雲取山/一ノ谷〜芹生〜貴船//北山


渡渉も大変、一ノ谷遡行



2009.1.17 (土) 曇りのち晴れ  哲、道





行き:北大路バス停 8:02(出町柳 7:45発 広河原行 640円)− 花背高原前バス停
帰り:叡電貴船口 17:22 − 出町柳駅



コース:
花背高原前バス停〜林道終点〜寺山峠〜一ノ谷出合〜林道出合〜二ノ谷出合〜三ノ谷出合〜勢竜天満宮〜芹生〜芹生峠〜アソガ谷出合〜奥貴船橋〜貴船〜叡電貴船口駅



注意:
◆ 雲取山周辺は、冬期積雪1m以上になります。

◆ 一ノ谷から芹生へのコースは、冬期積雪が深いのでワカン等の装備が必要です。

◆ 一ノ谷コースは谷を何度も渡渉するので、足元はしっかりして下さい。

◆ 現在三ノ谷出合の林道が、一ノ谷で方面へ伸びてきています。林道上も積雪が深くトレースがなければ、歩きにくいので要注意。

◆ 三ノ谷〜芹生までの長い林道、こちらも雪深くトレースがなければ体力が必要です。

◆ 一ノ谷の林道が完成すれば、一ノ谷の遡行コースは楽しめなくなるでしょう。










 今週、ず〜と続いた寒波、「北山も 随分と積もったであろう」と雲取山へ雪の様子を見に出かける。北大路駅前バス停には数人の登山客がいて「バス 一杯やろか」と心配するが、「花背までだから 立ってもよい」と考えれば、心配することではなさそうだ。

 いつものように、扶桑橋の手前でチェーンを取り付けることになるが、今日は前輪にも付けているので、峠はツルツルのようだ。北大路から同行したグループは、花背峠から鞍馬尾根に向かうようだが、皆さんハイキングのような軽装で「天狗杉への登りは 積雪は1mあるであろうに」と心配する。「それに鞍馬尾根の伐採地 今日はワカンがなければ キツイやろ」と昔しんどかったことを思い出す。花背峠でもう1グループ降りたようで、こちらはレインウエア等着ていて、「大見尾根でも 行くのやろか?」。

花背高原前バス停に着く 数m進むとスノーシューのトレースがある

 −2℃の花背峠、これでも今日は暖かいのだろう。バスは雪の植林地をクネクネと下って行き、しばらくして花背高原前バス停に着く。降りたのは我々二人で、前に座っていたスノーシューの男性はいったい何処まで、廃村八丁まで行くのやろか?。橋を渡ると道がツルツルで、「アイゼンが 必要や」と着け、少し進むと「積雪が 多くて無理や!」と慌ててワカンを装着する。「え!」と、数m進むとスノーシューのトレースがあり、ワカンは不要やと再びはずし、何だかんだと、いつもより遅れてしまう。

 林道が終わり植林地に入ると、ワカンとスノーシューのトレースは役に立たないが、「また ワカンを着けるのもしゃくや!」と辛抱して歩く。谷沿いの植林地の中にある登山道と思われる部分は、少し固くなっているようで何とか歩けるようだ。時々右手のストックが雪の中に隠れてしまうので、積雪は1m程度あるようだ。「熱い!」と途中でシャツ1枚とレインウエアになる。やっと寺山峠への巻き道の取付に着くが、この道にトレースは全くない。ワカンとスノーシューは直進して、尾根へ向かったようだ。「今日は ここにトレースを つけよう」とここでワカンを付け、登山道を登って行くことにする。

ワカンを付け、登山道を登って行くことにする 右右左と「あ〜しんど」の巻き道

 「ここの登りは、溝状の木の根道やった?」と思うものの、雪で全く見当がつかず適当に登って行く。道子が「進めない」と言うので哲郎が先行し登って行く。登り終えると平坦な巻き道が続く所だが、こちらはもっと雪が深く、道が左手からの斜面の一部となっている。巻き道を歩き始めると、右足はすっと進めるが左足が雪から上がらず、負荷がかかってしまう。ラッセルする道具もなく「斜めに 向いて歩いたらどうか」とか、色々とトライするが効果はない。結局、最初に右足で左足用の穴をあけ、右足左足と進み、右右左、右右左・・・を繰り返しながら進む。

 「あ〜 疲れる」「谷を詰めて 行けば良かった」と哲郎。左からの雪が少ない所は、道子に進行してもらい、やっと寺山峠に着く。峠には尾根からやって来たスノーシューの踏跡があり、ハタカリ峠へと続いている。「積雪が多い時は 尾根道が正解や」と思うが、こちらはワカンなので、一ノ谷出合いへ下りることにする。「一ノ谷の道は いつもハマッてしまう」とすぐ横の植林地の斜面を下ることにする。急斜面で滑りやすそうだが、ワカンの効果で何とか歩けるようだ。それでも途中でハマって立往生の道子、これがなかなか外れないのだ。

