白滝山(オトワ池〜長池〜オシロ谷)//比良
2009.3.21


早春の緑と雑木と残雪が素晴らしい



2009.3.21 (土) 晴れ  哲、道





行き:JR京都駅 7:58 − JR堅田駅 8:45 − 坊村バス停
帰り:葛川学校前バス停 15:50 − JR堅田駅 − JR京都駅



コース:
坊村バス停〜伊藤新道取付〜ワサビ大滝〜白滝山〜オトワ池〜長池〜鉄塔G〜鉄塔A〜オシロ谷渡渉〜鉄塔@〜葛川学校前バス停



◆注意
・白滝山〜オトワ池〜長池はなだらかな丘陵が続き積雪時、コース不鮮明なので注意して下さい。(積雪時は初心者危険)

・オシロ谷コースへは、長池西にある鉄塔Gから、北西にある鞍部に下り西の尾根を進む。

・鉄塔Aから、オシロ谷へは急斜面の横道をとるが、ガレが進行していて、細い道も寸断されているので注意。

・鉄塔@付近は伐採中で踏跡が寸断され、道が分かりにくく歩きにくい。伐採中は、コースが見えないので初めてトライする方は、葛川学校前から登らないで下さい。









 連休の中日、久し振りに晴れの土曜日である。昨日は大雨であったが、今日は晴れで上天気、春らしい天候である。「今日は 暖かいだろう」と比良に出かけ、白滝山の残雪と樹木を楽しむことにする。

 JR堅田8:45発 細川行きのバスは立客も多く、まずまずの人出のようだ。平バス停で降りる人もなく、ほとんどの人が坊村バス停で降りる。柔らかな日差しを受けながら、トイレ前でゆっくりと準備し、皆さんとともに出発する。バスから降りた約20名の人々は、みな明王谷の橋を渡り武奈ケ岳へ向かい、明王谷の林道を歩くのは我々二人だけのようだ。

明王谷の林道を歩くのは我々二人だけ 高さ1m程度の雪の塊が残り

 林道脇には緑は少なく、樹木の芽吹きもまだまだなのでひっそりしている。林道が谷から離れ、登り始めると頭上にフサザクラの花が咲く。フサザクラしか咲いていない状態だが、地味な花なので全く目立たない。以前道端にあったフキノトウも、近年全くお目にかからない。護摩堂まで来て、服を調節しながら小休止とする。林道が影になっている所は、高さ1m程度の雪の塊が残り「山頂付近の 雪はどうかな」と、ちょっと気になるところである。

 三ノ滝を過ぎると、すぐに伊藤新道の取付にくる。先程からゆっくり歩く道子は「先週 足をくじいたようだ」と言うので、この先どうなることやら。植林地を抜けると、ワサビ谷に沿って歩くことになる。昨日の雨のせいか、今日はゴーゴーと勢いのよいワサビ谷である。右手の斜面には数本束になって群生している雑木があり、どうやらこれらもフサザクラのようだ。

すぐに伊藤新道の取付にくる 右に雑木の斜面で同じような光景が続き
渡渉地点の標識

 しばらく左手に谷、右手に雑木の斜面で同じような光景が続き、「渡渉地点は まだやったかいな」と言うことになる。やっと造林公社の立て看板が見えてきて、渡渉地点にやってくる。目の前のたくさんのマークに従ってもよいが、我々は立て看板を少し進んだ所からワサビ谷を渡る。

 斜面を登って行き、水量も多く立派に見えるワサビ大滝を見ながら小休止する。ここから滝上までは、左手の斜面を登って行くのだが、この急斜面が少し削ってあり歩きやすくなっている。踏跡を辿りながら斜面上部へ行き、右手に見える大きくエグレた溝を渡る。小さな支尾根を巻くと、すぐにワサビ大滝の上に出て、今日は水量の多いワサビ谷を渡る。少しだけ斜面を巻いて行くと、小さな谷に出合い、これを渡ると植林地の中を歩く。

