壺笠山/比叡山系//北山


「汚い谷やな〜」と言いつつ、これが面白い



2008.6.27 (土) 晴れ  哲、道





行き:JR京都 7:58 - JR唐崎
帰り:JR唐崎 13:05 - JR京都駅



コース:
JR唐崎〜穴太二丁目〜谷(地形図の破線)取付〜送電線直下谷分岐の堰堤〜古道出合〜林道終点出合〜林道分岐の鞍部〜壺笠山登山口〜T字分岐〜壺笠山〜滋賀里道分岐〜林道終点出合〜林道入り口〜JR唐崎


注意:
穴太二丁目からの谷遡行は、道はなく倒木が多く初心者危険コースです。壺笠山へは穴太三丁目の高台から取り付いてください。







 「今夜はERIのJAZZ LIVEがあるので山行きはどうしよう?」「近くにしよう!」ということになり、前回宿題が残った壺笠山に出かける。宿題とは「前回進入できなかった地形図(1/25000)に記入してある谷筋から山頂へ向かう破線の探索」と、もう一つは「壺笠山から東海自然歩道の中間にある滋賀里への古道がどんな道なのか?」である。

 JR唐崎駅前で昼食のオニギリを買おうとするがコンビニが見当たらない。「こんな住宅地の中にコンビニがない!」と不思議に思う二人。「途中に何かあるやろ」と、穴太二丁目への道を歩き出すものの湖西道路までにコンビニの看板は見当たらない。幸いにも手焼きのパン屋さんがあり、おいしそうなパンを購入する。

 湖西道路を潜り、道を渡り左手すぐにある北の京阪穴太駅へ向かう道へと右に折れる。左手に田園と比叡の山々が見えて来ると取付から100mも進まないうちに西の山へ向かう道の分岐に出合う。これが地形図(1/25000)の破線の道である。

JR唐崎駅から北北西へ 湖西道路を潜り
左手すぐの道を右に折れる
穴太二丁目6を西へ

 左に折れ、丁度壺笠山を正面に見ながら畑の間を進み、京阪電車の線路を渡り車道を横切ると、道は民家の間へと続くがすぐに山すそに出合う。目の前に雑草が茂りその手前でスパッツを着けながら小休止する。8時42分谷へと進入を始める。目の前の堰堤越はちょっときついので左手の山道を少し進み、堰堤上の谷へと下りて行く。「この谷を進むか、左岸の植林地進むか?」。倒木の多い谷を見て、「とりあえず谷沿いの植林地を進んでみよう」ということになり、谷を渡り植林地を登って行く。

左に折れ、丁度壺笠山を正面に見ながら 谷へと進入を始める
倒木の多い谷を見て 谷を渡り植林地を登って行く

 植林地を谷に沿って歩き始めると、植林地は平に整地してあり、いかにも昔陣地であったような雰囲気をかもし出す。この整地された植林地は階段状になっていて、それを一段ずつ登って行き奥の方へと進んで行く。最後の段だろうか、登って行くとそこはササが群生していて身動きがとれず「アカン!」と哲郎。

 ここで植林地を諦め谷へ降りることにする。ケモノ道のような所を数m下り谷の中を歩き初める。倒木が多く綺麗とはいえない谷、少し進むとV字の谷になり「この付近やったら、谷へは降りられへん!」。薄暗い谷、相変わらず多い倒木、誰も歩いた形跡は無い。

この整地された植林地は階段状になっていて 少し進むとV字の谷になり

 「そろそろ送電線が見えるはずや」と見上げるが細い谷に覆いかぶさった木々で空は全く見えず、現在地が特定できない。前方に大量の倒木、「これは無理やな〜」と、ふと左手の斜面を見ると、なんと関電の階段が見える。谷を出て階段を登ると、下流へと立派な道が続いているが上流には薄い踏跡が続く。それでも「谷よりも良いだろう」と右岸の薄い踏跡を進むことにする。

 道はだんだん薄くなり「ケモノ道のようだ」と進んで行くと、立派な堰堤に出合う。堰堤は土砂で埋まっていて広場を形成している。ちょっと見上げると木々の間から送電線が見えるので、「これが2番目の送電線で、地形図の谷分岐地点や」と分かる。左右の小さな谷にはすぐに堰堤があるが、地形図の破線通りに左にとって見る。

