小野村割岳(ワサ谷支流〜南尾根)//北山


ワサ谷支流は小さな谷だが「心地よい!」



2009.04.26 (日) 雨  哲、道





行き:北大路駅前バス停 8:02(出町柳7:45) − 下ノ町バス停
帰り:広河原バス停 16:00 − 北大路駅前バス停



コース:
下ノ町バス停〜(ワサ谷林道)〜ゲート〜ワサ谷支流〜谷分岐〜南尾根出合い〜(南尾根)〜P781手前のピーク〜P781〜桃木小屋〜広河原バス停

注意:
ゲートから左のワサ谷支流に道はなく、コースを選定しながら進むので初心者危険コースとします。












 昨日は所用で奈良に出かけた二人、先週は娘夫婦の引越しや法事と「あ〜忙しい!」と山から遠ざかっているので、この日曜日は北山に出かけることにする。昨日の雨も日曜日には天気が回復するという予報であったが、朝の京都北部の降水確率は70%と上がり、出発するかどうか迷ってしまう。朝晴れていることと道子が3週間もブランクがあるので「北山は雨だろう」といいつつ出かけることにする。地下鉄北大路駅から地上に出ると、怪しい雲が勢いよく流れていく。この天候にも関わらずやって来た広河原行きのバスは満席で、哲郎は当分立つことになる。

 車窓から貴船口付近の新緑を楽しんでいると、ポツポツと雨が降り出し、鞍馬を過ぎる頃から、皆さんバスの中で雨具を着け始める。百井別れでやっと座れた哲郎だが、花背峠で4℃と寒く、降り続く雨で先が思いやられる。花背の集落に入ると満開の桜とシャクナゲが目を楽しませてくれるが、この光景は広河原まで続く。下ノ町で降りバス停横の小さな小屋?で準備する。ワサ谷林道を歩き始めると、山すそに咲くイカリソウやキケマン、ヤマエンゴサクをゆっくり観察する。

雨のワサ谷林道を歩き始める 山すそに咲くイカリソウ

 雨は小降りなので新緑が映えて綺麗だが、レインウエアのフードがうっとおしい。もう既に大きく開いたウバユリの葉を見て車止めのワイヤーを越えて林道を歩き出す。左手の斜面には、まだ雑木が茂っていないので奥の方まで見通しが利き、谷の上流に緑の葉を見つける。「ヤマシャクヤクではないし」と近づいてみると、褐色の花をつけたハシリドコロである。次の谷間や斜面にも咲いていて、どうやらワサ谷にはハシリドコロがたくさんあるようだ。今まで気がつかなかったのは、この時期にここを訪れていないからだろう。

山すそにさくヤマエンゴサク ワサ谷にはハシリドコロがたくさんあるようだ

 橋を渡り林道歩きも半ばを過ぎてくると新緑も薄くなるが、足元には色々なネコノメソウが咲く。ゲートまで来て雨の中、立ったままで小休止とする。目の前に広がる植林地は伐採されゲート付近は明るくなっている。「この左の谷を歩こうか」と道子。一度歩こうと思っていた哲郎もその気になり、今日はこのワサ谷の支流を探索することにする。

林道歩きも半ばを過ぎてくると新緑も薄くなる 伐採でゲート付近は明るくなっている

 二人は左手に伸びるワサ谷支流へと踏み入る。谷の入り口には打ち落とされた枝が広がり、その上を歩いて一旦谷へ降りて様子を伺う。この付近ではまだ山すそと谷の間に少し余裕があり、獣道のような踏跡が見られる。前方に大きな滝も見えず「歩けそうや!」と、その歩けそうな所を選びながら少しずつ谷を登って行く。小さな谷だが足元にエンレイソウやヤマエンゴサク、ニリンソウの葉が谷筋に続く。

 左手に小さな谷が分岐しているが「目標は南尾根取付の鞍部や!」と本流を進む。小雨だが降り続く雨に「今日は雨が降るので谷筋を止め林道を歩くことにしたはずだが?」「雨の谷はすべるからな〜」と言いながらも、二人とも雨が降っていることを忘れているかのように、この谷を楽しんでいるようだ。標高700m手前で谷分岐に出合い小休止とする。哲郎は雨の中地形図を取り出しコースを選定する。

二人は左手に伸びるワサ谷支流へと踏み入る 「歩けそうや!」と
山すそと谷の間に少し余裕があり 二人はこの谷を楽しんでいるようだ

 右手の谷を確認すると、この先に10m以上あると思われる滝が見え、「この谷は北へ伸びているのでP911直下への谷だろう」ということで左の支流を進むことにする。「しかし歩けるところもないし!」と谷の中を歩き始めると、左上の斜面に道のようなものを見る。早速谷から上がり、植林地の端を歩くことにする。谷の右岸は道ではないが「歩き良い」と谷に沿って進んで行く。谷の水も枯れてきて進行が窮屈になってきたところで谷を渡り左岸の斜面を登って行く。

 「あと100mや!」急斜面を登って行くと、足元に数本のヤマシャクヤクの株を見る。そのうち頭上に見える木々の間に光が見え出したので「尾根はもうすぐや!」と道子に言う。やっと登り終え尾根に出て小休止とする。低気圧が移動するような天候では、高度計はあまり当てにならないが標高850mを示しているので、ここは南尾根取り付きからすぐのところのようだ。「ほぼ予定通りだ!」、「今日は南尾根を下ろう」と二人は満足げに南へとり昼食場所を探しながら歩き始める。

谷の右岸は道ではないが「歩き良い」と 「あと100mや!」急斜面を登って行く

 尾根は風が強いので大木の影で昼食とする。相変わらず降り続く雨、どうやら今日は止みそうもない。尾根を歩き始めてもフードで視野が狭く歩き慣れたこの尾根も今日は目新しく感じる。標高800mをきるまでに2回、右手の支尾根に入りそうになるが、尾根を外さないように心持左手を歩くと良い。標高800mをきると鞍部に下りていき少し西よりに登って行き、桃木小屋への分岐があるピークに立つ。。

南尾根に出合う 南尾根の台杉を楽しむ

 「今日は、少し早いが桃木小屋に降りよう!」と分岐を右にとりP781の尾根にのる。ここからはスギの低木が邪魔をするが難なくP781へ着く。雨の為地形図で確認することなく適当に進んで行くが、「これで合っているん?」と哲郎、途中でokaokaclubのマークを目にして「これで、あってるんや!」と今日は雨で集中力に欠ける哲郎。尾根が細くなり下り始めると、杉の低木が続き当分ヤブコギが続くが尾根を外さないよう注意する。標高650mをきると植林が目立つようになり、足元にイワウチワが目立つようになると急な下りに変わる。最後は急な植林地を下ると桃木小屋横の林道に降り立つ。

P781手前のピークの標識 杉の低木が続き当分ヤブコギが続く

 いつもはここで用具を洗い着替えをするが、「雨やしバス停でしよ!」と谷沿いの林道をバス停へと歩く。途中で車庫のような小屋を見つけ軒を借りることにする。一番心配だったデジカメも何とかもってくれていて「ありがとう」。バスまで1時間あると庄兵衛さんによると、喫茶店は一杯で、なんでもボーイスカウトのイベントの下見だそうで、端のテーブルを空けてもらい哲郎はビールを飲み始める。

 彼らが去っていったあと、多数の客で「人に酔った!」と言うおかみさんと、久しぶりだと話し込む道子。「綺麗だな〜」と目の前の満開の桜が春を告げている。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。

ヨブ記 【14−7】
目の前の満開の桜が春を告げている