ポンポン山(出灰川支流の谷)//西山


雨が降ってきて、「この倒木では仕方ない」と
進行をあきらめ右手の植林地を登る。



2009年10月17日 (土)晴れ一時雨  哲・道


行き:JR高槻駅北口バス停 7:51(高槻市営バス) − 出灰バス停
帰り:出灰バス停 14:32 − JR高槻駅北口バス停



コース:
出灰バス停〜せせらぎの里〜出灰コース登山口〜出灰垣内〜ポンポン山北西の谷へ進入(大原野森林公園入口の、200m手前の橋から作業道へ)〜谷入口〜標高350mの谷分岐で右俣へ〜標高500m右の植林地を登る〜出灰コース出合〜ポンポン山山頂〜出灰コースで下山〜出灰川出合(登山口)〜出灰バス停











 

 「今日は午後から雨になり 京都南部の降水確率は50%」との予報、「仕方ない ムカゴでも採りに行くか!」と出灰へ出かける。この間買った市販のムカゴ、灰汁が強くて美味しくなかったので、余計に収穫を期待する道子。土曜日はJR高槻駅北口から7:51発の二科行があるので、近郊だが早くから出かけることになる。

 雨模様だがポンポン山へ出かける登山者がいて、バスは満席で出発する。市街地を抜け原大橋を過ぎると、バスは芥川沿いに走るが、近くに採石場があるので、当分の間川沿いの木々は白っぽく、いつ見てもすっきりしない景色である。出灰で他の登山者とともに降りるが、我々はバス停のベンチで装備して、ゆっくりと出灰川沿いを歩き始める。すぐのモミジ並木の紅葉はまだまだだが、山すそに野菊等、秋の野草が続く。

雨模様だがポンポン山へ出かける登山者が ゆっくりと出灰川沿いを歩き始める

 最初の集落の中を歩いていると、住民に出合い「今日は いい天気ですな〜」と挨拶をしてくれる。石垣のサボテンの花も終わり、その跡が妙な形をして残っている。バナ谷の標識を右に見て、谷をのぞいていると、その手前にムカゴ、大きな粒があるが、集落内なのでそのまま通り過ぎる。「もう 遅いだろう」と思っていたムカゴが、どうやらここにあるようだ。

 今日の予定は【@出灰川沿いでムカゴが十分採れたら、このままこの道を進み、穴太善峰 巡礼古道から亀岡へ抜ける。Aムカゴの量が不十分の場合は、大原野森林公園の案内所を通り、善峰寺へ下る道でムカゴを補充する】とする。

 しばらくは日当たりが悪い道が続くので、川沿いにはムカゴも野草もない。この茂った木々を抜けると、山すその高い所にムカゴを見つけ、引っ張ってはムカゴを採る。手の届かない所は、ツルをゆすって下に落として採っていると、後ろからやって来た登山者が「何やってんのだろう?」という顔をして追い越して行く。

11月2日に今城文化民芸館がプレオープン 出灰コースの登山口に着き小休止

 少しずつ少しずつの収穫で時間がかかり、なかなか前へ進めない。不動谷の取付である「せせらぎの里」では、11月2日に「今城文化民芸館」がプレオープンすることで、工事も急ピッチのようだ。「出灰コースの登山口までは まだまだ遠い」と言っているうちに、哲郎は川沿いにムカゴのツルを見つけ手を伸ばす。「あるある!」と1cm、2cmの大粒のムカゴがたくさんあり、次から次へと・・・。「もう ムカゴ御飯には 十分だろう!」と袋一杯のムカゴに満足する。

 再び歩き始めるものの、ムカゴのツルを見つけると、一応手を伸ばしてしまうので、本当に時間がかかってしまう。出灰コースの登山口に着き、小休止していると、哲郎は帽子がないのに気付き「もう古いから いいだろう」ろあきらめる。今日はポンポン山へ登らず、この道を亀岡方面へ進む予定なので、再び川沿いを歩き始める。

 出灰垣内の集落に入り、いつもムカゴを頂いていたフェンスが手入れされ、ツルがない状態に「ツルは 邪魔だからね」と道子。栗の栽培地では、いつも栗をネット越しに横目でにらみ通り過ぎる。出灰川が蛇行したその内側に広がる田んぼの向こうに、ポンポン山へ続く谷間が見える。「あの谷も 面白そうや」と言いつつ先へ進んで行くと、倉庫の前にある出灰川の橋を渡り、小休止する。

