葛川越(大岩谷〜南比良峠〜深谷)//比良


先週、雨で延びた「葛川越え」を探索する



2009.05.23 (土) 曇りのち晴れ  哲、道





行き:JR京都駅 7:58 − JR志賀駅
帰り:JR比良駅 17:36 − JR京都駅



コース:
JR志賀駅〜高架NO.64〜湖西道路高架下〜荒川峠登山口〜大岩谷分岐〜標高510m付近谷を渡り右岸へ〜枯れ谷から右手の斜面へ〜古道〜標高590m谷へ降りる〜谷分岐で中央の斜面を進む(610m付近)〜広場(640m中ユリ分岐)〜古道をジグザグに登る〜炭焼窯跡(675m付近)から左俣寄りの斜面を登る〜標高720m左俣へ降り、左俣の右岸を登る〜標高735m左俣の中を歩く(流れあり)〜(古道現れたり消えたり)〜標高860m草の古道をジグザグに登る〜葛川越〜烏谷山〜荒川峠〜南比良峠〜ロープ場〜深谷出合〜林道終点出合〜湖西道路下〜JR比良駅



注意:【葛川越】
葛川越は初心者危険コースです。地形図と磁石必携です。特に注意を要するポイントは@とBです。

@ 荒川峠道の大岩谷分岐から、ユリ道を進むと最後は大岩谷へ降り古道は谷を渡る。大岩谷右岸の古道は枯谷横を上って行くが、20〜30m登った所で枯谷を右に出て大岩谷沿いの斜面に出る。この枯谷の上流は大変危険なので進入しないで下さい(枯れ谷に進入禁止のトラテープ有り)。

A @枯れ谷から右への古道は崩れ、斜面のロープ場を進むと、そのうち古道が現れてくる。

B 標高590m付近で古道は消え、右下の谷へ降り進んで行くと、標高610m付近で谷分岐に出合う。左俣、右俣もほぼ平行に流れているが、葛川越は左俣の延長線上にある。しかし、ここでは両方の谷を進まず、谷と谷の間にある斜面を登る。

C 標高640m付近の広場で左下の谷の中に(↑)を見るが、これは中ユリへのマークなのだろうか(未確認)?無視する。前方にある石組の古道をジグザグに登る。

D 標高675m付近で炭焼き窯跡を右手に見て、前方の斜面の左手側(左俣寄り)を登る。

E 標高720m付近で左俣へ降り、枯谷を渡り右岸へ上がる。740m付近で谷の中を歩き、左手に古道のようなものが見えるが歩けそうにない。後は古道と谷の中を繰り返して歩く。

F 標高860m付近から草地の中、はっきりした踏跡が現れ葛川越までジグザグに歩く。

G 葛川越の大岩谷を登る場合、地形図と磁石は必携で常に磁石の北西にとる。


注意:【深谷】

@ 南比良峠から数分下ると、右の斜面を登り迂回する。この手前の数mのロープ場は、古道が崩れているので要注意。

A 標高700m〜600mは急降下するロープ場があるので注意。

B ロープ場が終わると、堰堤に出合うので谷沿いに下り、崩れかけた山小屋の横を通り、深谷に降りて右岸を下る。

C 標高430m付近で、左岸に渡り谷の端を歩く。保健保安林の標柱で谷へ近づき右岸に渡り、堰堤を二つ下り左岸に渡り返すと林道終点に着く。









 先週は「葛川越の探索と シロヤシオのトンネルを くぐろう」と予定していたが、雨の予報で中止した。「シロヤシオ もう散っているやろ!」とちょっと残念だが、今週出かけることになる。

 JR京都駅7:58発の電車から見る比良山系は、暑い雲におおわれ「大丈夫かいな〜」と心配する。8:40頃、JR志賀駅に着き、荒川峠口へと高架下を歩き始める。高架柱NO.64を左へ折れ保育園の横を通り、前方には比良の山々を見ながら歩いて行くが、まだまだ雲は低く垂れ込んでいる。

高架柱NO.64を左へ 萬福寺に突き当たるので右手へ 民家の外れで雑木道に出合う

 国道を渡り、目の前の細い道を真っすぐに進むと、萬福寺に突き当たるので右手にとり、すぐの分岐を左手にとると、後は直進するだけである。民家の外れで雑木道に出合うので、手前で「スパッツを つけよう」と小休止する。湖西道路を抜け左へ曲がった道を登って行くが、この付近に群生するイタチハギ(別名クロバナエンジュ) の花が満開だが、「きれいとは 言えないな〜」。雑木道の中、なだらかな林道が続き、道端の野草を観察しながら歩くので、時間がかかってしまう。

