白滝谷〜夫婦滝〜打見山//比良


緑が多く心地よい白滝谷の左岸



2008年8月9日  曇り時々晴れ  哲・道





     
行き:JR京都 7:58−JR堅田 8:45−坊村バス停
 
帰り:JR志賀15:35−JR京都



コース:
坊村バス停−牛コバ−(白滝谷)−夫婦滝−汁谷−打見山












 「比良の葛川越でも探索しよう」と考えていた哲郎だが、大岩谷から最後の登りは傾斜がきつく、「この暑い夏に探索はないだろう」あきらめる。「普通のコースにしよう!」と最近疲れている道子、結局白滝谷コースを選択し「途中のクルシ谷コース取付と夫婦滝から比良岳への尾根コースの取付を確認しよう」ということになる(コースと言っても道はありません)。それとイワタバコ、シモツケソウ、キタヤマブシの様子も見ることにする。

 JR堅田駅でバスを待つが誰もやって来ない。発車間際になって葛川キャンプ場へ向かう子供たちがどっと乗り込んでくる。登山客は我々以外に2人で、彼らは平で降りてしまい坊村で降りた登山客は我々二人である。「こんなこと冬以外は初めてや!」といいつつトイレ前で準備する。比良山荘の横を通り橋の手前で右にとり明王谷沿いの林道を歩き出す。

右にとり明王谷沿いの林道を歩き出す 数回橋を渡るが、その都度下の谷をのぞきこむ

 今日は晴れてはいるが、昨夜の雨のせいか谷沿いの林道は涼しい。ここ数日間午後から雷雨となり心配だが、「どうやら今日は雷雨があっても夕方以降だろう」と哲郎。そういえば「昨年は夫婦滝で一時間の雨宿り、一昨年は汁谷で雷雨のため三時間も足止めだったな〜」。林道横の崖に湧き出ている水も今年は少ないようで、「雨が少ないからな〜」といいつつ手や顔を洗う。伊藤新道の分岐を過ぎると数回橋を渡るが、その都度下の谷をのぞきこむ。

 その谷の岩の上でカップルが涼んでいて、谷のせせらぎを聞きながら冷風を受け、さぞかし涼しい事だろう。「ユックリとあんなんしてみたい」と道子。牛コバの分岐を過ぎ林道終点の湧水で小休止する。林道終点から登山道に入ると岩が多い谷沿いの道が続き、最後に石を敷きつめた道を少し登れば、目の前に左岸に渡る橋が見えてくる。「少なくなってきたな〜」と岩肌に咲くイワタバコを見ながらパイプで補強された橋を渡り大きな岩の合い間をぬって歩き出す。

林道終点の湧水で小休止する パイプで補強された橋を渡り左岸へ
蒼々とした樹木が心地よい左岸

 谷の中を歩いているのだろうか大石がゴロゴロしているが、ここは緑一杯で心地よい。途中で「イワタバコを撮ろう」と流れに近づいていくのだが、濡れた石はツルツルしていて簡単に近づけない。「一眼レフだったら」といいつつ、とうとう諦めてしまう。樹木の緑を楽しんだ後修理された橋で右岸に渡るのだが、二人とも「簡単に行ける」と谷を渡渉する。橋の手前のイワタバコで遅くなった哲郎に「15分も待った」と道子。「それはないだろう」と哲郎、二人は右岸の道を歩き出す。

 少し進むと登山道が崩壊しているので迂回ルートに入る。この付近から道は斜面の高い所を歩くようになり、所々にハシゴやロープ場があり、登山コースといえども注意が必要だ。「すべり石」を過ぎ登山道が谷に近づいてくると左手から注ぎ込む谷に出合い、ここで小休止とする。「これがクルシ谷だろう」と地形図を取り出し確認する。この谷の上流を見ると、すぐに数十mの断崖となっており「谷からは進めないな」と周辺を確認していると、目の良い道子が斜面にテープやマークを見つけ「クルシ谷の取付は確認できた」と哲郎。

