蛇谷ヶ峰(桑野橋〜カツラ谷)//比良


緑が濃いカツラ谷も終わり遊歩道へ



2009.6.13 (土) 曇り  哲、道





行き:出町柳駅前バス停 7:45 − 桑野橋バス停
帰り:朽木学校前 15:34 − JR安曇川駅 16:17 − JR京都駅



コース:
桑野橋バス停−蛇谷ヶ峰登山口(林道)−尾根道取付−猪の馬場−・791−天狗の森−西峰アンテナ−蛇谷ヶ峰−朽木スキー場分岐−カツラ谷分岐−カツラ谷分岐−カツラ谷(400m)−遊歩道出合−遊歩道分岐−迂回路(140m)−いきものふれあいの里管理棟−安曇川−朽木学校前バス停












桑野橋バス停

 前日の天気予報では京都北で「曇りから雨で山添で雷雨が・・」とあり、道子も「腰の痛みがやっと治った」と、いろいろの条件により「低山にしよう!」と言うことになる。「低山と言っても・・・」と結局まだ登ったことが無い標高900mの蛇谷ヶ峰となる。

 出町柳のバス停に7:30頃着くが、朽木行きには長い列が続き、「座れないな〜」と言いつつ最後尾に並ぶ。小野村割岳に行くというJOEさんがやって来て、久しぶりだと話し込むが、どうやら北山の広河原行きの登山客は少ないようだ。定刻に満員で出発すバス、「あと10人いればで 臨時便やった」と哲郎。

 目の前の座席で地形図を広げている夫婦、そのマーカーのルートを見て「平から蓬莱山か」と、その横に立ち平からの座席をキープする「桑野橋まで遠いもんな!」。

 坊村でほとんどの客が降り、桑野橋で男性二人と我々と4名降りる。一人の男性は南に走るように消え、もう一人は近所の家で情報収集しているので「きっと、シラクラだな」と哲郎。我々は例のごとくゆっくりとバス停でゆっくり準備していると、南へ消えた男性が戻ってきて、バス停北30mにある蛇谷ヶ峰取付の林道へと走りながら消えて行く。もう一人の男性は「シラクラへ行きます」と北の桑野橋を渡って行く。

 道子はバス停から少し離れた所にあるトイレを借り、哲郎はただぼんやりと時を過ごす。20分もゆっくりしただろうか「さあ、出発!」と立派な標識のある登山口の林道を歩き出す。今にも降りそうではないが、どんよりした天気で「ヒルが心配だ」と哲郎はハッカ油を、道子は買ってきた虫よけプレシャワーを足首に吹きかける。林道は舗装してあり数軒の民家を過ぎると、送電線の下を南へとユックリ登って行く。

立派な標識 立派な標識を右へ 南へとユックリ登って行く

 「ワッ、スゴイ畑や!」と左手の送電線下を埋め尽くすワラビの群生、型のいいワラビがたくさんあるので、「ちょっとだけや」と二人は山行きを忘れたかのように手を伸ばす。寄り道もほどほどにして歩き始めると、林道は送電線から離れて行き、斜面を大きくジグザグに登り始める。林道と言っても周囲に植林は無く赤松と雑木が混ざった疎林で、明るい道が続く。標高400mまで来るとジグザグは終わり、斜面を巻いて行くようになる。

 前方に大きな標識が見えてきたので近づいてみると「望岳所」とあり、南方の木々が刈り取られシラクラの山並みを望むことが出来る。「しゃれたことを するな〜」と思いつつ先へ進むと、すぐに「キノコ研究所/熊の鼻ヒュッテ」の建物が見えてくる。ここで舗装道は終わるが、林道は斜面を巻くように南へと続く。林道が東へ向きを変えた所、標高500mに尾根道の取付がある。ここにも大きな標識があり、誰でも安心して山頂まで行けそうだ。林道から登山道に入ると雑木の中を心地よく歩ける。

キノコ研究所/熊の鼻ヒュッテ 猪(シシ)の馬場

 登山道は踏跡程度だが、はっきりしていてマークもあり迷うことは無いだろう。最初は緩やかな尾根、足元に動物の糞が続くので「何の糞やろか、熊やろか?」と哲郎、「イノシシや!」と道子、何のことはない、前方に「猪(シシ)の馬場」と書いてある立派な標識を目にする。この付近から蛇谷ヶ峰までは、ほぼ東向きに登って行く事になる。小さなアンテナを過ぎ、標高600mを過ぎる頃から、急坂と緩やかな坂を繰り返すことになる。標高650mで少しだけ植林を見るが、このルートは植林がなく雑木が続き心地よい。

