霊仙山(西南尾根〜柏原道)//鈴鹿
2009.3.28


尾根の北側は樹氷、南側には福寿草の西南尾根



2009.3.28 (土) 晴れ  哲、道





行き:JR京都駅 6:16 − JR米原駅 7:30 =(湖国バス)=
   JR醒ヶ井駅 7:48 = 養鱒場バス停 8:00着
帰り:JR柏原駅 17:57 − JR米原駅 18:19 − JR京都駅



コース:
醒ヶ井養鱒場バス停〜榑ケ畑登山口〜汗フキ峠〜落合登山口〜廃村今畑〜笹峠〜近江展望台〜南霊岳〜霊仙山最高点〜軽塚山〜避難小屋〜四丁横崖(谷山谷分岐)〜谷山直下〜継子穴〜四合目避難小屋(コンテナ)〜一合目〜林道出合〜名神ガード〜中仙道出合〜JR柏原駅



◆注意
・西南尾根へはマイカー登山が主流ですが、タクシー利用の場合、JR彦根駅からとなります。醒ヶ井養鱒場から上の榑ヶ畑駐車場まで、「タクシーは止めています」と申し合わせているそうです。(近江タクシー等、三社)

・西南尾根のほとんどは、ゴロゴロしている石灰岩の上を歩きます。足元が悪いので足元はしっかりして下さい。

・近江展望台の急斜面は直登となり、雨や雪の時ズルズル滑るので、下山ルートに利用するのは危険です。

・霊仙山登山は、いずれのコースもロングコースになるため、時間に余裕を持って計画して下さい。









 「まだまだ 咲いていますよ」とJOEさんから頂いた花情報を元に、我々も霊仙山西南尾根に出かけることにする。醒ヶ井10:00のバスでは遅すぎるし「JR彦根駅からタクシーは高い」と道子、結局、以前計画していた米原駅7:30発 醒ヶ井養鱒場行きのバスに乗り、西南尾根を目指すことにする。

 JR京都駅6:16発の電車は予想外にいっぱいで、座席を探すことになる。「土曜の早朝から 皆さん何処へ行くのやら?」。数日前から戻り寒波で降水確率も高く懸念していたが、電車がJR彦根駅に近づいて来ると、右手に霊仙山が見えてきて、「今日は なんとかもつだろう」と天候の回復に期待する。

 JR米原駅で降り、西出口のバス停へ向かおうとするが、駅舎が新調され、駅員に「西出口 どこですか」と尋ねてしまう。ぐるりと回ってバス停に着くと、醒ヶ井養鱒場行きのバスは停車していて、どうやら乗客は我々二人だけのようだ。乗り継ぎをゆっくりしたい人は、JR醒ヶ井駅まで電車で行った方がいいようだ、

醒ヶ井養鱒場バス停 左手の崖に咲く野草以外見るものはなく

 バスはJR米原駅の東出口へも回り、高校や保険センター等を回って、JR醒ヶ井駅へと向かう。JR醒ヶ井駅から5名乗車して来て「やれやれ」と一安心する。1名は上丹生から他は醒ヶ井養鱒場からの登山となる。まだ8:00、冷え込んでいるので準備もそこそこに出発する。目の前にショウジョウバカマがたくさん咲いていてくれて、「おはようさん」と言いつつ林道を歩いて行く。

 左手の崖に咲く野草以外見るものはなく、途中から路面が荒れてきて「これで タクシーが登ってくれないのかな〜?」。今日は冷たい風が吹いているので、汗をかくこともなく榑ヶ畑登山口に着く。目の前の道路の西側には車が並び「大阪」「松本」なんていうナンバーもある。登山口奥にある休憩所でスパッツをつけ、小休止後汗フキ峠へと向かう。

榑ヶ畑登山口に着く 廃村榑ヶ畑を通り汗フキ峠へ
汗フキ峠の標識

 売店「カナヤ」から少し登ると汗フキ峠だが、標高500mで、すでに斜面が白くなってくる。汗フキ峠に着くと、先行していた若い女性たちは峠を左にとり、経塚山へと登って行く。我々は落合へ下るので細い谷へ下りて行く道をとる。予想以上にしっかりした道でよく踏まれている。谷まで降りると、くの字に曲がり谷に沿った道に変わる、すぐに植林地へ入っていくが、緩やかな感じの良い道が続く。しばらくして林道に出合い、橋を渡り再び谷沿いを歩いて行くと、落合の集落に出合う。どの家も住んでいる様子はなく、集落を抜けると道端に駐車している車の列に出合い、登山口に着く。

汗フキ峠から緩やかな感じの良い道が続く 車の列に出合い、登山口に着く

 「10時前なので 予定通りや」とバス停から2時間かかってやっと登山口に着く。「休憩は 廃村今畑で」と、すぐに登山道へ進入する。ジグザグに登って行き、標高差100mも登ると今畑に着く。お寺の前の広場の水場で顔を洗い、小休止とする。「おなかすいた」と哲郎、朝食は5時だったので無理もない、ここでオニギリを1個ずつ食べる。再び歩き始めると、急な細い尾根を登り始め、しばらくブナの大木が続く。溝状の道が終わり、植林地の細い尾根を過ぎると、雑木道に変わるが、道が北側にあるので雪道となる。

