武奈ケ岳(御殿山〜ワサビ峠〜イブルキノコバ〜金糞峠)


雨上がりの西南稜、ホツツジの紅葉が始まる



2009年9月23日 (水 *祝)晴れ  哲・道


行き:出町柳バス停 7:45 − 坊村バス停
帰り:JR比良駅17:36 - JR京都駅



コース:
坊村バス停〜明王院〜(御殿山コース)〜P846〜夏道分岐〜見晴台〜御殿山〜ワサビ峠〜西南稜〜武奈ケ岳山頂〜イブルキノコバ〜八雲ケ原〜奥ノ深谷出合〜金糞峠〜青ガレ〜正面谷〜イン谷口〜堂満岳登山口〜JR比良








 

 シルバーウイーク(響きが悪いな〜)最後の日、「運動不足だ!」と出かけることにする。前線の通過で京都や滋賀地方の降水確率は30〜40%であるが、午前中に回復するという予報なので「比良へキタヤマブシを見に行こう!」と言うことになる。

 7:30頃出町柳バス停に着くと登山客がたくさんいて「こんな天気にもかかわらず?」と思っていると、ほとんどの人が北山方面の登山客で、これまた「???」。結局5名の登山客を乗せただけで朽木行きは発車する。こんな雨模様の天候の場合大原を過ぎ山合に入ると、バスのフロントのワイパーが動き出す。それでも花折峠のトンネルを抜けると山々に雲がかかっているものの、雨も上がり「やれやれ」と安心する。

 坊村バス停で4名降りる。虫よけだろうドアが付けられたトイレを借り「トイレ前は蚊が多い」と三宝橋手前の大木の下で準備する。一緒に降りた2名は白滝谷へでも行くのであろうか、明王谷林道へ消えて行く。工事中の明王院を抜け登山口から登り始めると、すぐにネットが邪魔をして、新しく作られた迂回路を歩く。

雨模様の坊村バス停で降りる 新しく作られた迂回路を歩く

 今日は前にも後ろにも誰もいず淋しいところだが、マイペースで登れるのが良い。いつまでも続く植林地の急登、「久しぶりやな〜」といいつつ何度も飲水休憩をとり登って行く。標高650mを過ぎる頃から植林も終わり、雑木の中を歩く頃には傾斜も緩やかになる。標高690mにある小ピークで小休止後、鞍部に咲くキタヤマブシを見ながら尾根を乗り換え、P846のある尾根まで標高差150m登ることになる。

 冬期の積雪時は目の前の急斜面を100m位登るのだが、登山道は左手の斜面を巻いて行く。樹木の綺麗な斜面で登りも余り苦にならない。一登りするとユッタリとした広場に出合う。ここは主尾根が南へ向きを変える所で、南への矢印もあり道を間違え遭難する人もいるので、いつの間にか登山道へ誘導するようにロープが張ってある。比良で見かける赤い矢印は登山用ではないので注意が必要である。

いつまでも続く植林地の急登 キタヤマブシを見ながら尾根を乗り換え

 P846を過ぎ分岐を左の夏道にとる。しばらく続く斜面を巻く道は、まだまだ緑の濃い樹木が続き心地よい。支尾根に突き当たるとその手前の谷間を登る。枯れ谷に咲くキタヤマブシの群生を見て折り返し、斜面を支尾根まで登る。雑木の支尾根を登って行くとすぐに見晴らしの良い広場に出合うが、今日はガスが濃くて何も見えない。この広場に咲くキタヤマブシを見ながら、またまた小休止とする。

 後は御殿山まで背の低い樹木の中の登山道を足元に咲く花を見ながら登って行く。御殿山からの展望はなく、「寒い!」と汗で濡れたシャツを着替え、すぐにワサビ峠へ下って行く。峠で三人の家族連れに出会い、今日はじめての出会いとなる。

枯れ谷に咲くキタヤマブシの群生 見晴台に咲くキタヤマブシを見ながら

 西南稜への登りでは、この天候、リンドウは開いてくれないが、かわいいセンブリが咲き始めている。そのうち天候も回復してきたのであろう、時々日も差してくれて、ありがたい。西南稜にはホツツジが咲き、その葉も赤く染まり始め、その間を歩いて行く。

 「あっ!、風車!」と花の名前が出てこない哲郎はシオガマギクの赤い花を見て先を行く道子に言う。伊吹山のシオガマギクは群生していて賑やかだが、西南稜ではおとなしく見える。そんな中1人の男性がやって来て、花観賞でユックリの我々を追い越していく。ガスも切れ最後のキツイ登りが目の前に見えてくる。下を向いて黙々と登り、イブルキノコバからの道に出合うと前方に山頂が見えてくる。

ガスのワサビ峠から西南稜へ この天気、リンドウは開かないが
かわいいセンブリが咲く
くるくる回る、シオガマギク 紅葉の始まったホツツジ

 山頂は3人の男性がいるもののヒッソリとしている。適度の風も「心地よい!」と山頂で昼食とする。周囲の山々はガスでかすんでいるので、10分の昼食休憩後すぐに下山を開始する。「今日はイブルキノコバへ行こう」と分岐を左にとり急な斜面を下って行く。溝状の道が終わると綺麗な樹林帯の中を緩やかに下って行く。やっと谷に出合い顔を洗おうとするが水が少ないので、ずっと下流まで歩くことになる。

武奈ケ岳山頂 綺麗な樹林帯の中を緩やかに下って行く

 とうとうイブルキノコバ付近まで来て、谷水で顔を洗い小休止する。ここから八雲ヶ原までの登山道は標高1000mの緩やかな道が続き、樹木の緑を楽しみながら歩く八雲ヶ原は相変わらず殺風景だが、草原に咲く野草を楽しみながら10分間散策する。14時00分、「もう下山しよう!」「今日は金糞峠から」と八雲池から奥ノ深谷源流沿いを歩く。

「何だこのきのこ?」で調査中 谷間に咲くオオカニコウモリ

 奥ノ深谷源流を歩くのは久しぶりで、所々登山道が薄くなっている所があり「ここを歩く人が減ってきたようだ」。でもその分自然が少しずつ深くなってきているようで、心地よく歩くことが出来る。30分足らずで峠道に出合い、顔を洗ってから峠へ登って行く。「峠から急坂が続くから」とここでも3分の小休止とする。

 峠から細い斜面を下ると、次はゴロゴロ石のガレた斜面を浮石に注意しながら慎重に下る。落石しやすいので多人数での登り下りは注意が必要だ。やっと土石流で荒れた谷を通り過ぎ、青ガレを下る。「昔は石の中を歩いていた」と道子、最近はガレの端を歩くので簡単に降りることが出来る。正面谷に出合うと「麓まで、まだまだや!」と堰堤下で涼をとりながら休息する。

奥ノ深谷源流を歩くのは久しぶりで 青ガレの端を下る

 正面谷沿いを下って行くが、水量が少なく伏流になっているところもある。「今年の9月は雨が少ないからな〜」と日も短くなって段々暗くなっていく登山道をイン谷口へと急ぐ。








そよ風が吹き始め、
影が消え去るころまでに、
私は没薬の山、
乳香の丘に行こう。

雅歌 【 4−6 】
マツムシソウ