八丁谷/比叡山//北山


八丁谷上流は北山の深山のごとく落ち着いている



2009.7.25 (土) 雨  哲、道


行き:JR京都駅7:50(京都バス)− ふるさと前バス停
帰り:八瀬駅前バス停13:05−国際会館駅バス停



コース:
ふるさと前バス停〜八瀬天満宮社〜古道取付〜八丁谷出合い〜お地蔵さん(お墓?)〜谷分岐〜斜面を登る〜林道終点出合〜松尾坂道出合〜松尾坂〜ケーブル八瀬駅



注意:
・八丁谷、お地蔵さんを過ぎると古道は消え、谷沿いを歩きます。道は不鮮明だが危険な所はありません。松尾坂出合までの最後の200mは倒木が多く歩きにくいので、右手(西)にある林道終点を目指し斜面をよじ登り林道に出るか、真っすぐ南にとり谷と谷の間の植林地を登り林道に出る。












 

 梅雨がなかなか明けてくれず不順な天候が続く中、降水確率が40〜60%の京都、ネットで雨の予想をした哲郎は「雨は大丈夫だろう」と言うことになり、近場の比叡山、久しぶりだと八丁谷から大比叡を目指すことにする。早朝の大原行きのバスは空いていて、車も少なく市街地をスイスイと進む。途中でパラパラと雨が降ってきたが「ふるさと前」バス停で降りる頃には上がっている。バス停から集落への道を南へ50mも行けば八瀬天満宮社の参道前に着く。 

 「準備はお宮でしよか!」と歩き始めると、またパラパラと降り始め、二人は慌てて参道を駆けていく。天満宮社の階段を上がり大木の下で準備していると、雨も上がったようだ。スパッツを着けヒルはいないだろうが虫よけを靴や身体に吹きかける。 

八瀬天満宮社の参道を進む 八丁谷取付はお宮を左へ

 階段下の道は左に折れお宮の建物の前で林に突き当たる。ここが八丁谷の取付だ。ササの茂る古径へ進入すると、みぎてにケモノ捕獲用の檻があるが、その先で植林地の斜面に突き当たる。「あれ、道がない!」と斜面を登ったり、下の用水路への踏跡を辿るがどれも違うようだ。いつもならこのまま進んでしまうのだが、前回の探索時立派な道が有った事を覚えているので、引き返しながら道を探す。哲郎は斜面の上に道を見つけ、お宮の取付まで引き返してみる。

 「何や!」と古道は取り付きからすぐの所で右に折れていて、ササが茂っていたので分からなかったようだ。「それでは」と歩き始める二人だが、「かゆい、カユイ!」と、ユックリしていたので手や身体を虫にかまれたようだ。「もっと、虫よけしておけばよかった!」と言っても後の祭り、ハッカ油やサロンパスの刺激の強いものでかゆみを抑えることにする。古道はしっかりしていて斜面をまくように続いている。

お宮の左奥にある八丁谷取付・すぐ右へ 古道はしっかりしていて斜面をまくように続く

 地形図によるとこの道はほぼ真っすぐ東へ向かい、標高300mで谷に下り八丁谷を渡り黒谷越の道に出会っている。前回も分からなかった黒谷越への分岐、今回も注意していなかったのか通りすぎたようで、道が崩れているシダが広がる植林地に出合う。「谷を渡る道は次回の宿題にしよう!」と、注意してシダの道を進み、すぐにまた古道に出合う。ザーザーと音をたてて流れる八丁谷が足元のず〜と下に見えてきて、ここから八丁谷に沿って南に取る。

 地形図では先ほどの黒谷越への道から谷を歩くように破線が続いているが、上からのぞいた限りでは歩けそうもないような気がする。谷の高い所を歩いて行くと、谷は少しずつ近づいて来て古道は谷に接するようになる。「あっ!」と目の前にお地蔵さんが立ち並んでいるところに着くと、ハッキリした古道も終わる。「お墓なんだろうか、こんな山奥の谷沿いに」と比叡山周辺には不思議だ思うところがたくさんある。

