小女郎峠(サカ谷道〜小女郎谷道)//比良


新緑のサカ谷道を歩く



2009.05.05 (火:祝) 曇りのち雨  哲、道





行き:JR京都駅 7:58 − JR堅田駅 8:45 − 坂下バス停
帰り:JR蓬莱駅 15:43 − JR京都駅



コース:
坂下バス停〜サカ谷道登山口〜サカ谷を渡渉〜(サカ谷道)〜小女郎ケ池〜小女郎峠〜(小女郎谷道)〜薬師の滝〜林道終点〜湖西道路ガード〜JR蓬莱駅












 毎年のように連休には、花の様子を見に比良に出かけている。それが、いつも奥ノ深谷から荒川峠なので「今年は違う所にしよう!」とサカ谷道を登ることにする。

 JR堅田駅 8:45発細川行のバスはバーベキューを楽しむ学生達で、身動きが取れないほどいっぱいで、「もう一台 出してくれたら」と思うほど、超満員で出発する。平で多くの人が降り「やれやれ」と次の坂下バス停で降りる。運転手が気をきかして「登山口で 降りますか」と言うものの坂下から登るには初めてなので、「バス停まで お願いします!」と哲郎。

坂下は安曇川沿いの小さな集落 「近畿自然歩道」を下って行く

 周囲の新緑を見ながらバス停でゆっくり準備をする。坂下は安曇川沿いの小さな集落で、山あり谷ありで心地よい所だが、「ここに住むとなると大変だとうな〜」。向こうからカゴを持ったおばあさんがやって来て「山菜ですか?」と聞くと、「ホウレンソや!」とカゴいっぱいのホウレンソウ、何処に畑があるのやら?。

バス停の標識 取付付近の標識 近畿自然歩道へ

 バス停、南すぐの所に、川に下りて行く道があり「近畿自然歩道」と木柱がある。ここがサカ谷道の登山口で、橋を渡り、すぐの分岐を左にとり、サカ谷の左岸を歩くことになる。サカ谷には小さな堰堤が続くので谷が急なことが分かる。足元のニリンソウを見ながら登って行き堰堤がコンクリートから石組に変わると、谷の中の木々にテープがあり、サカ谷を渡る。

サカ谷には小さな堰堤が続く 谷の中の木々にテープがあり、サカ谷を渡る

 渡渉後はすぐに植林地の中をジグザグに歩き、標高500mで尾根に出合う。尾根筋には植林が続いているが、登山道は尾根を横切り、北の方へと緩やかに巻いて行く。「きれいだ」とそこには黄緑色の新緑が続き、気持ちよい。この付近は地形図にあるルートと大きく異なり、歩きやすくて綺麗な雑木が続くコースに変わっていったようだ。

渡渉後はすぐに植林地の中をジグザグに歩き 歩きやすくて綺麗な雑木が続く

 尾根から大きく離れて行く登山道も、少し登ると南へ向きを変え、最初に出合った尾根の方へと登って行く。足元にたくさんの石を見て少し登って行くと、標高660mで尾根に着き、今度は尾根を越え尾根の右側を歩くことになる。標高730m付近から右下の谷が近づいてきたのであろう、谷の音が聞こえてくる。この付近は左手にある尾根の植林地の端を歩くのだが、新緑の緩やかな斜面の横道を歩く。この清々しい歩きも終わり、標高750m付近から植林地の中をジグザグに歩き、ほぼ標高差100mほど登る。標高845mでやっと植林地を抜け尾根に出る。

今度は尾根を越え尾根の右側を歩く 標高845mでやっと植林地を抜け尾根に

 地形図によると、ここから尾根歩きが続くので、ここで小休止とする。ここから尾根に乗って東向きから徐々に南へと進んで行く。この付近は左が雑木で右が植林となり、この状態がしばらく続く。野草が全くないのが淋しいところだが、ツルシキミの花と周囲の新緑でガマンすることになる。P964を巻くように南へ登って行くと、今度は左手に植林を見ることになる。

 もうここまで登ってくると新緑も薄くなり若芽ばかりの木々が続くが、足元にゼンマイを見て春を感じる。標高1000mを過ぎると植林は終わり左右の視界が開けてくる。振り返ると南西の方角に京都北山の花背の鉄塔と、その後方に愛宕山系を見る。道子に「もうすぐ池や!」と1080mのピークからベニドウダンのツボミを見ながら下って行き、小女郎ヶ池の南端に出合う。

P964を巻くように南へ登って行くと 1080mのピークから下って行き

 池の周りにツゲの木が続き「ちょっと異様だな〜」と、そんなことにはお構いなく昼食の場所を探す。連休なので池を訪れる人も多く「座るところ、ないな〜!」、我々は丁度中間あたりの標識が立っているところで昼食とする。我々が小女郎ヶ池を訪れるのはたいてい冬で、雪の池は「綺麗だ!」という印象が強く、目の前に漠然とした池を見て「・・・・」。

 オニギリを食べながら下山ルートを検討する。近くにコンピラ道やホッケ谷道もあるが、「今日は、余り春の花を見てへん」と、一番近い谷道の小女郎谷道を選ぶ。15分で食べ終え二人は小女郎峠へ向かう。小女郎谷道は峠を横切りそのまま下り始める。

小女郎ヶ池と後方は蓬莱山 小女郎峠を横切りそのまま下り始める

 最初は溝状の急な下りが続き、周囲の野草を観察することも無く注意しながら下りて行く。周囲が植林に変わりやっと溝がなくなるが、相変わらず急な下りが続く。道子がゆっくりなので後続の家族連れに道を譲るが、目の前で子供が滑って尻餅を付く。我々はそれを見て「小休止や!」と飲水休憩しながら、周囲の植物を観察する。ゆっくり下り始めると、やっと谷に出合い谷沿いの道に変わる。

 谷沿いの細い道は谷上のロープ場となるが、こんなところには何故かイワカガミが綺麗に咲いている。谷にはヤマルリソウも咲き、勾配がゆるくなると野草も目に入るようになる。そのうち谷に出合い手や顔を洗った後右岸に渡る。谷沿いの道は心地よく新緑の中を歩き、足元にはニリンソウが続く。

やっと谷に出合い谷沿いの道に変わる 右岸に渡ると
谷沿いの道は心地よく新緑の中を歩き

 標高620mで左岸に渡り植林地の中を歩くことになる。もう下りも緩やかになり薬師ノ滝を過ぎる頃、後続の人がチラチラと見え出す。二つ目の堰堤を下ると林道終点に出合い、小休止していると後続の三人が目の前を通り過ぎる。女性三人で皆さん軽装なので「ロープウェイで登ったんやろか?」。もうここからは林道が続くのでここでスパッツを外し舗装された道を歩き始める。

二つ目の堰堤を下ると林道終点に出合い 右手に広大な耕作地が広がり
前方には琵琶湖が見え

 谷沿いの道からすぐに植林地の中を歩く。植林地を抜けると右手に広大な耕作地が広がり、前方には琵琶湖が見えてくる。湖西道路のガードの手前からポツリポツリと降り出した雨、「何とかもってくれて、ありがとう!」と傘を取り出し、ゆっくりとJR蓬莱駅へと向かう。








木には望みがある。
たとい切られても、
また芽を出し、
その若枝は絶えることがない。

ヨブ記 【14−7】
ホウチャクソウ