比良岳(白滝谷〜比良岳西方尾根)//比良


比良岳西方尾根から比良岳に登る



2009.6.20 (土) 曇り時々雨  哲、道





行き:JR京都駅 7:58 − JR堅田駅 8:45 − 坊村バス停
帰り:打見山ロープウェイ山頂駅 15:00 − 山麓駅 15:15
(江若バス)− JR志賀駅 15:32 − JR京都駅



コース:
坊村バス停〜牛コバ林道終点〜(白滝谷コース)〜クルシ谷出合〜白髭淵〜尾根取付〜P1020〜比良岳〜木戸峠〜打見山ロープウェイ駅


注意:
比良岳西方尾根に登山道や踏跡はありません。初心者だけで行かないようお願いします。








 京都地方はもう入梅したのだが、思ったほど雨は降らない。今日は「京都や滋賀県地方は曇りで 降水確率も10〜20%」とまずまずの天気、「白滝谷へ行こう」ということになる。

 今日はのんびり登山で、JR堅田駅8:45発の細川行のバスにする。JR堅田駅のバス停に一番に並ぶものの、後ろにどんどん人が並び、その中には「山歩きおばさん隊」の面々も見える。「今日は 臨時便や」と思っていたが、出発間際に登山グループは予約しているのか、後ろにやって来た2台のバスに乗り換える。登山グループのリーダーとバス会社の対応の悪さ、いつも不満に思う哲郎である。結局、定期便は満員ながら1台で発車する。

 バスの車窓から見る比良の山々は、雲が低く横たわり山の中は雨のようだ。それでもバスが坊村バス停に着く頃には、日も差してきて一安心する。「スパッツは 牛コバでしよう」と出発するが、多くの登山客と神社の前に並ぶ車を見て「それにしても 多い人やな〜」と哲郎。夏には皆さんアルプス等に出かけるので、その前にトレーニングなのかも知れない。

明王谷林道 ヤマアジサイが待ち遠しい

 明王谷沿いの道も終わり、山をジグザクに登り始める林道から、下の道を見ると後ろからゾロゾロとやって来る。すぐ後ろには夫婦だろうかカップルもやって来るし、今日の明王谷林道は久しぶりに賑わっている。林道のコアジサイも賑わっていて、目を楽しませてくれるが、「もう咲いている!」とヤマアジサイを見る。近づいてデジカメを向ける哲郎、戻って足元を見ると一匹のヒルが靴の上でご挨拶、先を行く道子に「ヒルや!」と叫び、途中の橋の上でスパッツを付けることになる。

 林道終点ではヘルメットとザイルにと重装備のグループ、「そうか 今は沢登りシーズンか!」と明王谷の人での多い理由が分かる。林道終点から白滝谷右岸の登山道を歩き始める。緑の濃い登山道は心地よく歩け、白滝谷コースは夏に向いているのかも知れない。最初のパイプの橋に近づく頃、右下の谷に別のグループが沢登りを楽しんでいて、恐そうに渡る道子の下をくぐって行く。

「そうか 今は沢登りシーズンか!」
牛コバ林道終点
道子が渡る橋の下で沢登を楽しむ人々
パイプ橋で左岸へ

 左岸に渡ると、緑はさらに濃くなり、約10分間谷の中の岩の間を歩く。右岸に渡るポイントに着くと、先行していた夫婦が休憩中、目の前に木の橋が修復されているが、手すりがないので道子は一歩ずつ慎重に渡る。左岸に渡ってすぐの迂回路、標高550mから一気に40m以上も登って行くが、迂回路も崩れかかているので、どちらが安全なのかどうか分からない。

 標高600mを過ぎると、ほぼ水平に歩くことになり、谷の方が段々上ってきて登山道に近づいてくる。クルシ谷に出合い顔を洗う。今日は夫婦滝手前を登るので、汁谷まで下り昼食後に引き返すのも嫌だと、ちょっと早いが昼食ポイントを探しながら歩く。クルシ谷を過ぎると、谷沿いのハシゴ場が続くが、いずれもハシゴが新しくなっている。しかし、全てが歩きよくなっているとは思えず、崖から少し離れたハシゴは手すりがなければ、少々危険にも思える。こんな所は道子は苦手で、ハシゴを降りロープを持ち崖に沿って歩く。

左岸に渡ると、緑はさらに濃くなり
白滝谷左岸
崖から少し離れたハシゴは手すりがなければ、
少々危険

 こんなハシゴが続いているので、後ろから「ロープに たよるな!」といつものように叫ぶ哲郎。ちょうどその時、ロープ場に「ロープにたよるな!」と書いてあり「ごもっとも で〜す」。白髭淵の手前の数少ない谷に降りるポイントで昼食とする。谷に降りオニギリを食べていると、後続のグループが追い越して行く。昼食後、白髭淵の古い標識の所まで来ると、先行していた夫婦が「この下に 滝があります」と丁寧に勧めてくれるので、二人とも「滝見物」と寄り道をする。

 斜面の道には倒木が邪魔をしているので、谷の中央から進んで滝を見ていると、一匹のハチが哲郎の周囲を飛び周り威嚇してくる。哲郎は右に左に石を飛び移動するが、やって来るので危険を感じた哲郎は、ヒルよけスプレーを取り出し頭にかけてみる。どうやらハチは退散したようで「あ〜 やれやれ」と谷から上がり登山コースに戻る。ここから目標とする尾根の取付まで谷を離れ、標高差100m以上登ることになる。