イタチハギ(別名クロバナエンジュ) 道端の野草を観察しながら歩く

 やっと橋に着き小休止、地形図に「・269」とあるので、200m足らず登ってきたことになる。橋を渡りキリの花を見ながらS字カーブを登って行くと、前方でザワザワと音がするので立ち止まる哲郎、車の音でも沢の音でもない。前方の高い木を見て「ハチや!」と道子。ハチの大群が朝の運動をしているようだが「迂回路も 面倒だ」と二人は静かにゆっくりと歩き、木の下を通り抜ける。「あ〜やれやれ」と言っているうちに荒川峠登山口に着く。珍しく車が3台止まっていて、そのそばで準備する。10時10分「少々 遅れた」と登山道へ進入する。

タツナミソウ エゴノキ 荒川峠登山口に着く
荒川峠道の標識が立つ所で
分岐に出合う
進入しないように数本の
枝木で遮られている
先にどんどん進む道子

 ゆっくり斜面を巻いて行く道は、雑木が綺麗で心地よい。一旦折り返して西から北へとると、途中に荒川峠道の標識が立つ所で分岐に出合う。進入しないように数本の枝木で遮られているが、その先には立派な道が続く。先にどんどん進む道子、哲郎は高度計を470mに合わす。立派な快適なユリ道も谷に出合い、数mのロープ場となる。この谷は荒川峠道の湧水の谷だが、谷筋はどうしても崩れやすい。

立派な快適なユリ道も谷に出合い、
数mのロープ場となる
先に行く道子は、河原でもうお茶を飲んでいる

 小さな谷を渡ると、再び高低差を感じないユリ道が続く。「さすが 古道や」と快適に歩いて行くと、標高510mを過ぎる頃、道は消え谷に降りることになる。先に行く道子は、河原でもうお茶を飲んでいる。どうやらこの付近で、道は谷を渡っているようだが、その形跡は見当たらない。それでは「谷を 進もうか」と歩き始めると左手に枯れ谷があり、その横に古道のような跡が見える。二人は枯れ谷へ進入し、上って行くと20〜30mで横に張ったトラロープに出合う。「この枯れ谷は Webにあった 上流で身動きできなくなる谷や!」と哲郎、ロープ手前で右手の大岩谷をのぞむ斜面へと進む。

それでは「谷を 進もうか」と歩き始める ロープ手前で右手の大岩谷をのぞむ
斜面へと進む

 前方の斜面にはロープが続き、木々にマークがあるので、ここに古道があって崩れたようだ。ロープに沿って大岩谷右岸の斜面を横切って行くと、途中から立派な古道が現れるがまたロープ場に変わる。標高590m付近まで進むと、古道は消え大岩谷へ降りることになる、左右の緑が綺麗だが、大きな石がゴロゴロした谷を歩いて行くと、すぐに標高610m付近で谷分岐に出合う。分岐した2本の谷は同じ方向に伸びているので「どうしよう!」と言うことになる。中ユリへの取付は左俣にあるので「葛川越は 左俣らしい」と哲郎。そんな哲郎に関係なく道子は、マークを見つけ右俣と左俣の中央にある岩を登り始める。

途中から立派な古道が現れる またロープ場に変わる
すぐに標高610m付近で谷分岐に出合う 右俣と左俣の中央にある岩を登り始める

 少し登り始めると広場のような所で小休止していると、哲郎は左下の谷の中にある岩に(↑)のマークを見る。その下んの方にも(←)とあるので「ここが 中ユリの取付かも知れない(未確認)」と哲郎。この広場の先には石組みの道が続きジグザグに登って行くと、標高675m付近で炭焼き窯跡の横を通る。二つの谷も遠く離れたのであろう、前方の斜面も幅広くなる。ここから道は左俣沿いにあるので、葛川越は左俣の延長線上にあることを確信する。

少し登り始めると広場のような所で小休止 標高675m付近で炭焼き窯跡の横を通る

 標高720mまで登ると道は消え、左の谷へ降り枯れ谷を渡り右岸を上がる。少し登ると再び谷の大きな石がゴロゴロしていて水が流れ始め、小さな谷を詰めて行く。標高800mを過ぎると右岸の古道に出合うと思うと、すぐに谷の中を歩いたり、古道が現れたり消えたりする。標高840mを過ぎる頃、踏跡がはっきりしてくる。後ろを振り返り道子と「いいながめだ!」と琵琶湖を見ながら小休止とする。