大きくエグレた溝を渡る すぐにワサビ大滝の上に出て、
今日は水量の多いワサビ谷を渡る

 しばらく登って行くと、左に大きく折れ植林地を抜ける。ここは先程の小さな谷の上にあたり、急斜面の巻き道を歩く。ここに残雪があり凍っている場合は注意が必要で、通れないと判断した場合は引き返し、最初のエグレた溝付近の斜面を登って行く方が安全である(地形図の破線の登山ルート)。小さな谷を渡り、植林地を巻いて行くとワサビ谷上流に出合う。ここから先はもう水がないので、小休止して手や顔を洗う。

 谷の上流へと植林地の中、谷に沿った道らしきものがあるが、登山ルートは谷を渡り植林地を登って行く。間違いやすいのだろう、渡った所の木に「⇒」がぶら下げてある。しばらく植林地の中、ジグザグの道が続き「ここが 一番いんどい」と道子。足をかばっているのか、歩幅も小さくスローペースである。幸いにも登山道は雪が少なく歩き良いので助かる。標高820m付近で植林地を抜け雑木に変わり、北方が開けてきて御殿山方面が見渡せる。

登山ルートは谷を渡り植林地を登る 北方が開け御殿山方面が見渡せる

 しばらく植林地の端を歩くが、もう中に入らないので明るい。コースに二本の杉を見ると山頂は近くなり、「あ〜やれやれ」と思ってしまう。山頂付近は丘陵のように広く、雑木と緑の草と残雪のバランスがよく、「いい感じだ」と哲郎のお気に入りだ。「おなかが すいた」と道子、雪渓を前にした日当たりの良い所に腰を下ろす。昼食後はオトワ池へと歩き出す。道子が「人の声が聞こえていた」と言っているが、残雪に踏跡がないので蓬莱山からの音声であろう。

 山頂ピーク付近まで来ると直角に折れて下り始め、少し下るとなだらかな道が続き心地よい。しばらく雪の上を歩くことになるが、周囲は緩やかな丘が広がり、はっきりした尾根道もないので、積雪時はかえって危険なような気がする。(白滝山周辺は積雪時、トレースがないので初心者危険コースとなります。)少し下ってニシヤ谷からの道に出合うとオトワ池に着く。

雪渓を前にした日当たりの良い所に オトワ池に着く

 先を行く道子が、石を池に投げ入れているが、ころころと転がって行く。哲郎も続いて、石を高く投げ入れるが、コロコロと、まだまだ厚い氷が張っているようだ。来るたびに石を投げ入れていると「そのうち池が 埋まるやろか?」。我々は長池へ向かうので、池の左の端を少し登りながら進んで行く。ニシヤ谷道にもトレースがないので、最近誰も訪れていないようだ。長池への道も心地よく、なだらかな丘の雑木と残雪を楽しむ。前方で道子がズルズルと滑る。「何や」と言う哲郎に、「ぬかるんで 足が踏んばれないからよ!」とブーブー言う。

長池へ下りていつもの周回路を右にとる 早速鉄塔Gの横を通りオシロ谷へと
鉄塔G

 ほぼ南へ向いて進む、谷のような所を登り切ると前方に長池が見えてくる。目的の鉄塔Gへは、右の尾根を進んでもよいが、長池へ下りていつもの周回路を右にとる。「あ〜 やっぱりアカン」と積雪で何処が道で何処が池か分からなくなったので、右手の尾根へと登って行く。「鉄塔Gは どこや?」と、池の反対側にある鉄塔Hからの送電線を見ながら探す。「あった あった」と早速鉄塔の横を通りオシロ谷へと下山開始する。

 しばらく関電のプラスチックの階段に従って下りて行く。そのうち階段が消えたので、行く手を探すことになる。「こちらの斜面と 北の斜面の間にある鞍部に下り 西の尾根に取り付けばよい」と適当に下りて行くと、左手前方に関電の「火の用心」の標識が見え、標識まで来ると南の斜面に登って行く階段が見えているので、どうやら我々は、鞍部へ早く下り過ぎたようだ。哲郎は間違わないようと「→ 長池」と落書きする。