倉庫の前にある出灰川の橋を渡り小休止
「これを進入すれば あの谷へ行けるやろ」と
「火の用心」のマークがと
川沿いに下って行く作業道が

 その橋を渡った所に「火の用心」のマークが立てられている。よく見ると川沿いに下って行く作業道があるので「これを進入すれば あの谷へ行けるやろ」と哲郎は地形図を取り出す。目的の谷は途中で二分し、右俣は標高650m付近で、ポンポン山近くの出灰コースに突き当たっている。2人は天気も良いので、ハイキングを止め、この谷を探索することに決める。

対岸の田んぼからハシゴが掛けられている 右の斜面(左岸)の作業道の
跡のような所を歩く

 川沿いのしっかりした作業道を進むと、谷の取付に着く。ここには対岸の田んぼからハシゴが掛けられている。早速進入すると、右の斜面(左岸)の作業道の跡のような所を歩くことにする。そこはもう崩れて道とは言えないようだ。それでも「歩ける」と進入を続けることになる。標高350m付近で渡渉し左手に炭焼窯跡を見て、すぐ先で谷分岐に出合う。

すぐ先で谷分岐に出合う
右俣をとってポンポン山へ向かうことに
そこには炭焼窯跡がある
作業道はここまでで

 「何処へ行こうか?」と迷ってしまうが、右俣をとってポンポン山へ向かうことにする。再び谷を渡ると、そこには炭焼窯跡がある。作業道はここまでで、この先谷を歩くことになる。先を行く道子に様子を見るように言うと「行けそうや」と返ってくる。結局、この右俣を進むとことに決める。谷は細く水量も少ないので、谷の中を歩ける場合はよいが、谷が倒木や草木でおおわれている時は、左右の斜面を迂回することになる。

 それでも、まだ勾配が緩いので進むことが出来る。途中で何度も炭焼窯跡を見るし、谷の至る所で、補強用の古い石組を見る。周囲は植林になったり雑木に変わったり、谷間が広くなったり細くなったりで、小さな谷だがあきなくて、2人とも谷の遡行を楽しんでいるようだ。

谷は細く水量も少ないので、谷の中を歩ける 谷が倒木や草木でおおわれている時は
左右の斜面を迂回することになる

 分岐に出合っても、いずれも本流を進んで行くと、段々倒木が増え歩き憎くなる。標高450mの手前の谷分岐で小休止し、前進するか、左手の雑木の支尾根を登るか、しばし考えるが、結論が出ないので、このまま谷を進むことにする。歩き始めたのはよいが、標高500mまで来ると、雨が降り出し「予報より 少し早い!」と言うものの「この先 出灰コース出合まで 標高差100mあり 雨と倒木で 1時間かかるかも知れない」と、ここで谷の遡行をあきらめ、右手の植林地の斜面を登ることにする。

 地形図によると、「この斜面を50m登れば 出灰コースに出合うようだ」と早速急斜面を登り始める。途中で雨が強くなりレインウェアを着て一登りすると、標高550mの出灰コースに出合う。道子は「出灰バス停へ すぐ戻ろう」と言うが、13時のバスには急がねばならないので「ポンポン山へ行こう!」と登山道を左にとり、山頂を目指す。

右手の植林地の斜面を登ることにする 標高550mの出灰コースに出合う

 標高600m付近で前回、不動谷左俣から這い上がったポイントと、今日は遡行した谷の源頭部分を確認する。そのうち登山道は西尾根に出合い、すぐの階段を一登りすると、ポンポン山の山頂に着く。雨の上がった山頂では10名程度の人が昼食をとっている。我々もここで昼食とする。山頂広場の南東方面の木々が刈り取られ、見晴らしがよくなっているが、この雨では残念である。

雨の上がった山頂では10名程度の人が
昼食をとっている
今朝通ってきた出灰川沿いの道を

 「雨が 降るかな〜」と下山は一番楽な出灰コースを選択し、14時32分のバスに乗り事にする。雨の上がった登山道を野草や樹木の楽しみながら下り、30分で出灰コースの登山口に出合う。「バスには 十分時間がある」「あっ!帽子や」と道子。見上げれば木の枝に引っかかっている哲郎の帽子を見つける。今朝通ってきた出灰川沿いの道を、2人はゆっくりと歩いて行く。








また、岩から数々の流れを出し、
水を川のように流された。

詩篇 【 78−16 】
西山のセンブリは背が高い