半国高山(岩谷峠〜供御飯峠)//北山


雑木の綺麗な林を抜け岩谷峠へ向かう



2009.1.10 (土) 雪  哲、道





行き:JR京都駅(JRバス 8:10) − 小野郷バス停
小野郷バス停 (JRバス 14:46)− JR京都駅



コース:
小野郷バス停〜岩戸落葉神社〜岩谷林道取付〜ゲート〜登山道取付〜岩谷峠〜半国高山〜作業道出合〜鞍部〜P534分岐〜伐採地〜供御飯峠〜小野郷口バス停〜小野郷バス停



注意:
半国高山はハイキングコースですが、積雪時、雑木道が不鮮明となり危険コースとなります。積雪時は初心者危険コースです。












 1月の3連休、低気圧の影響で比良はどうやら大荒れのようだ。それでは「魚谷山へでも」とワカンまで準備していたが、朝、雨が降っていたので「山は 吹雪きや!」と近場の半国高山に変更する。

 近場と言うことでJR京都駅8時10分発 周山行のバスに乗る。途中立命館大学へ行く学生達でバスは満員になるが、皆が降りてしまうと車内は静かになり、ゆっくりと外の景色を楽しむ。屋根には今朝降った雪が残り、高雄に近づく頃から雪が降り出す。「やっぱり」と車内でレインウエアに着替え、小野郷バス停で降りる。

小野郷バス停で降りる 岩戸落葉神社の神社横を通って

 降り続く雪をさける為、派出所のトイレ前へと移動する。いつも準備は岩戸落葉神社でしているが、この雪、「あそこは 寒そうだ」とパトカーの横で準備することになる。トイレを借り、ゴソゴソと準備をしていると「怪しい音がする」と思ったのか、若いポリスマンが出てくる。我々が登山者と分かると「この雪で 大丈夫か?」「どこへ 行く?」「どこへ 下山?」等、色々と尋ねてくる。きっと職務上の質問だろうが、結局、この付近で遭難して欲しくないのだろう。「大丈夫です」「このコースは何度も 来ています」と説明すると、やっと彼は派出所の中へ戻って行く。

 降りしきる雪の中、「さあ 出発」と国道から岩戸落葉神社の方へ向かうが、裏道にはたくさんの雪が積もっている。神社横を通って岩谷林道へ入ると、すぐに林道ゲートがあり「クマ出没」の看板を見る。横を通り抜け橋を渡り、植林地の中を歩き出す。右手に大きな捕獲用のオリ、「きっと クマ用なんだろう」と通り過ぎる。

すぐに林道ゲートがあり「クマ出没」の看板 右手に大きな捕獲用のオリ

 しばらく、なだらかな植林地の中を歩く。道の両側に木がある場合は積雪が少ないが、谷間が広がるとすぐに深くなる。しかし、この雪は昨夜からの雪でサクサクと柔らかく歩き良い。途中で谷を渡り標高400mまで来て、「小休止しよう」と、ちょっと目の前にある仕事小屋で、雪をよけ休憩する。この付近から右への作業道を見るが、少し細くなった本道を進み、林道が大きく右にカーブする地点に、岩谷峠への取付があるので注意して歩く。

林道カーブ地点に着き進入 取付にある標識 雪と倒木が続く植林地

 林道カーブ地点に着き、左手に標識やたくさんのテープを見る。ここから進入し、谷沿いに進むことだけは記憶しているが、一歩進入すると雪と倒木が続く植林地、しばし進路を考える。「そうだ 谷を渡って」と思い出しながら谷沿いを進んで行くと、突き当たったような所で左岸に渡り返す。この付近には両側にテープがあるので注意していれば分かるようだ。雪で踏跡は見えないが、少し広くなった道のような所を歩き、斜面を登り始める。ジグザグに斜面を登って行くと、途中に小さな谷を渡る岩場のロープがある。今日はは雪が積もっているので、ロープのお世話になり慎重に渡る。

木々は雪化粧し「きれいや」と雑木の中を 最後は右手に取り岩谷峠に出る

 後は危険な所もなく、ジグザグに登って行く。アセビの木が増えてくる頃、右手に谷を見ながら歩くことになる。木々は雪化粧し「きれいや」と雑木の中を歩くが、このような光景は低山でないと味わえないようだ。小さな谷を渡り詰めて行き、最後は右手に取り岩谷峠に出る。小広い岩谷峠で「お昼にしよう」と思ったが「尾根は 風が当たり寒い」と半国高山へ進むことにし、右手の尾根を登り始める。植林と雑木の境を歩くのだが、新雪のため木の根を踏んでしまうと滑ってしまう。

