗る。乗客もまばらで、この時期、車も少なくバスは周山街道をスイスイと定刻通りに走る。ピッタリ定刻8:30に周山に着き、8:35発の灰屋行きのバスを待つ。バスは停まっているが、運転手はなかなかやって来ない。定刻寸前にやって来て、我々二人を乗せ出発する。R477号線を快適に進むバス、いつも途中で乗ってくる保育園の子供たちは今日は乗って来ない。「保育園がなくなったんやろか いま休みなん?少子化で小さい子が いなくなったのやろか?」と色々と考えてしまう。こんなに考えるのやったら、運転手に聞いとけばよかったと思ってしまう。

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最後の民家の手前の
空地でバスは停車
灰屋の集落 イザナミ谷の取付

 井戸を抜け、黒田を過ぎ桂川沿いの二人だけのドライブは続く。灰屋口から橋を渡り芦生への道へ入る。ここは雲取山の国体コースの起点で、一度灰屋口で降りたことがある。灰屋川沿いの道に民家はなく、武次谷取付を過ぎても、しばらくは山と川だけが続き、「遠いな〜 灰屋って」と思ってしまう。やっと山間に民家がポツポツ見えてきて、最後の民家の手前の空地でバスは停車する。バスから降りる時に、「山に 行かれるのですか」と運転手。準備していると、前の家から一人の女性がUターンしたバスに乗っている。「ここは 陸の孤島だから バスいるよな!」。運転手は我々に会釈しながら周山へ発車する。

 哲郎は地形図を出し、南の山を眺め「あの送電線の 見えるピークの手前が イザナミ谷や!」準備もできたので灰屋の集落を後に芹生への道を歩き出す。哲郎の心配は灰屋川は結構流れていて「イザナミ谷へ 渡れるやろか?」であり、川の様子を見ながら歩く。しばらくすると道が左へカーブしてくるので「この付近が イザナミ谷の取付や」と道子に言い、取付を探す。ちょうどこの付近だろうかという所に、川に下りて行くような道があり、その先に対岸に渡る架設の橋を目にする。「ここに 違いない」と付近を査察すると、カーブミラーの支柱に「→ イザナミ谷」と書いた落書きを見つける。

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カーブミラーの支柱に
「→ イザナミ谷」
川へ降り橋を渡る 植林地に作業道を
見つけ進んで行く

 取付を確信した二人は、川へ降り橋を渡る。目の前は植林地で谷道は見当たらないが、植林地に作業道を見つけ進んで行くと、すぐに道は広いしっかりした道に変わる。川辺に鉄ワクの柱を見つけ「ここに 吊り橋でも あったんやろか?」道はすぐに小さな谷に沿い石組みもあり、ここが古道だとすぐに分かる。再び、金属製の橋を渡り右岸を歩く。

 橋といい幅広い道といい、快適な谷沿いの道、「この分だと 石仏峠まで 2時間も かからないかも」と哲郎。しばらくは快適な道が続くが、右手より小さな谷が注ぎ込んでいる場所に着くと、急に作業道は消えてしまう。ここで休息しながら行先を確認、「イザナミ谷は 南や!」。前方の谷は狭くなり両側がV字の斜面となり歩きにくそうである。それでも古いテープを見つけ元気よく出発する。

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幾つかの金属製の橋を渡る 小さな谷に沿い石組みがある古道

 右や左、谷の中、急斜面をと歩けそうな所を探して歩く。しばらくして小さな滝に出合い前方を確認する。右手の斜面が歩けそうなので道子に行かせ、哲郎は滝を越え、テープのある左手の岩場を進んでみる。「あ〜だめや」と道子は急斜面で足を止め呼ぶ。仕方なく引き返して哲郎のトライしている岩場を二人で進む。トラロープを見つけ引っ張ってみるが、随分と昔のものだろう、くくりつけた木が抜けてしまう。ここを過ぎると谷も狭くなり、谷の中を歩いて行く。前方に赤いマークと立札が見えたので、近寄り確認すると、左手の山に「入山禁止」とある。

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谷もあれている 赤いマークと立札 巡視路用のプラスチックの階段

 ここを進むと、すぐに少し開けた所に出る。上を見上げると、最初の送電線が見える。北山1の登山地図では、ここから右の斜面を登り支尾根に出るように書いてあるが、地形図の破線は真っ直ぐに南へイザナミ谷を詰めイザナミ峠へと向かっている。「今日は 予定より遅れているので 斜面を登ろうか!」と尾根への道を探す。登山道なんか見つからなかったが、関電の巡視路用のプラスチックの階段を見つけ、これを登ることにする。

