小野村割岳/ワサ谷〜ホラノ谷//北山


トチノキの鞍部は大木と緑が綺麗だが
「小雨がパラつき今日はユックリできない」と急ぎ足



2009.8.29 (土) 曇り時々雨 哲、道





行き:北大路バス停8:02(京都バス:出町柳7:50発)
   − 下ノ町バス停
帰り:広河原バス停17:00−北大路バス停



コース:
下ノ町バス停〜ワサ谷林道〜ゲート〜谷分岐〜林道終点〜小野村割岳〜P911〜南尾根分岐/バイケイソウ群生地〜トチノキのある鞍部〜首吊り尾根分岐〜ホラノ谷出合林道終点〜サエ谷分岐〜ネジリキ谷〜桃ノ木谷分岐〜広河原バス停



注意:
小野村割岳周辺の尾根に登山道はありません。最近、踏跡がはっきりしてきていますが、秋〜春のシーズンは、落ち葉で踏跡が消えます。北の尾根に迷い込まないよう十分注意して下さい。(地形図と磁石は必携)












 

 「京都地方 前線の通過で午前中雨が」という予報だが、「10時頃には 上がるだろう」と小野村割岳に出かける。北大路駅前バス停から8:02発広河原行のバスに乗ると、登山者の姿はなく、夏休みで学生達もいなく、ひっそりしていて「淋しいな〜」。今日は涼しいのだろう道路脇の温度計は、何処も25℃である。道中雨も降らずに下ノ町バス停で降りる。

何年も変わらない風景の中を
広河原へ向かうバス
白のホツツジがたくさん咲いている

 「今日は 降らないのとちゃう」と言いつつ、スパッツを付けながら、バス停で約10分休憩をとる。「さあ!」とワサ谷林道を歩き始めると、山すそにオトコエシやアキチョウジ、白いホツツジが目を楽しませてくれる。ウバユリは実を付け、今年も咲いたようだが、ここで花を見たことはまだない。民家の横の畑で作業するおじさん、朝早くからご苦労さんです。

 車止めのワイヤーを通り過ぎ、林道を登って行く。入口付近の林道は手入れされ、道端の草は少ないが、そんな中、アケボノソウが開花を待っている。右手に見える堰堤には水はなく、最近雨が少ないことが分かる。左手に続く植林地、間伐作業が進んだのであろう、何処も明るい植林地に変わっている。

ウド 左手に植林地のワサ谷林道

 これらの植林地は斜面を20〜30m登れば雑木に変わり、「こんな狭い所に 植林しなくても!」と思ってしまう。快適と思われた林道歩きであるが、途中から小雨が降り出し、道子は傘を、哲郎はレインウェアを取り出す。雨具を着て歩き始めるが、雨は細くなり、雨具が要るような、要らないような、はっきりとしない。やっとゲートに着き、小休止する頃には雨も上がり、橋の上で飲水休憩とする。

 飲水休憩のつもりだったが、「おなか すいた!」と道子、少し早いがここでオニギリを2ケ食べることにする。 伐採で少なくなり心配していたジキタリスの株も増え、「一安心!」と歩き始めると、最後のジキタリスがまだ咲いている。「今年の夏は 涼しいかったしな」と。道は少しずつ登り始め、左右の道端は草木が茂って、歩く所が狭くなる。低木が茂ったせいか、いつも賑わっていたベニバナボロギクがほとんど見当たらない。

やっとゲートに着き 最後のジキタリスがまだ咲いている

 谷分岐に着き小休止、谷は豪雨があったのか、土砂がたまり、いつもとは様相が異なっている。そんな谷に降り、顔や手を洗い涼をとる。谷分岐から道はさらに勾配がきつくなり、おまけに日が差してきて「こんな時に晴れるなんて」と登り始める。道子は先ほどの傘を取り出し「日傘や」と傘を差して歩く。

 林道分岐を左にとると、ここも草が茂って歩きにくい。「後 もう少しや」と最後のゴロゴロ石道を登って行く。やっと林道終点に着き、岩を乗り越え支尾根の取付に着き、ここで残りのオニギリを食べながら小休止とする。