 植林から雑木に変わり、雪が少し深くなるが、それでも30〜40cmで歩き良い。雑木の雪を楽しみ少し登って行き、最後は雑木の尾根を右に左にウロウロしながら進み、やっと山頂に出合う。山頂付近は木々が密集しているので雪が少なく「少し 下った所は 風が当たらない」と雪の舞う山々を見ながら昼食とする。すぐに冷え込んできたので「出発や!」と10分で昼食休憩を終える。山頂から供御飯峠を目指し歩き始める。

雑木の雪を楽しみ少し登って行く 半国高山山頂

 すぐの雑木の尾根にロープが張ってあり、直進できないようにしてある。「そうそう ここは右に振って」と、少し下りて斜面を巻いて行くのであるが、雪の為、全く進路が分からない。時々あるテープを確認しながら、下らないよう注意して巻いて行くと再び尾根に乗る。なぜ迂回しているのかは、いまだに疑問である。尾根を少し下って行くと、目の前に植林地が現われ尾根は左右に分かれている。左右にある植林と雑木の間は同じような感じで「どっちやった?」と左右の支尾根を何度も確認する。「雪でなければ 明確なのに」と哲郎は雪の降る中、地形図を出し確認する。支尾根は北西と南西にあるので「左の 支尾根や!」と決め、下ることにする。

山頂から「そうそう ここは右に振って」 植林地に出合い「左の 支尾根や!」と決め

 急な斜面が続き、雪の下の落葉が滑りやすく、道子は何度も尻餅を付く。途中でやっとリボンを見つけ安心する。しばらくすると左手に作業道(林道)の終点を見る。「又 植林地や!」と分岐に出合い、ここも左の植林地の端を降りて行く。標高500m位まで下りて行くと、なだらかな尾根に変わり、ここから南西に少し登って行くと、ヤブ道が続く。元々細い登山道、雪におおわれたヤブの中、進路は分かりづらいが、尾根を外さないように進む。前方が開けて、右手からの作業道と接すると、標高500mの鞍部に出合う。休む間もなく、目の前の斜面を登って行くと、標高520mに小広場があり、ここから振り返ると雪の半国高山が一望できる。

 雑木の中を少し登って行くと、P534に着き小休止とする。後は供御飯峠へ下りるだけやと思っていた二人は、ドンドンと尾根を進んで行く。尾根が下がりかけた時「ちょっと おかしい!」と哲郎、地形図で確認すると、いったん鞍部に下りているが、目の前にそのような所が見当たらないからだ。「おかしい!」と哲郎はP534まで引き返し、地形図を取り出し再確認する。登山道はP534の尾根を直進せず、右へ降りているようで、ピーク付近を調べていると、ピークから少し進んだ所に「→ 供御飯峠」の標識を見つける。道子に大声で「こっちや」と呼び返す。道も見えず、標識やテープも雪で隠れているので、地形図とコンパスと高度計による歩行となり、裏山のようなハイキングコースも、積雪時は危険なコースになるようだ。

振り返ると雪の半国高山が一望できる P534の尾根を直進せず、右へ

 雑木の斜面を下り、鞍部からちょっと左手の斜面を登るのだが、この付近は積雪時がなくても分かりにくいところだ。鞍部手前で小さな標識を見つけ「何や 見たような字や!」と二人とも見入る。(哲郎の字であった)。鞍部から標高差20〜30m、植林地を登って行くと、ピークに出て南方が開け雑木道に変わる。この支尾根は開けているので、今日一番の残雪で心地よく南へ下って行く。途中で大きく横たわっているソヨゴの木に出合い、赤い実を楽しむ。

 もうすぐ供御飯峠なので、バスの時間を気にする哲郎は、峠からの下山道を考えながら歩く。植林地に入り、急に残雪が少なくなると供御飯峠に着く。残りの時間から杉坂口はしんどく、「あの おまわりさんに 下山報告しよう」と小野郷口へ下ることにする。細い植林地の中の道を進むと、5分で林道終点に出合う。ここにトラックが止まっていて、どうやら作業が終わったようで帰る準備をしている。

ピークに出て南方が開け雑木道に変わる 供御飯峠に着く

 後はこの林道を下って行くだけで、途中から国道を見ながらゆっくり下って行く。「あ、着いた!」と林道を15分歩くと小野郷口バス停に着く。通行量の多い国道の雪は融けているが、道端に積もった雪の上を歩き小野郷へ向かう。10分で小野郷の派出所に着き「トイレ 借ります」と無事帰還をポリスマンに報告する。トイレ前でゆっくり後始末して、ちょうどやって来たバス乗る。








主は羊毛のように雪を降らせ、
灰のように霜をまかれる。

詩篇 【147−16】
バス停小野郷にあるお地蔵さん