小さなアンテナの新大野中継局 このルートは植林がなく雑木が続き心地よい
シャクナゲのある「天狗の森」 反射板の横を歩く

 標高700mを過ぎると、ブナやナラの木が増えてきて、風も感じるようになり、時々薄日も差してきて快適な歩きが続く。P791を過ぎて両側に谷が迫る鞍部から一登りし、シャクナゲを見た後に小ピークに立つ。ここは北への支尾根があり「ここが天狗の森やろか?」。前方の鞍部越しに反射板の立つピークが見える。「あそこが山頂やろか?」と喜ぶ道子も、次のピークに着いても山頂の感じがしない。反射板から少し進むと前方に大きなピークが見えて来て「あれが山頂か」と言いつつ、足元にハナヒリノキという低木を見ながら鞍部に下りて行く。

「あれが山頂か」と言いつつ 山頂には数名が食事を終え出発の準備を

 40m下った鞍部から60m登ることになるが、予想外にも早く登れ三角点のある山頂に着く。山頂には数名が食事を終え出発の準備をしている。「ちょうど12時や!」と我々も昼食とする。展望の良い蛇谷ヶ峰山頂だが、今日は雲の中視界が悪く何も見えない。10分でオニギリを食べ終えた二人は、隣で下山ルートを長々と協議しているグループより先に下山を開始する。標識に従って北東に少し下るとスキー場への分岐があるので、ここを左にとり朽木方面へ下る。「ハイキングコースや!」と道子、そこには幅広く木で整備された階段状の道が続く。周囲は心地よい雑木が続くが、この整備された道では楽しみも半減してしまう。

幅広く木で整備された階段状の道が続く カツラ谷コースは緑がきれい

 しばらく下ると標識に813mとある分岐に出合いベンチに座り、これから進入する谷筋のヒル対策をし、靴の紐をしめなおす。カツラ谷コースは分岐を左にとり、しばらく支尾根に沿って歩く。ここの道も整備されていて「最後までこんな道やったら、いややな〜」と言いつつ下って行く。標高650m付近から道は支尾根から左の谷へ下って行く。谷に出合うとハイキングコースは終わり、谷筋を歩くコースに変わる。早速谷水で顔を洗い、見上げると小さな滝の傍に小さな社がある。

 谷沿いを下って行くと右手に20mあるだろうか、細いながら立派な滝を見ながら、斜面を注意しながら下りて行く。既に標高600mを切っているのでヒルに注意しながら歩くが、それらしいものは見当たらない。谷間に立ち並ぶ数本の大木「カツラのようだ!」と哲郎、少し下ると案内板があり、カツラ谷の説明がある。カツラ谷を楽しんだ後は少し登って再び遊歩道に出合う。わずか400mのカツラ谷の散策だったが緑一杯の谷はお勧めです。

細いながら立派な滝を見ながら 緑いっぱいのカツラ谷を楽しむ

 遊歩道の標識に標高430mとあるので、まだまだ先は長いようだ。「これヒル?」と地面で動くヒルを見て二人は急いで歩き出す。遊歩道は斜面の等高線を沿うように続き、いくつもの谷で折り返して行く。200〜300m水平に歩いた後、やっと緩やかな尾根を下り始める。この付近の山にマツタケシーズンは「立入り禁止」とあるので秋のカツラ谷を通るときは事前の確認が必要だ。標高330mで遊歩道は分岐に出合い大きく右に折れ、斜面を巻くように歩く。

遊歩道は斜面の等高線を沿うように続く 斜面を巻くように歩く

 谷も近づいてきて「もう そろそろや!」と言う頃、突然ロープが張られ右の迂回路へと登って行く。「こんなに登らなくても」と言うほど(140m)迂回して谷に出合う。後はなだらかな遊歩道を歩いて行くと森林公園に出合い、適当に下って行くと「いきものふれあいの里」の管理棟に出合う。道子が「トイレを借りる」と中に入って行くがなかなか出てこない。やっと出て来た道子は、入館者として扱われ記帳したそうだ。後は朽木のバス停へ進むだけだが、日の差した暑い取り付き道をテクテクと下って行く。

突然ロープが張られ右の迂回路へと登る 「いきものふれあいの里」の管理棟

 一般道に出合い北へと進むが、川向こうに見える学校のような建物を見て「あそこまでやと、あと30分かかるやろ」と15時台のバスをあきらめユックリと歩いていたが、安曇川の橋を渡る頃「バスに間に合うようだ」と急にピッチを上げ歩き出す。橋を渡った先の国道にある「役場前」のバス停でよかったのだが「朽木学校前」バス停がどんな所か気にかかるので、左に折れそのバス停へ向かう。

 立派な建物がある「朽木学校前」バス停に着くと、JR安曇川行きのバスは停車していて、運転手に発車時刻を確認する。「発車まで時間がある」と道子はトイレで哲郎はベンチで着替える。隣のコンビニでスポーツドリンクを買いバスに乗ると、男性二人の登山客が座っている。定刻に発車したバスは広い田園の中を快適に走って行くのだが、相変わらずグーグーの道子、車窓から見る景色で「のんびりやな〜」と哲郎。








地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。

雅歌 【 2−12 】
ハナヒリノキ