右岸の所々にハシゴやロープ場があり、
登山コースといえども要注意
ハシゴの下に谷が見えるようになり、
谷に出合うともうすぐ「すべり石」

 十分の休息後先へ進み、その先で左手からの小さな谷を過ぎると「白髭渕」の標識に出合い、ここから白滝谷を離れ斜面を登って行く。小さな谷沿いに登って行くが一旦谷から離れると標高800m付近で斜面を巻きながら進んで行く。ここで初めて上から下りて来た登山者、否沢登のグループに出会う。沢登りを楽しんで坊村へ帰るのであろう、「坊村に駐車していたのは彼らやったか」と哲郎。

夫婦滝

 標高820m付近の支尾根の先端に来て「後は下るだけや」と小休止する。この支尾根、ここから比良岳まで標高差200m余りで「ここは登れるやろ、いずれトライしよう」と尾根の様子を伺っていると、夫婦滝方面から数人の登山者が来て「今日は、ここの尾根を登って行きます!」とリーダーと思われる人が先導する。哲郎がトライしようとしていたコースを目の前で数人がトライしようとしている。「あれ〜」と思う哲郎だが、今日は「普通のコース」と決めていたので二人は夫婦滝へと降りて行く。

 さすがに夫婦滝、ここまで来ると必ず登山者やハイカーに出会う。我々は河原に入りここで昼食とする。「汗臭い」と道子は服を着替えているが、哲郎は服を脱ぎ谷水で洗い枯枝で干す。裸の哲郎は「アブよこないで」と言いつつオニギリを食べる。河原に咲くシモツケソウはポツンポツンと少しずつなので、なんだか寂しそう。オニギリを食べ終えた二人は、汁谷に向かって白滝谷上流を歩き出す。もうここは登山道というよりハイキングコースなので歩き良い。谷も細くなり流れも緩やかで平坦な道をのんびりと歩く。

河原に咲くシモツケソウ 夫婦滝を過ぎると
流れも緩やかで平坦な道をのんびりと歩く

 もう今日は「ロープウェイで下る」モードになっているので歩くのもゆっくりだ。キタヤマブシはまだまだだが足元のヤマアジサイとシモツケソウを楽しみながら歩く。上空は朝より雲が増えたものの「今日は大丈夫だろう」と一安心する。木橋を渡り少し進むとシャガ谷のポンプ小屋に出合い橋を渡る。ここから汁谷キャンプ場までは広い散策路を歩き、いつもの所で早咲きのキタヤマブシを楽しむ。クリンソウ畑を過ぎ危険物倉庫を過ぎると汁谷キャンプ場に着く。

早咲きのキタヤマブシ 打見山に着き芝の蓬莱山を見る

 リフトでやって来た観光客が木陰で涼をとっているが広い草原はヒッソリしている。スポーツドリンクを二人で飲みながら、目の前のリフトを見て、「今日はリフトに乗ろう」と一昨年の雷雨で5時まで足止めした時以来だがリフトに乗る。涼しい風を受け、見晴らしもよく心地よいリフト「300円は安い」と二人は思う。

 打見山に着き芝の蓬莱山を見ると、登りたくなるようになるが、今日は予定通りロープウェイで降りることにする。トイレで着替えた道子を見て、哲郎もと思ったが、・・・「えらいこっちゃ!」「朝、山用のパンツ、はくの忘れてた!」。山麓駅売店でパンツを探すが、「売っているわけないだろう」と諦め、タオルを巻いてガマンする。なんだかんだと結局遅くなり、いつもと同じ電車に乗っているようだが、今日は赤塚不二夫のように「今日はゆっくりでいいのだ!」と。






地が芽を出し、
園が蒔かれた種を芽生えさせるように、

【イザヤ 61−11】
打見山から笹平へのリフト下に続くユリの花