城丹国境尾根/(大谷峠〜茶呑峠)//北山


雑木の緑が気持ちよい城丹国境尾根



2009.6.6 (土) 晴れ  哲、道





行き:北大路バス停 8:23 (京都バス 出町柳 8:10発)
   − 雲ケ畑岩屋橋バス停
 
帰り:周山バス停 17:00(JRバス:周山始発)−JR京都駅



コース:
岩屋橋バス停−志明院−薬師峠−大森キャンプ場−大谷林道−林道終点−飯森山直下鞍部−(城丹国境尾根)大谷峠〜飯森山〜天童山〜茶呑峠〜カモチ谷〜殿橋〜周山バス停












 「今日は 初夏の城丹国境尾根周辺を散策しよう」と出かける。5月16日から京都バスの時刻表が変わり、随分と不便になったが、岩屋橋行きが20分早くなったのはありがたい。やって来た小型のバスは乗客がパラパラで「春の花の時期が 終わったからや」と哲郎。車の量も少なくバスは市街地を抜け、賀茂川沿いを走り出す。周囲はほとんど植林されて緑一色だが、何となく外を見て、移り変わる川沿いの雑木を楽しむ哲郎に、毎度のように寝込んでしまう道子。

数人の男性グループは休むこともなく ユキノシタ

 終点の岩屋橋で降りると、数人の男性グループは休むこともなく、志明院への道へと消えて行く。我々はいつのもように、ゆっくり準備、これまたゆっくりのカップルと同時に志明院へと歩き出す。道端や川沿いにはタニウツギやタツナミソウが咲き、咲く花も春から初夏へと変わりつつある川の中に、点々と咲いているクリンソウも最後の花輪のようだ。

タツナミソウ 志明院入口の手前にある斜面を登って行く

 志明院前で小休止後、右手にある登山道へと進入する、すぐの植林地は伐採され明るく、小さな谷沿いを歩いて行くと、目の前にはヘビが横たわっていて、逃げるようともせず頭を持ち上げてくる。模様ははっきりしないが「マムシやろか?」と哲郎はストックで遠くへ投げる。薬師峠に着くと先行者は誰も見当たらないので、もうすでに桟敷ケ岳へと向かっているようだ。我々は峠を大森側へ下り始める。

薬師峠に着くと先行者は誰も見当たらない 前方に城丹国境尾根が見えてくる

 少し下った所で、分岐に出会い作業道を左へ大きく曲がるのだが、赤いテープが真っすぐの作業道を下っているのがちょっと気になる。分岐を左へ折れ急な道を下って行くと、地面の見えていた道はマツカゼソウやアケボノソウが多くなり、緑一杯となる。谷も集まって段々大きくなる頃、前方に城丹国境尾根が見えてくる。

 大森まで下ると右手にゲートボール場があるので、道子はここでトイレを借りる。ここで小休止した後、少し進むと舗装道に出合い、右にとり大谷峠へ向かう。大森キャンプ場は賑わっていてまだ昼前だが、厨房裏ではバーベキューの準備に忙しい人々の手が動く。キャンプ場の端に放牧場があり、一頭の馬が昨年と同じ位置に立ち、こちらを見ている。「どうやらあそこが 定位置なんやろ!」。

大森のゲートボール場 「どうやらあそこが 定位置なんやろ!」

 しばらく右手の山々を見ながら進んで行くと、「美味しそうな キイチゴや!」と立ち止まり二人で食べ始める。谷間は急に細くなり植林地の中へ入って行く。三本の送電線の下をくぐって行くと、今度は左手に谷間が広がる。折角の谷間だが、植林で埋めつくされていて、新しい林道がたくさん造成されている。今日は軽トラも止まっていて、木の手入れに忙しいようだ。

 前方遠くに山頂のアンテナが見えてくると、大谷林道の終点も近づいてきたようだ。舗装道の林道から作業道に変わると谷間も狭くなり、植林も間近に迫ってくる。ヒルはいないようだが、日の当たる最後のポイントで昼食とする。目の前に小屋があり、その横に咲くサワフタギを見ながらオニギリを食べる。

新しい林道がたくさん造成されている 林道終点から植林地の中へ

 「さあ 出発や!」と歩き始めると、バスが20分も早くなったのに、いつもと同じ時刻に出発したようだ。「いつもより 遅く歩くからや」「デジカメで たくさん撮るからや!」と言い合っているうちに、目の前を大きなヘビが通り抜ける。「今日は これで3匹目や」とこれからはマムシに用心用心。

 すぐの林道終点から、植林地の中、踏跡を辿って登って行く。「今日は大谷峠へ 寄ろう!」と西寄りに歩いていた道も、途中の分岐から大きく東向きに変わる、と言っても林道終点から10分で大谷峠に着く。殺風景な峠 だが、哲郎は反対側へ少し下り斜面の様子を伺い「次は小祖父谷の 林道終点から直接登ってみよう」。

大谷峠はもうすぐ 飯森山山頂

 峠から飯森山へ登り始める。山頂までは標高差60mの急な登りが続くが、風が冷たくて余り汗をかかない。山頂で小休止した後は、60mの下りとなるが、この上下の運動は「もったいない」と道子。鞍部で小休止後、再び標高差70mの急斜面を登ってアンテナの山を目指すが、先程よりさらに冷たい風が強く心地よい。もうフデリンドウやイカリソウ等の野草は咲いていないが、雑木の緑が綺麗で気持よい。

 少し下って行くと、二本目のアンテナのピークに出る。ここは展望がきく所だが、二人は遠くの山を眺めることもなく通り過ぎて行く。尾根は緩やかに下り、綺麗な雑木の鞍部に着くと、再び数10m登って天童山に着く、山頂一帯は植林の中にあり、下山道が分かりにくい。ここから南西にある尾根へと下りて行くので、その方向にある薄い踏跡やテープを見て下山を始める。ヒノキの小枝が横に張っていて危ないが、登山道だけは小枝が少ないので、そこを下りて行く。

二本目のアンテナのピークに出る 雑木の鞍部から数10m登って天童山へ

 天童山から茶呑峠までには小さなピークが多くあり、登りにさしかかると、もう疲れてきた足、スローペースとなる。西向きに歩いてきた尾根も、竜ケ坂への支尾根があるピークで直角に南へとる。この付近はまだ標高730mあるので茶呑峠へは、200mも下ることになる。見晴らしの良い細い尾根、雑木に急斜面や植林地の端を歩き、最後は急な植林地を下ると茶呑峠に出る。

天童山から植林の中を下山 茶呑峠からカモチ谷へ

 「14時48分 ゆっくりやったな〜」「今日は 植物観察に色々と寄り道したからな〜」と小休止後、カモチ谷の林道を下り始める。綺麗に手入れされた林道も、少しずつ石が表に出てきて段々歩きにくくなってきている。しばらく下って谷に出合った所で谷で顔を洗い小休止とする。ここから西日の当たる林道を、ゆっくり植物を観察しながら下って行く。

 谷沿いのジャケツイバラ、足元にはオカタツナミソウが咲き始め、斜面には満開のコアジサイが心地よく、ゆっくりと殿橋へ向かう。殿橋を渡りR477を左へ進み、周山まで20分途中で、ウッディ北山のトイレを借り着替えてさっぱりするが、今日は17:00発のバスとなり「遅くなったな〜」とバスに乗りJR京都駅へ向かう。








地には花が咲き乱れ、
歌の季節がやって来た。
山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。

雅歌 【 2−12 】
ハンショウヅル