 標高差100mの登り、植林地の急斜面、階段がなければ苦労するところである。途中で階段は消えるが、それらしき所を歩いて行くと再び現れてくる。最後は明るくなった尾根へと一登りするのだが、道が崩れているので、道子に植林地を通って尾根に出るように言う。やっと鉄塔に出た哲郎より、途中から植林地を登った道子の方が早く尾根に出ている。

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植林地の急斜面を歩く 道子は植林地を通って尾根へ 129鉄塔直下で小休止

 129鉄塔直下で東方を眺め小休止する。灰屋の集落から片波林道、遠くに比良山系まで見渡せ、この送電線が桑谷山から続いているのか分かる。鉄塔から緩やかな尾根を登って行くが、周囲が雑木なので気持ち良い。この時期「マンサク?」と探すが、この付近はないようだ。突き当たった尾根の分岐を右に折れ石仏峠に向かうが、左下に石仏峠からの林道が見えてくる。石仏峠へは鉄塔まで突き当たり、左へ降りて行く。

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129鉄塔直下から 鉄塔から緩やかな尾根を登る 石仏峠の標識

 峠に着き「あっ もう12時や お昼にしよう」と石仏を見ることもなく祖父谷峠への道を進み、目の前が開けた所の切り株に上に腰を下ろす。前方に魚谷や桟敷の山々を見ながら、暖かい日差しを受けてオニギリを食べる。「そう言えば 午後から雨模様」と言っていたが雨は大丈夫のようだ。「ブーン ブーンと うるさいな〜」と、もうハチが哲郎のザックの回りを飛んでいる。

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昼食後は狭い尾根を祖父谷峠へと歩く 大きな杉のある祖父谷峠に着く

 昼食後は狭い尾根を祖父谷峠へと歩き出す。この付近には植林もあるが、まだまだ雑木が残っていて心地良い。所々、雑木にロープが張ってあり「ここも 雑木を伐採して 植林地にするのやろか?」と心配する。途中には、鉄塔のある展望地点があるが、小さなピークを何度も越えるこの尾根、「やれやれ つかれた!」と大きな杉のある祖父谷峠に着く。

 ここから伐採地を登って行くのだが、前回歩きにくかった事を思い出し、峠から稜線部分を登ることにする。それでも「しんどい」となかなか足の進まない道子。やっと登りついたピークで、北方の遠望を楽しんでいると、雨が降り出してきたので急いで進む。

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登りついたピークで北方の遠望を楽しむ 関電の階段が付けられ歩きやすい

 鉄塔ピークまでは、再び急坂の登りとなるが、関電の階段が付けられ歩きやすくなっている。鉄塔ピークに出ると、鉄塔下が整地されていて、分岐が分かりにくい。直進すると城丹国境尾根、桟敷へはここを左折する。分岐を少し下ると、ナベクロ峠、ここで東へ折れる。少し進むと奥山椒への分岐、この付近は分岐が多く迷いそうなので、初めての時はコース取りに十分注意が必要だ。桟敷へは南へ南へと尾根を進んで行く。先程から左手の方で「お〜い お〜い」と何やら怪しい呼び声が聞こえる。そのうち「バーン バーン」と銃声がし、「近くで恐いな〜」と二人は自然と速足になる。

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鉄塔下を左折し桟敷へ ナベクロ峠 奥山椒分岐

 この尾根も雑木が続き、きれいな雑木の中を登り出し残雪を楽しむと桟敷ケ岳に山頂に出る。「久し振りだな〜」と何となく懐かしそうに東方に開けた山々を眺めながら、広々した山頂で小休止とする。岩屋橋のバスには十分時間があるので、下山はゆっくりと薬師峠はと向かう。

雑木が続く下山コース、「あれ アレ?」、久し振りなのと、いつもと逆コースなので、目に飛び込んでくるものが全て新鮮に見える。尾根から斜面を下り斜面の横道に変わる所に、たくさんのテープがあり、それも色々な方向に続いているので、かえって迷ってしまう。過去の記憶をたよりに歩いて行くと、結局それらのテープは同じ道として出合っている。

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広々した山頂で小休止とする やっと薬師峠に降り立つ

 岩茸山をすぎ、大森を眺める見晴らし台を過ぎ、西谷分岐を過ぎると、やっと薬師峠に降り立つ。「あ〜 まだまだ時間があり過ぎる」と志明院までの谷で、ゆっくり顔やストックを洗いのんびりとする、もう冷たく感じない水に「もう 春やな〜」。



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木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。


ヨブ記 【14−7】
灰屋から折り返し周山へ向かうバス




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