道が崩れているシダが広がる植林地に出合う 音をたてて流れる八丁谷が足元のず〜と下に
谷は少しずつ近づいて来て古道は谷に接する お地蔵さんが立ち並んでいる

 ここからは道がはっきりしなくなり、広い植林地の中を歩いたり、大きな石のゴロゴロ道を歩いたり、と少しずつ谷を詰めて行くと、谷分岐に出合う。標高360m付近にある谷分岐で、ここは一旦右岸に渡り、しばらくして左岸へ渡り返すのだ。前回、ルートを探索したので、先を行く道子は既に谷を渡っている。哲郎も渡りかけると雨が降ってきたので急いで渡る。

 対岸の草むらにオオルリソウの群生を見つけ写真を撮ろうとするが、雨が降り続けているので大木の下で雨が上がるのを待つことにする。パラパラと降ってはすぐに止んでくれてはいるものの、雨のたびにすぐに上がるかどうか心配する。しばらくして雨もあがったので二人は上流へと歩き始める。道には蛇が現れるもののヒルがいないので雨天でも安心して歩くことが出来る。「また、雨や!」と植林の下で雨宿りするが、少し長く降っているので「ちょっと早いがお昼にしよか」とオニギリを食べ始める。

大きな石のゴロゴロ道を歩いたり 標高360m付近にある谷分岐を渡る

 雨は益々強くなり、木の下では雨宿りにならなくなる。哲郎は傘を取り出しオニギリを食べていて、一個食べ終わったところで、「これはひどい!」と場所を移動することにする。それでも「もう止むだろう」と傘をさしたまま雨宿りの気を探しながら上流へと移動していくが、この谷には雨宿りできるような大木はない。レインウエアを着損ねた二人は「仕方ない」と傘をさしたまま谷を詰めて行くが、谷の水が増え、濁ってきて、前方に倒木があり「これは無理だろう」と右手の斜面に取り付くことにする。

 「この斜面、何とか登れるだろう」と哲郎は傘をさしたまま登り始める。道子は「危ない」と傘をしまい斜面をジグザグに登って行く。左手にシダの茂る谷があり踏跡があるようだが、雨が降っているので植林地の中を歩く。標高差50mも登っただろうか、左手の谷の上にぼんやりと林道が見えてきたので、道子に「林道や!」といい、斜面を左へ寄って行くと林道終点に出合う。

「これは無理だろう」と右手の斜面に取り付く 道子に「林道や!」といい

 林道は左のシダの谷間で止まっていて「丁度ぴったしや!」。この林道は八丁谷に沿ってほぼ水平に伸びている。雨の降り続く中、林道を進んで行くと車止めに出合い、林道が東へ曲がったところで松尾坂コースに出合う。「今日はもう下山しよう!」「ケーブル比叡駅は登りで遠いので松尾坂を下ろう!」と松尾坂コースの古道に入り峠まで一旦坂を登る。道子は大木の下で着替えレインウエアを着るが、「もう遅いわ!」と傘をさしての下山となる。

 最初は緩やかな植林地の中を走るように下って行くが、雑木林に入るとジグザグの下りになり足元に石がゴロゴロしてきて、傘をさしている哲郎は歩きにくい。周囲が雑木から植林に変わり、しばらくして前方にグランドが見えてくる。「やれやれ、もうすぐだ」というものの、雨はさらに激しくなり登山道を川のように流れていく。

やって来た林道を折り返すように
松尾坂の古道へ
雨の松尾坂を下る

 やっと着いたケーブル八瀬駅、丁度ケーブルが着いたところでたくさんの人が降りてくるが、大降りの雨にしばらく駅舎に立ち止まる。上着はトイレで着替えられるが、ずぶ濡れのズボン、二人はズボンを絞りながら雨が小降りになるのを待つ。三台目のケーブルがやって来たので、もう30分以上ここに居ることになるが、やっと小降りになり、13:05の国際会館駅行きのバスに乗るが、哲郎はシートを敷いて座ることになる。「あ〜、情けない!」と哲郎のひとりごと・・・。








彼は私の足を雌鹿のようにし、
私を高い所に立たせてくださる。

サムエル記 U 【 22−34 】
オオルリソウ