ここも草が茂って歩きにくい 最後のゴロゴロ石道を登って行く

 昼食後、目の前の支尾根を登り、10分で小野村割岳に着く。北方に広がる樹木を見ながら小休止、いつ来ても変わらない光景に「スッキリと気分爽快!」としたいところだが、再び山々は雲におおわれ「大降りになると いけない」と西の佐々里峠方面へと歩き始める。

 最近登山者が増え、尾根にはくっきりと踏跡が続くが、団体さんが新しい道を造っているのが気になる。その踏跡も所々落葉で隠れてきたので、秋から春は注意が必要だ。「ヤマボウシの実は」と道子が言うが「時期が違うよ」と、そのうち足元に落ちている赤い実を見て、あのクッキーのような味を思い出す哲郎。

支尾根を登り、10分で小野村割岳に着く 西の佐々里峠方面へと歩き始める

 P911から西へ尾根を下って行くと、南尾根への分岐がある鞍部に着く。初夏にはバイケイソウの花が目を楽しませてくれるが、今は草木が茂りその中を歩く。再び尾根に取付、西へを歩き始める。「どうやら 大丈夫のようだ」と雨具を脱いで歩いている哲郎は、汗で濡れたシャツに冷たい風が当たり。「寒いさむい」と言うことになる。「着替えたら」と言う道子の言葉に、Tシャツを着替え、その上にレインウェアを着て歩くことにする。

P911から西へ尾根を下って行く 今は草木が茂りその中を歩く
南尾根分岐鞍部

 そのうちネジリキの中尾根の分岐を過ぎ、トチノキの鞍部に降り立ち、ここでいつものように小休止したいところだが、「雨が降りそうだ」と先を急ぐことにする。穴のあいた木のある赤碕中尾根の分岐で、小休止しながら下山コースを決める。「今日は 植物観察で 時間を費やしたので 少々遅くなった」と佐々里峠へ向かわず、この先にある支尾根(首吊り尾根)を下り、広河原でゆっくりすることにする。

 赤崎中尾根分岐からすぐの所に、南へ下る支尾根があり、この取付が不鮮明なので、マークを付けていたが、マークが無くなり皆さん「分かりづらい」ということなので、少し下った所にマークを付ける。支尾根を下り始めると、最初ははっきりしない尾根だが、10mも下ると急だが尾根らしくなる。スギの低木の軽いヤブをコギながら下って行くが、少々蒸し暑いがレインウェアでチクチクしたスギの葉は防ぐことができる。

尾根の大木も今日は静か 軽いヤブコギはいつきても新鮮に思える
首吊り尾根

 軽いヤブコギはいつきても新鮮に思えるのがよい。急な支尾根に段々と踏跡がはっきりしてくると植林地に出合い、植林地の端を歩いて行くと、ホラノ谷が見えてくる。最後は植林地の中をジグザグに下り、ホラノ谷の林道終点に降り立つ。ズボンやスパッツのヒルチェックをし「どうやら 大丈夫のようだ」と林道を歩き始める。途中の谷で顔を洗い、さっぱりして谷沿いの林道を歩く。

京都府がツキノワグマ調査中 「何や クリンソウの狂い咲きや」

 サエ谷林道に出合うと右にとり、ネジリキ谷に沿って歩く。目の前に「ツキノワグマ調査中」の注意書きを見て「こんな所にもいるんや!」。「また熊や!」と再び注意書きを見る横の河原にピンク色を見つけ、河原へ降りて行く哲郎、「何や クリンソウの狂い咲きや」。いつものように桃ノ木小屋の谷で身体を拭き着替え、ゆっくりと広河原へ向かう。17時のバスまで1時間近くあるので、庄兵衛さんでのんびりとするが

「もう秋やな〜」と言いつつビールが美味いようだ。








神は雲で天をおおい、
地のために雨を備え、
また、山々に草を生えさせ、

詩篇 【 147−8 】
ツチアケビ