「ケモノ道のようだ」と進んで行く 立派な堰堤に出合う

 最初は谷沿いに歩き良い道が続くが、すぐに消えたので分岐まで引き返し、谷分岐地点にある関電のマークから目の前の斜面を登ることにする。道なりに進んで行くと道は右俣に沿うようになり最後は堰堤前の木の橋に出合う。ここに橋があるので「我々が歩いたのは関電の巡視路のようだ」。でもこの橋半分朽ちているので二人とも左手の斜面を通り堰堤の上に出る。目の前はもう斜面で、急な斜面を登って行くと、前回下りで利用した古道(作業道)に出合い、そこには関電の標識が立っている。

 これで、地形図の破線の探索は終わり「谷道に関電の巡視路は所々にあるが、古道は残っていない」という結論になる。「白鳥越えはこの谷の道ではないようだ」と哲郎。この古道を歩き始めるが手入れされていないので歩きにくい。しばらく進むと林道終点に出合い、ここからはほぼ水平な林道を西にとる。

谷分岐地点にある関電のマークから
目の前の斜面を登る
急な斜面を登って行くと、
前回下りで利用した古道に出合う

 しばらく歩くと壺笠山と北のピークの間にある鞍部に着き、ここで四ツ谷川からの林道に出合う。この分岐は標高350mなので山頂までは70mの登りになる。林道からの壺笠山登山口は左15m下った所にあり、色々なマークがある。道とはいえないような斜面を登って行くと、溝状の道に出合うので、これが古い登山道で鞍部まで一直線に下っている。登りが緩やかになると壺笠山への取付道があるT字の分岐に出合う。分岐にある立看板の落書きも綺麗に書き直され、その下に標識が追加されているので、もう誰も迷うことは無いだろう。

 この1年間で壺笠山の人気が上がったとは思えないが、以前より訪れる人が増えているようだ。分岐を左にとり5分で山頂に着く。山頂の城址を半周したところに山名札があり、「涼しい!」と、ここで昼食とする。今まで気がつかなかったが、足元に基準点が埋め込まれていて、その横で朝買ってきたパンを食べる。山頂からの展望はほとんど無いが、東方より電車や車の音が聞こえてくる。

林道からの壺笠山登山口は左(南)15m 足元に基準点が埋め込まれていて

 「今日はユックリできない」と早々に山頂を発ち下山を開始する。T字の分岐まで戻り、ここを真っすぐ東にとり東海自然歩道の方へ進む。すぐに植林地の中を歩くようになるが、ここは広い道が続く。植林地を巻いていた道も西に向き、尾根下の斜面の雑木の中を歩くようになる。心地よい古道は続くが谷で崩れかけたところだけは注意して渡る。「ここや!」と、前回東海自然歩道の手前で滋賀里へ下る道を見たので、今回はこれを下ることにする。古い登山地図に破線で描かれていた道なので「どんな道やろか」と二人は下り始める。

 最初は斜面を下る立派な道が続くが、谷間に近づいて来るとはっきりしなくなる。谷に下り切ったところで右からの谷に出合うと、すぐに水の流れる幅の広い谷に出合う。谷に沿って少し下ると、すぐに林道終点に出合う。林道はなだらかでユックリ下って行くが、谷間が狭いので野草は余り育たないようだ。「古い道なのだが」と少々期待はずれの哲郎。

「ここや!」と、滋賀里へ下る道 谷に下り切ったところで幅の広い谷に出合う

 林道は舗装されているが緩やかなので歩き良い。ちょっと谷間が広くなってきたと思ったら、家が見えて来て滋賀里二丁目の山手の住宅地に出合う。ここは北の穴太三丁目のように高台にあるので、目の前の琵琶湖を見ながら下ることになる。民家の間を抜け12時40分JR唐崎駅に着き「ホッ!」とする二人。








そのかたわらには空の鳥が住み、
枝の間でさえずっています。


詩篇 【 104−12 】
滋賀里への古道は無動寺の
「大弁財天道」とある