奥ノ深谷支流(大橋〜荒川峠)//比良


最初の分岐を左にとると、
京都北山のような緩やかな谷が続く



2009年8月15日  晴れのち曇り  哲・道


行き:出町柳 7:45−坊村バス停(京都バス)
帰り:JR志賀15:35−JR京都



コース:
坊村バス停−牛コバ−奥ノ深谷出合−大橋−標高800m谷分岐−標高820m谷分岐−作業小屋跡−標高850m谷分岐−古い山小屋−標高880m谷分岐−標高910m分岐−荒川峠−(荒川峠道)−湧水−荒川峠登山口−JR志賀駅


注意:
大橋から荒川峠への谷筋はなだらかで危険な所はありません。谷をを上がるときは数ヶ所ある分岐を間違えないよう注意して下さい。(地形図と磁石は必携)自信のない人は荒川峠から下れば、問題なく大橋へ行けるでしょう。








 夏休みも後半になり、「そろそろ出かけなくては」と比良へ出かけることになる。哲郎が地形図を眺めて「この谷は なだらかで滝もないだろう」「ひょっとしたら 荒川峠への古道があるかも知れない」と予想した、奥ノ深谷支流の大橋から荒川峠への谷を探索することにする。

 新しいルートを歩く時は、出町柳7:45発の京都バスを利用する。7:30出町柳のバス停に着くと、盆なのに結構登山客がいて、「墓参りだろう」手土産を持った初老の方々も列に並ぶ。それでも臨時便が出る程でもなく、我々もギリギリ座ることができる。

比良山荘のイワタバコを見ながら歩き始める 「やはり 夏は谷筋だろう」と
明王谷の林道を歩いて行く

 坊村に着きトイレ前でゆっくりと準備するが、他の方も今日はゆっくりのようだ。比良山荘のイワタバコを見ながら歩き始めると、今日は武奈ケ岳へ登る人は少なく、「やはり 夏は谷筋だろう」と明王谷の林道を歩いて行く。日差しは強いものの、蒸し暑くなく日陰はひんやりして心地よい。それでも歩き続くると、汗が出てきて「暑い!」と言うことになり、途中の東屋で小休止する。

 先程のグループは牛コバから谷に降りて行き、白滝谷を楽しむようだ。我々は牛コバから奥ノ深谷コースへと入り、摺鉢山を登り始める。標高差250m以上あるこの登り、夏でなくてもシンドイところである。ジグザグの登りは最初は、白滝山を見ながら登るが、周囲の木々が潅木から落葉樹に変わる頃、奥ノ深谷寄りになる。標高700m付近の、擂鉢山への分岐の大木を過ぎ、尾根から離れ奥ノ深谷の横道に変わる。

緑が心地よい明王谷林道 牛コバから奥ノ深谷コースへと入り
摺鉢山を登り始める

 まだまだ谷より100m上を歩いているのに、谷の音がゴーゴーと聞こえ、今日は水量が多いことが分かる。斜面の横道、数ヶ所あるロープ場は整備され、道幅も広がりロープは不要のようだ。でも道子はしっかりとロープを持って進んでいる。ミカエリソウがあった斜面も歩きよくなっているが、斜面のミカエリソウは流れてしまったのか見当たらない。

 小さな岩場の谷を過ぎると、しばらくして奥ノ深谷に降り立つ、ロープが張ってある所は、昔橋があったところだが水量が多く渡りにくいので、少し上流に行き谷を渡る。渡った対岸でゆっくりと顔を洗い小休止していると、後ろからやって来た人々は、何処を渡るのか思案しているようだ。大橋に向かって歩き始め、緩やかな谷沿いの道、谷のせせらぎと樹木の緑を楽しむ。

ミカエリソウがあった斜面も歩きよくなっている 水量が多いので、少し上流に行き谷を渡る
奥ノ深谷出合

 大橋に着き、いつもの昼食ポイントへ行こうとすると、目の前で橋を渡って来た数人の男性グループが、昼食ポイントへ向かっていて「あちゃ! 1分遅かった!」。「仕方がない」と我々は橋を渡り、昼食場所を探す。対岸にも男性が陣とっているので、少し下流の河原で食べることにする。