白髭淵の手前で谷に降り昼食とする 二人とも「滝見物」と寄り道/白髭淵

 登りが続くのだが、今日は登山道にコアジサイも続き、気持よく登ることができる。やっと支尾根の端に上り着き、小休止とする。飲水も終わり尾根を登り始める。尾根には踏跡は見当たらないがヤブも少なく問題なさそうだ。最初は南東の方へ登り始めるが、すぐに傾斜がきつくなり、その後すぐに緩やかになる。これを繰り返して行くのだが、京都北山のようにヤブがなく難なく登れる。尾根はしだいに東よりに変わり、標高870m付近から尾根にシャクナゲが現れてくる。登りにくい斜面では獣道を探すが、この尾根を下る必要はないのだろう獣道はほとんどない。

やっと支尾根の端に登り着き/尾根取付 ヤブがなく難なく登れる/比良岳西方尾根

 同じような光景が続いた後、あっけなく目標とするP1020に着く。ピークと言っても何もないが、木々の間から東に見える比良岳を見ると、比良岳の西側斜面が一部崩壊していて、広い部分でガレているようだ。地形図を見ると崩壊のマークはあるが、それ以上に広がっているように見える。また地形図では、崩壊箇所はこれから通る尾根より、少し北にあるので一安心する。

 小休止後、比良岳へ歩き始める。最初は少し南へ下り、はっきりした踏跡と出合う。この道は汁谷から緩やかな尾根を登り、このピークから東の比良岳へ続いているようだ。南へ真っすぐに下ると汁谷へ出るので、ここを左へとり、東にある鞍部へと降りて行く。踏跡は時々はっきりしなくなるが再び現われる。付近は下草も低木もなく歩き良い。予想以上に樹木が綺麗で「心地よい」と鞍部から東へ緩やかな斜面を登って行く。尾根から南一帯には緩やかな樹林が広がっていて、「どこでも 歩けそうや」。

ピークから東にある鞍部へと降りて行く
比良岳西方ピーク
予想以上に樹木が綺麗で「心地よい」
比良岳西方尾根

 比良岳山頂近くになると緑の下草が現れ、今まで山頂に向かっていた踏跡は山頂を巻くように南へと伸びている。「この踏跡を たどるか!」としばらく歩いて行くと、途中で踏跡は草の中で消えてくる。「このまま南へとると 木戸峠の方へ 行ってしまう」と、ここは一旦尾根まで戻り山頂を目指すことにする。緑の草と樹木がとても綺麗な斜面を登って行くと、比良岳のピークに出る。「ここは どこやろ」と地形図を取り出しても分からない。近くの他のピークも見え、とりあえず「東へ行くと 登山道に 出合うだろう」と山頂の広い丘をウロウロする。

 そのうちに雨が降り出し、山頂一帯はガスが立ち込めてくる。次々と現れてくる小さなピークに「比良岳山頂って どこやろ?」と雨の中をウロウロしていると、やっと「比良岳」の標識のある登山道に出合う。「ここや ここや」と喜ぶが、ここは地形図の・1051と異なるような気がする。そんな疑問は残るが、雨の中下山を急ぎ「今日の 探索は終わりや」とおとなしく木戸峠へ向かうことにする。

比良岳のピークに出るが「ここは どこやろ」 「比良岳山頂って どこやろ?」とウロウロ
・1051

 登山道を下って行くと、視界が悪くなり雨も強くなってきたので、大きな木の下でレインウエアを着る。着ている間に一人の男性が、雨の中をスタスタと木戸峠へと通り過ぎて行く。「半袖やで あれが山男や」ということは、我々は山男や山女ではなさそうだ。下っていた登山道も中ユリ分岐の手前で緩やかになり、左手に静かな森が広がる。「山頂手前まで歩いて 途中で消えた踏跡は この付近に出るのやろか?」と森の奥をのぞくが、ガスが濃いために想像もできない。

 雨は小降りになってきたが、相変わらず視界が悪く、せっかく美林が見えなくて残念である。「水場」を過ぎても木戸峠までは、まだまだ遠い。やっと峠に着くと、先ほどの男性が一服している。ここからクロトノハゲへの道には、数ヶ所の木の橋があり、道子の嫌いな道、「雨が降り視界が悪く 木の橋(ハシゴ)も滑るだろう」と今日はロープウェイで下山することにする。木戸峠を右にとり、少し下るとゲレンデの中腹に出るので、ゲレンデを打見山まで登って行く。

せっかく美林が見えなくて残念である
縦走路を木戸峠へ
ゲレンデを打見山まで登って行く

 ガスはますます濃くなってきて、視界も数m以下になる、前後左右全く見えず、ただ足元を見ながら、モクモクと登って行く。このゲレンデには、両端に金網が張ってあるので安心して登って行くと、先客に追いついたのだろう雲の中前方から声だけが聞こえてくる。山頂に近づく頃、やっと視界が20mくらいになり、ロープウェイ駅舎が見えてくる。「ロープウェイ 動いているん?」と心配していたが、駅舎の中に入ると、多くの人が休憩していて賑わっている。「着替えは 下山してから」とすぐの便に乗り発車を待っていると、次から次へと人が乗ってくる。若い女性や、子供たちが多く「こんな天気で!」とびっくりする。

 「経営方針」が変わったとTVで紹介されていたが、若い女性が増えることは「いいことだ」と哲郎。開いているドアから煙のように、漂ってくる雲を見て、子供たちには良い経験になるだろう。雲の中動き出すロープウェイからは、全く何も見えないが、何故かすっきりした気持がする二人である。








わたしはその季節にしたがって
あなたがたに雨を与え、
地は産物を出し、
畑の木々はその実を結び、

 レビ記 【 26−4 】
コアジサイが目を楽しませてくれる