大段谷山(佐々里峠〜灰野道)//京都北山


灰野道から品谷山を望む



2009.4.11 (土) 晴れ  哲





行き:北大路駅前バス停 8:02(出町 7:45) − 広河原バス停
帰り:広河原バス停 16:00 − 北大路駅前バス停



コース:
広河原バス停〜オバナ谷道分岐〜佐々里峠〜小野村割岳への尾根分岐〜灰野道/大段谷山分岐〜大段谷山〜灰野道分岐〜P840〜支尾根取付〜ホラノ谷出合〜首吊り尾根取付〜サエ谷合流点〜桃木小屋〜広河原バス停












 「今日は 行けへん」と忙しい道子、「バイカオウレンでも 見よか」と哲郎一人で大段谷山へ出かける。久し振りの広河原行きの京都バス、登山客もボチボチでちょうど満席で発車する。貴船にさしかかると、山すそに黄色いヤマブキや満開の桜、山の斜面にはピンクのミツバツツジが咲き始め、春の賑わいを見せている。バスが花背峠を過ぎると、周囲の山々には点々と咲くタムシバが、いつもと違った山容をなしている。タムシバが少ない所は植林が広がっているのだろう。昨夜飲み会があった哲郎は、この辺でイネムリするところだが、久し振りの春の北山、目がパッチリと開き、春の景色を楽しんでいるようだ。

 広河原バス停に着くと、目の前にもう役目を終えた除雪車を見るが、その他は春の匂いがしてきそうだ。庄兵衛さんのおかみさんに「久し振り」と挨拶に立ち寄るが「花が みんな鹿にやられて」と残念そうに、残った花の様子を説明してくれる。「今日は 近場だ」とゆっくり歩き始め、オバナ谷林道分岐点で準備するが、一人のバイクの青年が休憩中だ。「今日は7時に 出発しました」と言い、もう春を満喫した様子であり、佐々里峠へと出発する。

「春の匂いがしてきそうだ」と広河原 植林地に入ると山すそに残雪を見る

 哲郎は一人、オバナ谷に沿って歩き始めるが、足元の野草はまだまだで、植林地に入ると山すそに残雪を見る。「谷筋は今 雪が解けたところのようだ」。林道が終わり谷沿いを歩いて行くと、大きな倒木が横たわり邪魔をする。「Oさんの出番やな〜」と大木を避けて通る。最後の谷分岐で右(北)へとり、佐々里峠を目指す。滝そばのOさん製作の簡易の橋も支柱が宙に浮き、道子だったら「お〜こわ!」と叫びそうだ。斜面のワラビや草も枯れ、今日はスイスイと歩くことができ、佐々里峠の車道に出る。

 登山口にある駐車スペースには5台止まっていて、「皆さん どこへ行ったのやろ」と言いつつ、そばの地蔵堂で飲水休憩とする。今日は暑いにもかかわらず、まだ500CCペットボトルの1/3しか飲んでいないのに気付く。一人で歩くと休憩も少なく、飲水量も少なくなるようだ。

今日はスイスイと、佐々里峠の車道に出る 哲郎が好きなマメザクラも咲いていて

 佐々里峠から灰野道へと登って行く。心地よい穏やかな道も、まだまだ冬枯れ状態で、どの木も芽吹きしていなくて、ちょっと淋しいところだ。道が細い尾根道に変わると、遠くの山々に白い模様が見えてくる。「タムシバが 咲いている」と思っていると、この尾根にも白い花が賑わいを見せてくれる。哲郎が好きなマメザクラも咲いていて、やっと早春の山を感じる。

 小野村割岳の分岐を過ぎると、所々で展望が開け、しばし立ち止まっては遠景を楽しむ。灰野道に大きな変化はなく、いつもの所にいつもの大木があり、いつもの花が咲いている。背の高い満開のタムシバがあれば、一輪だけ咲いたのもあり、ちょっと同じようなものとは思えない。でもコブシのような小さな葉はないし、「やはりタムシバだろう」と言うことになる。そのうちに灰野道の大段谷山分岐に来て小休止する。「ほぼ 予定通りだ 昼食は大段谷山の帰りにしよう」と分岐を左にとり、大段谷山へ向かう。

灰野道に大きな変化はなく 灰野道の大段谷山分岐に来て小休止する

 分岐から山頂まで、一直線で北西〜西北西なので間違うことはない。ササが枯れ歩きよくなった支尾根を進んで行くと、なんと先方から一人の男性がやってくる。「こんな所で」と思うが、話し込むこともなく挨拶を交わして通り過ぎる。標高800mを越えるピークから下り始めると、前方に大段谷山が高く見える。ここよりも低いはずだが、山頂までに50〜60m下る鞍部があるからだろう。