北の斜面の間にある鞍部に下り 送電線が近づいて来ると鉄塔Fに

 鞍部から西の尾根に乗り、離れていた送電線が近づいて来ると鉄塔Fに出合う。ここから尾根は少し登って行くが、踏跡は登らずに北の斜面を巻いて行く。再び尾根に出合い鉄塔Eを過ぎると尾根が広がり、真っすぐに進んでいると送電線を見失ったので少し引き返し、右(北)より進むとすぐに鉄塔Dに出合う。

 もう尾根も送電線も北西方向に変わり、送電線は雑木の上を走っているが、感電の階段は植林地の中へ入って行く。「今日は 忠実に行こうか!」と倒木の多い植林地の中の階段を探しながら下りて行く。鉄塔Cを過ぎ、尾根の端に立つ鉄塔Bを横に見ると、尾根は雑木に変わり下って行く。鉄塔Aが見えてくると、巡視路ルートは右の斜面に少し降り迂回する。すぐの鉄塔Aでこの尾根と離れ、右(北)の斜面のガレ場を渡るので、ここで小休止とする。目の前のタムシバも芽が膨らみ「今年も 咲いてくれるであろう」。

鉄塔EからDへの雑木の斜面 鉄塔CからBは植林地を歩く

 ここからオシロ谷まで急斜面の横道を通るのだが、昨年よりさらにガレているようで道がほほとんど無い。滑らないようにゆっくりと進んで行き、オシロ谷の小さな滝下の渡渉地点に出合う。前回咲いていたハシリドコロにも芽が吹き、もうすぐこの付近を賑わせてくれるであろう。オシロ谷は昨日の雨で水量が多いが、ここだけは簡単に渡れる。手や顔を洗い、目の前の植林地へと進入する。薄い踏跡を辿り、途中ガレ場を渡り、再び植林地の中をゆっくりと下りて行くが、オシロ谷よりはず〜と高い所を歩く。

鉄塔Aからオシロ谷まで急斜面の横道を オシロ谷の小さな滝下の渡渉地点を

 遠方に関電の標識が見えて来て、鉄塔@が近づいたことが分かる。この標識、はっきりしない踏跡の植林地の中ではよく目立ち、全快、葛川小学校前から登った時に、ルートが分からずウロウロしていたが、この標識を見つけルートを確認したことを思い出す。

 鉄塔@へ下り始めると、付近に伐採された多くの木が横たわり歩きにくい。歩きにくいと言うより踏跡が寸断され、下りるのに時間がかかる。やっと着いた鉄塔@から、されに伐採が進み下りるのに苦労する。「すべての木が 伐採されていないのは 間伐か?」「間伐にしては 太くて立派な木だし」いずれにせよ、伐採が終わるまで、下から登ることはルートが分かりずらく無理のようだ。

鉄塔@付近は木が横たわり歩きにくい 民家の横を通りバス停へ

 やっとオシロ谷に着いたと思ったら、最後の木の枝の折れ口で怪我をする哲郎。「イタイ〜」の哲郎は最後で注意力が落ちたようだ。消毒した後「バンドエイドは?」と二人でザックの中を探すが見当たらない。やっと道子が見つけ「ザックの中味は定期的に 点検しなくては」と二人。時間の余裕を十分持っての下山だったが、伐採木で時間を要し、急いでオシロ谷で身体を拭き、着替え、用具を洗いバス停へと急ぐ。水道施設からの細いコンクリートの道を下り、獣よけゲートを閉じ、しっかりと紐で結び民家の横を通り国道に降り立つとバス停はすぐ目の前、「あ〜やれやれ」。








地が芽を出し
園が蒔かれた種を芽生えさせるように

イザヤ 【 61:11 】
フサザクラ