やっと寺山峠に着く 途中でハマって立往生の道子

 「もう少し もう少し」と滑りそうな斜面をガマンして下って行き、谷を通らず一ノ谷出合に着く。「おなかが すいた」と道子。「でも もう少し進んでからにしよう」と分岐を左に取り、今日は一ノ谷を下ることにする。すぐの渡渉、例年のごとく谷から這い上がるのに苦労する。「足場を 造って!」と言うものの、新雪の柔らかい雪では何度も失敗してしまう。谷の中を歩いたり杉の枝を持って這い上がったり、何度も渡渉する。

「足場を 造って!」と言うものの 前方で道子が谷の中でこける

 いつからなのか、一ノ谷の登山道に沿って太いトラロープが、張ってあることに気付く。ハイカー用なのか、植林地の区分けか、花背山の家が張ったのか、いや、いずれも違うようで理解できないものであった。ロープを無視して歩いていると、前方で道子が谷の中でこける。「ワカンが からまった!」。確かにワカンを履いて谷の中を歩けば・・・・。疲れたのだろうと、植林が切れ日が当たる所で昼食とする。

 昼食後歩き始めるが、まだ南下しているので二ノ谷はまだまだのようだ。「ふ〜 疲れるな〜」とふと右手を見上げる哲郎、そこに横に続く白い線を見つける。「あれは 林道とちゃう!」と疲れ切った二人は、林道へ上がってみる。「こんな林道 いつできたのやろ?」「あのロープは この林道の 延長予定コースかも 知れへん!」と哲郎。と言うことは、この雪見コースは来年から林道になってしまいそうだ。

どんな林道か二人は林道を三ノ谷へ向かって そのうち前方が明るくなり、三ノ谷出合に着く

 どんな林道か二人は林道を三ノ谷へ向かって歩き出す。林道の雪も深く60〜80cmの積雪、深く沈み込み歩きにくいので、交代で先行する。すぐに道は西に向き、二ノ谷出合いに向かう。林道は谷を右に左にと渡りながら谷から、そう高くない所に続いている。右下に二ノ谷出合の標識を見ながら通り過ぎ、大きな木を巻いて波状に積もる雪原を過ぎ、新しい林道はと、いつも歩いている所と同じコースにある。

 そのうち前方が明るくなり、三ノ谷出合に着く。「あ〜 やれやれ」と小休止とする。例年より30分遅れているようだが、「同じ遅れるなら 起伏に富んだ谷を歩けば良かった」と哲郎。目の前の芹生への林道にもトレースがなく、二人とも「しんどいやろな〜」と歩く前から思ってしまう。頼みのイノシシのトレースも、道を横断しているだけで、当てにならないようだ。

林道をトボトボと歩く 除雪された道に出て、ワカンをはずす

 トボトボと歩き始めるが、少し遅れているのでガマンして歩く。周囲が雑木の場合は積雪80cm、植林地の中を歩く時は、60cm余りで歩行への負荷は変わらないようだが、植林地の中は積もった雪が落ちてきて、雪がしまって歩きやすいので助かる。「まだか まだか」と少しでも歩き良い所をさがしながら交代で先行して行く。やっと勢竜天満宮に着き、ホッとするが最後の100mを目の前にして小休止とする。ここは山から少し離れているので積雪が多く、一気に進む体力がなかったからだ。

 やっと橋を渡り、除雪された道に出て、ワカンをはずす。三ノ谷から丁度1時間で、よくガンバッタようだ。路上に雪が残っていて、芹生峠の登りが待っているので、アイゼンを付けたまま、また川沿いに歩き始める。芹生の集落を通り、灰屋からの道に出合い、橋を渡り芹生峠へと登り始める。「15時10分や」と、ここから貴船口まで、再びガンバルことにする。除雪されてはいるが雪が残っていて、アイゼンを付けていて「ちょうど 歩き良い」と二人はモクモクと歩き続ける。

灰屋からの道に出合い、橋を渡り芹生峠へ この芹生峠周辺にも、50〜60cmの雪が

 芹生の集落には60cmの積雪があったが、この芹生峠周辺にも、50〜60cmの雪が残っている。結局アイゼンは奥貴船橋で外し、峠では車や人に出会うこともなく奥貴船神社に着く。ここからぶらぶらと貴船の街を歩き、叡電貴船口へと向かう。「ちょうど17時や」と着いた貴船口駅で、電車を一本やりすごし、ゆっくり着替えることにする。











あなたは地のすべての境を定め、
夏と冬とを造られました。

詩篇 【 74:17 】
奥貴船神社からぶらぶらと