 急斜面を下り、冬枯れのブナやコナラの木々では味気ないが、これらを楽しむこともなく、すぐに三角点のある山頂に立つ。山頂に付近にもタムシバがあるようだが、これらはまだ咲いていない。殺風景な山頂を後にして、すぐに灰野道への分岐へ向かう。雑木の上を見ると、緑色をしたヤドリギだけが生き生きしているようだ。

すぐに三角点のある山頂に立つ イワウチワの咲く木陰で昼食とする

 すぐに分岐に着くが、日が当たるので佐々里方面へ歩き出し、途中のイワウチワの咲く木陰で昼食とする。このまま広河原へ向かうと「16時のバスにも 早過ぎる」と言うことで、P840から小野村割岳への尾根に入り、途中の支尾根をホラノ谷へ下ることにする。

 地形図によると、P840から東へ200m進むと南へ支尾根があり、途中から東へとると、ちょうど首吊り尾根の取付付近に出るようだ。「これに しよう!」と昼食後、灰野道をスタスタと歩き始める。尾根に咲く大きなタムシバの花を下から見上げるが、花が高い所に咲いているので、空が明るくてよく見えない。タムシバもモミジも同じように、下から見るものではないようだ。

タムシバの花を下から見上げるが バイカオウレンも随分と数が減って

 P840が近づいてくるが、「小野村割岳への 分岐まで戻るのはと遠い」と途中から斜面を登り、P840へ着く。足元の咲き始めのイワウチワを見ながら尾根を東へとる。いったん下りピークを一つ越え、約200m進んだ所で南への尾根を見る。この尾根で間違いないか確認するため、北の鞍部へと進む。鞍部までに右手に穏やかな歩きよい尾根を見るけるが、この支尾根は東向きで、地形図によると途中でホラノ谷支流へと下りて行く。

 先程の分岐点まで戻り、南への尾根を下り始める。初め歩き良かった尾根も、スギのヤブが深くなる。それでも難なく歩くことができるで、どんどん下って行く。途中で大きな台杉に出合うが、そのうちの数本に大きな穴を見る。「クマの寝どこやろか?」とちょっと不安になる哲郎は、速足で通り過ぎる。この尾根を南へとれば最後は急斜面となるようなので、途中で東への支尾根に乗り換えることにする。

途中で大きな台杉に出合うが 歩き良かった尾根も、スギのヤブが深くなる

 標高780mを過ぎ、左手の尾根を探すが見つからず、深くなったヤブをかき分け下って行く。標高750mくらいのなだらかな尾根が見え「これは 行き過ぎや!」と東寄りの斜面を少し登って行き、ヤブが切れた所で、東の尾根を見つける。「あ〜やれやれ!」と東の支尾根を下り始めるが、こちらもヤブが深く、尾根上を歩けない所は尾根をはずさないように少し下を歩く。

 標高700mを少し過ぎると、ヤブも少なくなりイワウチワを見ながら小休止とする。少し下って行くと、植林地に出合い、植林地の端を歩くことになるが、標高620m位で尾根は植林から雑木に変わる。谷の音も高くなり、「谷まで もう少しだ」と分かる頃、右下に建物の屋根を見る。最後は尾根が水平になり「このまま進むと この先は崖になるかも」と右手に見える建物のそばに下りて行く。

右下に建物の屋根を見る 「首吊り尾根」の取付の林道終点に着く
ネジリキ谷沿いの林道を通り

 この建物は山小屋でもなく作業小屋でもなく「なんで こんな所に」と思う程の立派な建物がある。ここからホラノ谷沿いに100m進めば「首吊り尾根」の取付がある谷合流地点の林道終点に着く。谷で手や顔を洗い小休止とする。結局、今日トライした支尾根は、30分で下りる予定が60分もかかり、ヤブも深く「あまり おすすめできない」と言う結果になる。

 ホラノ谷の林道を歩き始めると、倒木が目立ち、時間がかかってしまう。うかつにさわるとスギの花粉が舞い上がるので、倒木の間を抜けずに迂回して通る。ネジリキ谷沿いの林道を通り、桃木小屋に着き、着替えようとすると、珍しく小屋の外で宴たけなわ、一人の男性がビール持って来て「どうぞ 休んでください」と誘う。哲郎が裸のまま宴に加わるが、道子が「庄兵衛さんで ハチミツ買って来て」とのことづけを思い出し、残念だがビール二杯でテーブルを離れることにする。バスが来るまで庄兵衛さんで、広河原の春を感じながら「ビールがうまい」とまた飲み始める哲郎。











地が芽を出し
園が蒔かれた種を芽生えさせるように

イザヤ 【 61:11 】
今年の役目も終わり「ご苦労さん!」