 オニギリを食べ終える頃、ハチがやって来たので二人は虫よけで追い払うが、またすぐにやって来るので、早々に立ち去ることにする。10分の昼食休憩の後、南比良峠へと歩き始める。奥ノ深谷支流の左岸を進んで行くと、谷間に綺麗な雑木が続き「夏でも 綺麗な谷や」と緑を楽しむ。

橋を渡って昼食とする / 大橋 奥ノ深谷支流
「夏でも 綺麗な谷や」と緑を楽しむ

荒川峠への谷分岐は標高800m付近にあるので、高度計を見ながらゆっくりと歩いて行く。谷分岐に着き、早速右俣に進入を始める。最初は哲郎だけがちょっと進んで様子を見る。少々荒れているようにも見えるが、谷そばが歩けそうなので、分岐で待つ道子に「行くぞ」と叫ぶ。

標高800m付近の谷分岐 歩けそうなので進入する

 右に左に歩けそうな所を歩いて行くと、すぐに谷分岐に出合う、標高820m付近だから地形図でも確認できる分岐だ。谷は二分しているようにも見えるが、地形図に従って左にとる。そこには京都北山のような緩やかな谷が続き、「いいところや!」と言っているうちに植林地に出合う。

 次のチエックポイントが標高850m付近の谷分岐なので注意して進んで行くと、植林地の中、崩れた作業小屋があり、数本のプロパンのボンベやプラスチックの風呂桶も転がっていて、昔ここで長期滞在していたようだ。そんなガレキの中、道子に「クギを踏まないように」と言いつつ、標高850m付近にあると思われる谷分岐のポイントに注意しながら歩く。左に小さな谷の分岐はあるものの本流に沿って歩いていくが、標高850mを過ぎても分岐が見当たらないので、左の斜面を登って様子を伺うことになる。

標高820mにある谷分岐 崩れた作業小屋があり、プロパンのボンベや
プラスチックの風呂桶も転がっていて

 どうやら先程の小さな谷が南東に伸びる目的の谷のようで、、この小さな谷に沿って歩くことにする。ここで山すそに作業道を見つけ「この道 何処から来ているのやろ!」と言いつつ、当分の間この道を歩くことにする。前方にまた古い小屋が見えてきて、近くにトイレのあるし、入口に「Welcome」と書いてあるので、「山小屋やろか?」。標高880m付近の分岐も真っすぐ南東に向かうこの道、ここで「これは荒川峠へ 向かっている」と哲郎は確信する。

標高850m付近で山すそに作業道を見つけ
この道を歩くことにする
入口に「Welcome」の山小屋?

 もうすでに枯れ谷ではあるが、谷を歩く作業道を進んで行くと、標高910mを過ぎた所で分岐い出合う。地形図によるとここは右をとるところだが、作業道は中央の支尾根を登って行く。右手の谷も歩けそうだが「ここは作業道を歩いてみよう」と進んで行くと、道は斜面をジグザグに登り始め、最後は右手の谷に出合ってくれて一安心する。「荒川峠は もうすぐや」と言っているうちに、すぐに先方が明るくなり峠に着く。「あっけないな〜」と小休止しながら、歩んできた道を振り返る。

「これは荒川峠へ 向かっている」と
この道を歩くことにする
道は斜面をジグザグに登り始め
最後は右手の谷に出合ってくれて一安心
出合った谷道を詰めて行く 「あっけないな〜」と荒川峠

 まだまだ下山するには早い時間だが、予定していた深谷や葛川越を止め「暑いので ここを下りよう」と目の前の荒川峠道を下ることにする。峠道を下り始めると目に飛び込んでくる雑木の緑、「ここは いつ来ても心地よい」と言いつつ下って行く。植林地を下りきり、湧水ポイントで休息するが、この冷たい水はいつまでも、二人を引きとめてくれる。冷え切ったところで出発するが、すぐに「暑い アツイ」と言いつつJR志賀駅へ向かう。






地が芽を出し、
園が蒔かれた種を芽生えさせるように、

【イザヤ 61−11】
タマゴタケ