しばらくブナの大木が続く 北側は雪道となる

 P712の横を通り「この付近が笹峠だろう」と思うが、「寒い」と緩やかな尾根に乗ることになる。緩やかな尾根もすぐに急斜面に変わっていき、前後に登山者が詰まってくる。「わ〜 ツルツルのベチャベチャや!」と急斜面の登山道は難所となり、皆さん苦労して登っている。登りやすい所を選んでコースから大きくはずれた人に対し「道ができるから コースを歩いて!」と誰かが叫ぶ。この男性は雑木のテープを外しながら登っているが「もっと山を愛してくれなくては」とも言っている。「この状態では仕方無いだろ!」「本当に山を愛しているのやったら 登るな!」と言いたくなる哲郎。このツルツルの急斜面は危険なので、雪や雨の時は下山に使わないほうが良いだろう。

 登るにつれ展望は良くなるが、この冷たい風が強くなり、展望を楽しむ人はいない。でも周囲の木々には樹氷が付き「きれいや!」と思うが、これも一時、すぐに見向きもしなくなる。やっと緩やかな尾根に出合うと「近江展望台」とあるが、足元は岩がゴロゴロと言うより、岩の上を歩くことになる。

急斜面の登山道は難所となり 樹氷が付き「きれいや!」と思うが

 少し下の斜面を歩き始めると、黄色い「フクジュソウや!」と早速哲郎は写真を撮り続ける。前方で道子が「遅い!」と待ち続ける。誰かが「南尾根にも ありますよ」と呼ぶと、皆の足が動き出す、花の次は尾根の迷路のような岩場を歩き、それを抜けると霊仙山や最高点が目の前に見えてくる。「お昼にしよか」と言うものの、まだまだ前途多難と考え、もう少し進むことにする。

少し下の斜面を歩き始めると、
黄色い「フクジュソウや!」
霊仙山や最高点が目の前に見えてくる

 次にやって来たのは、何処までも続く石灰岩の細い尾根、尾根の南側は岩がゴロゴロ、北側は樹氷が続き、強い風が吹くとパラパラと飛んでくる。先方を見てもず〜とこの光景が続き、霊仙山のスケールの大きさを感じる。途中から尾根から少し下の岩場を歩くことになるが、岩の間に咲くフクジュソウなんか、誰も見向きもしなくて、皆さんモクモクと歩いているようだ。やっと岩場を抜け背の低いササ原の登山道はドロンコ状態、苦難の連続である。前方に山頂と米粒のような人が見えるものの、まだまだ遠い。

樹氷の尾根から少し下を歩く 背の低いササ原の登山道はドロンコ

 樹氷のササ原を抜けると、やっと1094mの最高点に着く。北の伊吹山を眺め小休止するが、道子のスパッツやズボンはドロまみれ、雪で汚れを落としながら小休止とする。「予定より 30分以上遅れている」と目の前の山頂へ立ち寄らずに経塚山へと向かう。ここは、標高差70m下って、又登る急斜面なので、ドロンコ道をさけ、ササ原の中を歩くことにする。経塚山14時、汗フキ峠へ向かわず、予定通り柏原コースへと向かう。すぐの避難小屋に立ち寄り、これからの長い下りに備え、残りのオニギリを食べる。

最高点で北の伊吹山を眺め小休止する すぐの避難小屋に立ち寄り
谷山谷
分岐

 道は段々下り始め、下って行くほど雪が深くなるような気がする。長い急斜面に出合うが、ここに長〜いトラロープが続き、「助かる」と道子。やっと谷山谷コースとの分岐点に着き小休止するが、先行するグループは左手の斜面を下り、谷山谷コースへ向かうようだ。JR柏原コースは、ここから谷山を巻き北の鞍部へと進むのだが、夏道でも踏跡の薄いところで、久し振りだから「この積雪で 道が分かるかな」と心配したが、二人のトレースと木々のマークで難なく進むことができる。

 着いた鞍部から一登りし尾根を越え、東の谷へ入る。斜面を下って行き、林道が見えてくると林道に降りずに斜面を北へと進む。西出商店の標識に「この林道は 上石津町へ」と書いてあり、以前この林道で迷った時も「この標識を見ていれば 迷ってなんか いなかった!」と哲郎。

谷山を巻き北の鞍部へと進む 四合目の古いコンテナの避難小屋
一合目に来てやっと谷を歩くようになる

 継子穴を過ぎ梓河内への分岐で立ち止まっていると、後ろから一人の女性がやって来て、「あ、いつもの野草の好きな女性や」と、しばし立ち話をする。彼女は我々と「同じコースです」と言っているので、多分同じバスの前列に座っていた女性だろう。「先週も来ました」と言う言葉に二人はびっくりする。道が北西に面してくると雪が深くなり、10cm積雪、そんな中を彼女は早足で消えて行く。

 なだらかに続く尾根は、中々高度が下がってくれず、コンテナの避難小屋のある4合目で小休止するが、まだ下山半ばであり「まだ 標高700mもあるよ」と言いつつ歩き始める。一合目に来てやっと谷を歩くようになる。谷は、はっきりした道はないが、細い谷を下って行くと林道終点に出合う。「やっと先が 見えてきた」と、ここでドロンコのスパッツや靴やストックや汚れたズボンも洗う。

 ここで哲郎はJR柏原駅の時刻表を確認し「17時31分には 間に合うだろう」と出発するが、なかなか名神高速のガードは見えてくれない。17時30分頃駅に着くが、哲郎が用意したのは「平日用」で発着時刻が違い、「こんなもんや!」と駅の中でゆっくりと着替えることになる。










地が芽を出し
園が蒔かれた種を芽生えさせるように

イザヤ 【 61:11 】
フクジュソウ