左の谷へ降り枯れ谷を渡り右岸を上がる 小さな谷を詰めて行く

 標高860m付近から草地の古道が現れ、ジグザグに登って行く。所々に咲くピンクのユキグニミツバツツジが美しい。後は心地よい古道を登って行くと、やっと葛川越に着く。「12時30分 予定通りや」と哲郎。峠は風が強いので、少し戻って昼食となる。オニギリを食べながら「下山は どうしよう」と思案するが、「道子は深谷を まだ下っていない」と南比良峠に向かうことにする。

琵琶湖を見ながら小休止とする 心地よい古道を登って行くと、葛川越

 20分の昼食休憩後、右手(北)の縦走路の道を登り始める。「あるある」と先を行く道子、まだイワカガミがたくさん咲いている。烏谷山まで標高100m以上の登りが続くが、爽やかな天気なので汗が出ずに「ラッキー」と言っている前方に白い花を見る。「シロヤシオや!」と二人はたくさん咲いている白い花を見て喜ぶ。「まだ 咲いていたんや!」と登って行くと、進めば進むほど白い花が続き、ピンクのユキグニミツバツツジや、ベニドウダンや、サラサドウダンも加わり、「ツツジのオンパレードや」と二人は感動してしまう。

 白い花は烏谷山を過ぎても続き、荒川峠、南比良峠へと続く。今日の縦走路では多くの人に出会い、皆さんシロヤシオの花見登山のようだ。南比良峠で小休止後、右への深谷の古道へ進入する。倒木があるものの、最初はしっかりした道が続く。取付から5分経っただろうか、右の斜面へ迂回するポイントの手前にある数mのロープ場、道子は先に通過するが、後ろの哲郎は足元が崩れ宙ぶらりんとなる。でも何とか這い上がり「ここは落ちても 大したことはない」と哲郎。

「ツツジのオンパレードや」と二人は感動 南比良峠で小休止後、右への深谷の古道へ

 ここから先は古道が崩壊しているので、右の斜面を登り迂回する。踏跡を辿り先の古道に降り立つと古道に出合うが、古道は道幅が広いものの大きな石がゴロゴロしていて歩きにくい。それでも緩やかに雑木の中を下って行くので、気持が良いコースである。途中のロープ場を過ぎ、標高700m付近の長いロープ場の手前で小休止とする。「今日は ストックをたたみ 両手で降りてみよう」と試みるが、余り上手くいかず途中でストックを取り出し、ストックとロープを使って下るが、道子はロープだけの方が歩き良いと言っている。

 直下降のロープ場を過ぎると、斜面を巻く横にロープ場が続く。ここは足元が緩く、ロープと足場が離れてきている。やっと小さな谷の堰堤に突き当たり、谷に沿って下って行くと、崩れかけた山小屋の横を通り深谷へ降り立つ。「足も手も 疲れた」と道子、谷水で顔を洗い小休止とする。深谷は堰堤が多く、その前後にピンクのタニウツギが咲く。しばらく右岸の端を歩くが、前回よりテープが増えているので、ここを訪れる人も多くなったようだ。

標高700m付近の長いロープ場 崩れかけた山小屋の横を通り深谷へ降りる

 堰堤を幾つも下った所で、道は谷へ近づいていき標高430m付近で谷を渡り、しばらく左岸の端を歩く。「保健保安林」の立柱を過ぎると、道は谷の方へ進み右岸を渡る。今日は道がはっきりしているので、迷うことなく進める。「誰かが ヤブを刈ってくれたのやろか?」。もうここまで来ると深谷の幅も広く、前方がよく見渡せるようになる。二つ堰堤を下り、谷を左岸に渡り、少し下ると林道終点に出合う。

標高430m付近で谷を渡り
右岸から左岸へ
最後の渡渉、谷を左岸に渡ると
林道終点に出合う

 ここからしばらく続く林道歩きは、雑木が綺麗で苦にならないが、哲郎は足の裏が少々痛くなり、舗装道の端に続く枯葉の上を歩くことになる。「今日は 谷巡りやったもんな〜」と谷の探索、とシロヤシオのトンネルに満足しながら二人はJR比良駅へと向かう。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。

ヨブ記 【14−7】
ベニドウダン